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3.案外なロックンロール

 あの二人相性いいみたいと、こそこそ話されていた、嘘をつけ。

 全員が丸いテーブルを囲むソファへ座った。


「何か占いましょうか」と一番目の開口者だ。

「珍しいな、気に入りか?」「気に入りだ」と二つの声が続く。


「気に入りですよ。それで、どうします、紫月さん」

「……では、おすすめで」

占いは巡り合わせにする、良くも悪くも発言の影響を受けるから。

 気に入りの話は兎も角、この男が偶然にするかも兎も角。


 水晶に両手を翳し、満足げな笑顔をふっと見せる。なんだろう。占いをした事はなく、少し興味が湧く。

「申すなら、少し周りを見てみるの良いかと。ただし…まあそんなところですね」

周りかあ、考えてもいいかもなあと、「ありがとうございます」と返した。

 他の方は、彼の占いは曖昧模糊だと言っていた。




 それから、縁は繫り、度々遊んだ。

 遊園地のジェットコースター前で、私になにか見えますかと、じっと梅ちゃんが言う。揺れる顔と絶叫が浮かんでいた。

 その子はどうするのと聞けば、リュックサックで共に乗るらしい。

 楽しみだね〜と揺れる背中は檀さんだ。

 お疲れ様でした〜!と明るい声で下車し、ぼさぼさだねと梅ちゃんの髪を下に撫でた。疲れました……と最高!スリリング!と二人は分かれていた。


 カラオケでは、鈴風さんがファンらしい女性アイドルの曲、梅ちゃんは可愛らしい曲、藤沢さんは流行りの曲、蜜井さんの恋の曲に……と色々聞いて、歌った。檀さんの落ち着いた曲は心に沁みた。


 

 ある日私は、「紫月さんて」と言う蜜井裕晴にカウンターで追いやられていた。

 集まる日だったため、先に居たこの建物に持ち主である蜜井裕晴と、早めに着きカウンターの木を何気なしに撫でていた私。

 左側には手が置かれている。右側にも置かれる。支えるためについた左手を触られる。

「貴方、他の人にもこんな事させるのですか」

「いいえ」


 がちゃっと扉が開き、幾つかの足音と声。「あれ?裕晴くん一人?」と檀さんの声だ。

 身体を傾けて、こんにちはと声に出す。


 皆と話そうと前に出ると、後ろから手を掴まれる。なにかと振り向けば、手を引っ張られ距離が近づいた。「危ないですよ、なんですか」と目が合う。


「貴方が好きなんですよ」

「……なるほど」

ぱちっと浮かぶ映像、この人……。


「それでどうしたいのですか」と問えば、「結婚」と彼は呟く。

「……いや、結構前から占いで出ていたのですよ?それなのに、それなのに……普通ああいうので落ちるんですよ!」

「……錯乱しないで下さい」

「しますよ」

彼の頰に手を触れる。

「私にそれを求めるのは難しいですよ」


「それで落ちる貴方が見たかったのです……」とは難儀な……。

「いいですよ、結婚しましょうか」

「え?」


「じゃあ、片付いたので、皆さんそろそろどうぞ」と席に手を向ける。「忘れられたかと思った……」と鈴風さんと梅ちゃんが座り、藤沢さんは動けずに立っており、檀さんと蜜井さんは「全然片付いてない!」と叫んでいた。


Fin.

お読みいただき、誠にありがとうございます。

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