ルルにしてはかなりの大声だった。そこに怒りが含まれていたのでほとんど怒鳴り声に近かった。
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「大丈夫?ミッション!!」
体に風穴を開けて口から血を出していたけれどでも、楽園の光がある以上多分大丈夫だろう。
でも、それでも心配する気持ちは変わらなかった。
「何であんな子供にピアスピアなんて向けられるのよ!」
「子供?大人だろう!」
「うん、どう考えてもそうなんだけど、これには事情があって!」
「そんな事情、私には関係ないな。戦いの最中に相手に事情を理解してくれというのがピアスピアの流儀なのか?」
でかい声で言われたのもあってイラッと来たけれど、今はこんなことをしている場合ではなくて、すぐにミッションのことを支えてあげなければ。
風穴を開けたわけだから楽園の光にまで自分一人で行けるかどうかも分からない。
だからミッションには来て欲しくなかったんだ。
こうなることは予測できなかったけれど、でも強敵と戦うということは何が起こるかわからないわけだから、まだ戦いの経験が浅いミッションが来るにはこの戦場は早すぎる。
そしてハイパーマンがピアスピアでミッションを攻撃したのを皮切りに、どんどんその部下の天志たちが群がってきて、こっちに向かってピアスピアを向けたのだった。
「ピースウォーカー」
「何よ、ルル?」
「さすがに不利だ。こっちは少人数だから何か奇襲でも仕掛けられればよかったと思っていたのだけど、まさかハイパーマンが待ち伏せしていたとは思わなかった。真正面からこの大人数を相手にするなんて愚か者のやることだろう。こんなの死にに行くようなものじゃないか」
「だったらどうするのよ?」
「戦うんじゃない。もう対話をするしかないだろう。おい、ハイパーマン!」
「ルルか、何だ?それよりお前はピースウォーカーと一緒に行動しているんだな。まあ私はそのピースウォーカーが嫌いではないから、他の天志ほど嫌な気持ちにはなっていないがな」
この発言によってうか達は希望を持った。
天志というのは普通、ピースウォーカーを差別しているはずだし、そのピースウォーカーと一緒にいるような半ば裏切り者のような存在とは口を利かずに即行で攻撃を仕掛けてもおかしくないわけだ。
だから一応、対話ができるという天志ということなのだろう。
これは素晴らしいことだ。
「救世執行妨害をした教義学校の生徒を匿っているな?」
「まだ子供じゃない!許してあげなさいよ!」
「そういうわけにはいかないな。一応ルールなんでな」
「どうすれば許してくれる?」
ルルがそういう風に尋ねると、一旦ハイパーマンは黙り込んだ。
そして部下と会話をした結果、ちょっと待っていろと一言つぶやいた。
私たちはここで反抗しないで、流れに身をまかせた方が得だと思ったので、黙っていることにした。
そうすると1人の天志がここから離れて、しばらくすると戻ってきた。
そしてハイパーマンに何か耳打ちをした後に、ハイパーマンは口を開いた。
「一体何を話すつもりなんだろう?」
「さあな。それはこれから分かることだ」
「ルル、ヴィクトル様にこのことを話した結果、お返事が来たぞ」
「なんて言ったんだ。ヴィクトル様は寛大にも貴様らのことを許してあげるつもりらしい。ただし条件がある」
「何だ、条件って?」
「あんまり変な条件は聞けないわよ!」
「そこのピースウォーカー!!お前が救世軍OLIVに入るんだったら許してやるとおっしゃられている」
そうやってハイパーマンが口にした瞬間に、周りの天志がざわざわとし始めた。
近くにいるルルまでも動揺した様子だった。
「何!?本当にそう言ったのか?」
「本当にそう言った」
「本当か?」
「本当だ。同僚の言葉を信じてくれないのか?」
そういうとルルは黙り込んだ。
今この状況では信じざるを得ないだろう。
信じなかったら信じなかったで、それじゃあ戦おうということになって、うか達は無数のピアスピアによって蜂の巣にされるだけだから、元から選択肢なんてない。
相手の言葉を信じるしかないんだ。
「それでどうする、ピースウォーカー?救世軍OLIVに入るのか?」
そんなことを急に言われても、はいそうですかと言って入れるわけがないだろう。
だって天志というのは差別主義の集まりじゃないか。
この楽園に来てから、一体どれだけ嫌な気分になってきた?
そういった差別主義の巣窟に入っていくなんて、本当に大丈夫だろうか?
それに教義学校をめちゃくちゃにした奴らの仲間になるなんて、ありえない話だ。
そういう風に悩んでいたら、眉間にしわが寄っていたのか、ルルが説得してくる。
「仲間になればいいんだ。ただ仲間になればいいだけの話だろ?何をそんなに難しく考えているんだ」
「でもハイパーマンはミッションを攻撃してきたんだよ?そんなやつらの仲間になれとでも?」
「君は僕と行動を共にしてきたじゃないか。それは良くて救世軍OLIVに入るのは嫌なのか?不思議なやつだ」
「そんな急に言われても無理だよ。こっちにだっていろんな考えとか事情ってものがあるんだから」
そうやって理由を喋っていたつもりだったのだけど、どうやらルルはそんな風には受け取ってくれなかったようだ。
「いいか、ピースウォーカー。ここでごねるのは父上を殺す行為なんだぞ?父上は僕とピースウォーカーを匿う為にわざわざ自分の立場を危うくしてまで匿ってくれたのに、ピースウォーカーのわがままが通用すると思っているのか?」
ルルにしてはかなりの大声だった。
そこに怒りが含まれていたのでほとんど怒鳴り声に近かった。
あまりの剣幕に、うかは気づいたら「分かったわよ」と口にしていたのだった。
この作品はプリンセスヒーローものです。
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