1.プリンは至高
未来とはなんだと人は思うのだろうか。人のことなど、然程重要視していないが……。
未来とはただの事象だ。私にとっては勝手に浮かぶそれだけだ。
浮かぶそれは、ある映像。コンビニエンスストアで購入したのだろうか、嬉しげに匙を口に運び、手にプリンを持っている女性。コンビニエンスストアから考えるとすると日常の贅沢を払ったようだ。
夕飯後の読書の時間頃なのか。
私は、仕事が終わり帰路に着いていた。今日一日は其れが頭の片隅にあったからと占めたそれに柔らかな悪口を浮かべ、首を上に向ける。そこはとっくに夜も更け、大きな月に無数の星々に…………なんて、やりたいところだが、気付くと必要な支払いをと、家の近くのそこに入っていた。
ふわっと冷蔵の菓子コーナーへ行き生クリームがホイップされたプリンを手に取る。会計では求められる金額にいつも通り驚きつつ、怖がりつつ、支払いを済ませる。今月の支払いは問題無いな、なんて思考らと供に帰宅を果たす。
夕食のデザートにはそれを口に入れた。味は、まあ、想像を越える美味だったとだけ、残しておこう。
ふと思い出した、ああ危ない、忘れていた、明日の資料を確認するのだった。
ゆったりと頭や心が落ち着いた処にふっと思い出した、危ない危ない、プリンちゃんの御蔭で、また所為であるな。プリンちゃん__。
湯船に保湿効果の入浴剤を入れつつ、ふと了見する。明日は、今日買ったものの隣にあった子を買おうかな、美味しそうで可愛い抹茶色の子を。
別日の休日、本屋へと漫ろに歩いていた所を突然声を掛けられ、話がしたいとカフェに誘われた。見たところ二人組らしい。謎に興味が湧き、着いて行くことに決める。人取りも程々に多い通りで、そこまで危険はないだろうし、ありそうなら対処すれば良いし、あったらあっただと思考を置きつつ後ろを歩くと、彼らの行きつけらしいカフェに着いた。程よく明るく、程よく落ち着く、知らない相手と行くには適している様に思う様相だ。
「これがお勧めでして……」と誘いの主である社交的そうな男性がサラダを指す。
然程変でもないが、カフェでお勧めにサラダなのかと思うが、「ではそれで」とお勧めをいただくことにする。
もう一人の小柄な男性は、少々様子が変で居心地が悪そうに見えた。脅されているのかと、何も知らなければ聞いていた可能性がある様だ。その訳に見当は付けない。
未来が浮かぶ。……どうやら彼らとは縁ができそうだ、これまでの経験上そう感じた。
「おや、何か見えたのですか」そう聞こえた。どうやら、そういうことみたいだ。
「私沈黙も一手だとは思います。ですが、そうでしょうか」鷹揚にそれでいて狙われている様に、目を合わせようとしてくる。社交的ねぇ、そう浮かびつつ一呼吸分おいて返す。
「奇遇ですね。私も、そういうのは面倒で」
「おや偶然」
すらすら話す男の隣の小柄なもう一人に目をやると、先に増してな様子でずずずっとと苦くなさそうなコーヒーミルクを口にしているが顔はやや苦そうだ。甘党なのか。
「それでは、お話しいたします。この度、話しかけさせて頂きましたのは__」
話を聞くにどうやら超能力がある人間が其れを明かし合い、ある程度の人数で交友しているらしく、勧誘というか話しかけに来たようだった。それにしてはな話しかけ方だったと思うが、きっと能力で性格に難があるだろう、と認識にしようか。
やや感じる視線に目を向けると、何か失礼なことを考えている様ですね、と言いたげだ。貴方には思われたくはないのだがな。
そこに行って見るのも面白いのだが……。今の所、これと言って大きな利点がある訳でもないし、どちらでも良いか、なら
「では、考えておきますので。今日の所は失礼致しますね。この後、用もありまして」
「ほんとうに……?」
本当にとはなんだ、微笑みながら言うのではない。どうやら解っている様だな、私がどういう人間か。知らないが話術がある様だ、可哀想に。
「詮方ない。今日奢って下さいますか」
たらふく食べて、払っていただいた。これで得をした、利があったのだ。満腹で満足だ。
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