やる気満々と言ったような感じで白旗をブンブンと振り回して、有り余るやる気を発散させているくらいだった。
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「それで、まだ名前を聞いていなかったけれど、あなたの名前は何と言うの?」
「自己紹介が遅れてすまねえ。俺の名前はビーカ。よろしくな、ピースウォーカー」
「こっちにだって名前があるんだけどね?ピースウォーカーじゃなくて、神楽坂うか」
「そうなのか。まあでも、ピースウォーカーの方が覚えやすいからピースウォーカーと呼ばせてもらうぜ」
全く、これだから天志というのは。
「僕ちゃん、天志っていうのは本当にこういうやつらばかりね」
「僕ちゃんにそんなこと言われても困るぞ」
「ゴスペル様に忠誠を誓っていた天志だ」
「そうなの。ずいぶん立派じゃない?」
「ゴスペル様が立派な人だからな」
「そうなんだ。まあ屈強な人ではあったわね。強かった」
「そうだろう。ゴスペル様はつえーんだよ」
たったこれだけの会話なのにも関わらず、ビーカがどれほどゴスペルという天志を尊敬しているかよく分かった。
「あのゴスペル様が死んだと聞いた時、耳を疑ったよ。まさかそんなことがあるはずがない!ってな。だがそれは事実だった。どこの誰が殺したのかずっと気になっていたんだが、ピースウォーカーが原因だっていうことを聞いた時、ずっとお前のことをぶっ殺してやるっていう事ばかり考えてた。だが、今ここに来て、真相を知った。感謝しかねえよ」
相当物騒なことを言われたような気がするけれど、気のせいだろうか?
まぁ、いいや。
「それでな、すっきりしたんだ、俺は」
「すっきりした?」
「そうだ。ゴスペル様を助けようとしてくれたお礼に、なんとか力になってやりてえ。どうすればいい?」
ここら辺もやはりゴスペルの部下と言ったような感じだ。
考えるよりも行動する方が得意なんだろう。
協力したいと自分から申し出てきておきながら、どう協力すればいいかは分からないから考えてくれと言っている。
「ルル、どうすればいいと思う?考えるの得意でしょ?それにビーカは元ゴスペルの部下なんだから、もしかしたら波長が合うんじゃないの?」
「別に波長があっていたわけじゃない」
「ずいぶん辛辣ね?それで作戦はあるの?ないの?どっち?」
「作戦?そんな大げさなことを考える必要ないだろう。その白旗を持って本拠地に向かって行けばいいんだ。そしてヴィクトル様にこういった事情があるということを伝えてくれればいい。君はハイパーマンの部下なのだから、特に問題はないだろう?ただ本拠地に行って、伝える。これでおしまいじゃないか」
「いやいやいやいや。何を考えているのよ!ダメでしょ!ルルのことを裏切り者だと思って、全力で攻撃してくるようなやつらよ?そんな白旗を持って本拠地に向かっていくような真似をすれば、一体どうなることやら!ビーカも裏切り者だと認識して攻撃されるかもしれないじゃない!うか達の二の舞になるわよ!?白旗を掲げないでそのまま本拠地に向かっていくことはできないの?」
「君はハイパーマンの部下なんだろう?だったらそんな勝手な行動はできないだろう。白旗を持つことによって、ようやく僕たちのメッセンジャーだということが伝わるんだ。そうじゃなければヴィクトル様に会えないんじゃないか?」
「それでも危ないわよ。そんなの、攻撃してくださいと言っているようなものじゃない!裏切り者だと言って周りの天志の格好の的になるわよ!許せない、そんなの!」
「ピースウォーカー、舐めてもらっちゃ困るぜ。その辺の弱々しい天志とは違うんだ。特にゴスペル様の部下はな」
「そりゃ強いことは分かっているけれど、でも心配なのよ。万が一っていうこともあるでしょ?それに相手は大人数よ!いくら強いと言っても、たった一人で立ち向かっていけば大変なことになるわよ!そこら辺、分かっているの?」
それでもビーカは聞く耳を持たなかった。
やる気満々と言ったような感じで白旗をブンブンと振り回して、有り余るやる気を発散させているくらいだった。
「本人がやる気なんだからいいだろう」
「ダメよ。分かった、じゃあせめてハイパーマンたちがいる場所は避けましょう。迂回して本拠地に近づいていきましょうよ。それだったらいいわよ」
「ピースウォーカー、別にそんなことしなくてもいいんだがな」
「ダメよ、どれだけ強くても念には念を入れて気をつけた方がいい」
ということで本拠地には迂回して近づくことになったのだった。
「それじゃ行くわよ!あ、それとミッション、分かってるよね?」
「はーい。大人しくもくもくと一緒に教義学校で留守番してますよ」
「よろしい」
バサッッッ!!!!!!
ビュウウウウン!!!!!!!!!
子供の歌声のように純粋な音を発している川を見ながら、本拠地に向かって迂回して移動していた。
「面倒だな」
「文句言わないの。あんたの為なんだから」
「どこまでついてくるつもりだ、ピースウォーカー?」
「そりゃ本拠地に近づくまでよ。あんたのこと護衛しないと何があるか分かんないからね」
「ゴスペル様の元部下に、そんな護衛みたいなものはいらない」
そしてしばらく飛んでいたら、ビーカがこんなことを言い始めた。
「そうだ、ピースウォーカー。やっぱり戻ろう」
「何でよ?」
「ハイパーマン様のところにいる元ゴスペル様の部下たちに、こういうことをすると伝えたいんだよ」
「どうしてだ?わざわざそんなリスクを負ってまで戻る必要はないだろう?一人でできないのか、一人で?」
「でも仲間に伝えてやらないと。仲間を大切にしてやりたいんですよ。行けませんか、ルル様?」
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