表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

道端に落ちていた石(後編)

「流石に疲れた……」

最近はずっと研究所に籠りっぱなしで、自宅にも殆ど帰っていなく、家が心配でこうして帰っている途中、石を踏んだ。

「わっ」

よろけて、すぐ近くにあった壁に寄りかかって転ぶのを回避した。

「ふぅ~、石なんて危ないな。」

そう思い、男は石を端に置いておこうと手にとった。

その瞬間、映像がよぎった。

海の中、魚がいっぱいいて、その中にはサメもいた。

流石に驚いて、尻餅をついてしまった。

「なんだ、これ」

恐る恐る、触れてみると何も起こらなかった。

自分は疲れているのだ、そのせいだろうと考え、自宅に帰った。


昨日は1日中寝たおかげか、頭もスッキリしているし幻覚も見ないだろう。

そう思って、昨日触った石の前まで来た。

固唾を飲んで、触る。

蟻が蝶々の死体を運んでいる。

1枚の羽を何匹かで持って、運んでいる。

それで映像は終わる。

今日は映像が終わるまで持っていたが、自動的に終わった。

研究所に持っていこう、男はそう思って石を持っていった。


「そんな事あるわけないじゃないですか」

部下の1人がそう言って触る。

「何も見えないですよ」

「いや、見えるはずなんだ。

今日はこれを研究しようと思ってね。」

「まぁ、長年研究したのは終わりましたからね。

まぁ、いいですよ。少しぐらい手伝ってあげましょう。ただの疲れだと思いますけど。」

そう言いながら、研究を手伝ってくれた。

先ずは、石が何で出来ているかだ。

此方の研究はあまりしたことはないが、やり方ぐらいは2人共わかる。


それから1カ月、みっちり研究した。

その間に、部下も映像を見た。

すると部下は自分の頬をつねって驚いていた。

そして、そんな面白い事よりももっと面白い事が分かった。

「電気が流れているな」

石とか宝石とかに詳しい、男の同僚に手伝って貰い、此処まで来た。

「トルマリンは摩擦させると微弱な電気を放つが、元から持っている石は初めて見た。」

同僚が興味深そうにしている。

「それに、これは熱から電気も生み出せるらしい。

もう少し調べてさせてくれ。」

同僚が頭を下げながら、頼んでくる。

同僚は気が強く、滅多に頭なんて下げない。

「分かった。じゃあどれぐらい?」

「後半月くれ、この石と共にこの石の資料を渡そう。」

「分かった。じゃあな。」

そう言って男は立ち去った。


あっという間に半月が経ち、ではなくその前日……。

同僚からメールと画像が送られてきた。

『これが、研究した石の資料だ。

明日の13時に来てくれ。』

資料は、簡潔にすればこうだ。





石は電気を放っており、その電気で生き物の脳に干渉して記憶を見せるという物らしい。


ちゃんとは分からなかったが、此処まで分かったのは良い方だろう。

何故なら、よく分からないモノで出来ているからだ。

この地球上初発見した物質かも知れないモノで出来ている。

熱を与えれば電気を作り、熱がなければ少しずつだが自分で電気を作る。そういう仕組みらしい。

そして、この石は壊れない。

鉄の武器を使っても、ダイヤで作られた武器を使っても、壊れない。


この中に、全ての謎が隠されているのだろう。


そしてこの石が何故、見てきたモノを記憶し、生き物にその記憶を見せる事が出来る電気を持っているのかも……。


その深夜、男は好奇心でバーナーを持った。

それを、石に当てた。火力最大で。

石が部屋中に光った。

男の頭の中に流れ込んでくる。

石の記憶、恐竜にメガロドンに………そんなモノが一気に眼に映った。

そして、それを見ながら男の眼は真っ黒になり意識を失った……。




『昨日未明、研究所から死体が発見されました。

死因は不明です。

ですが、その部屋から凄く眩しい光が放っていて、駆け付けた時に息をしていなかったと第1発見者が供述していたとの事です。

では次のニュースです。』


『研究所から死体が発見された人の身元が判明しました。

亡くなられたのは野良日誠司(のらびせいじ)さん。

死因は脳が焼き切れていたと。

大量の情報に処理が追いつかなかったと、解剖では分かったそうです。

では、次のニュースです。』

その石はあの事件以来消え去り、何処に行ったのかも分からない。

あの石がどうなっているのかも、どうなったのかも…全部が分からないのだ。謎だらけだ。



その石はまた誰かの前に現れるのだろうか。

その石の謎を解ける者はいつか現れるのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ