うかのことを捉えて十字架にくくりつけてきたのに、この手のひら返しだ。
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「何あれ!?」
そうやってずっと強烈な威光を放っている存在を見ていた。
丘はものすごい勢いで吹き飛ばされたけど、どうやら村人は誰も死んでいなかったようだ。
こんなことがあるのだろうか?
あまりに勢いが強すぎて、全部空中で消されたのだろうか?
光が強かったのでそれはよく分からなかったけれど、とにかく不思議なことだらけで、何と言うかただの天志とは思えないような神秘性に、ただただはてなマークが頭の中に浮かんでいた。
そうすると、その強烈な威光を放っていた存在のことをジェス様と呼ぶ村人が現れた。
「ねえねえ、このジェス様っていうのは一体何者なの?」
そばにいた村人に尋ねてみた。
そうすると、そのジェス様がうかの存在に気づいて、こっちに近づいてきたのだった。
近づいてくるそのジェス様のことをじっと見ていたら、やがて目の前に来て厳かにこう言った。
「ピースウォーカー、ひざまずけ」
「ひざまずけですって?それより、なんで初対面なのにあなたうかがピースウォーカーだっていうことが分かったのよ?そんなこと言ってないわよね?」
ピースウォーカーかどうかは匂いだけで分かるって誰かが言っていたわね。
天志というのはそういうのが分かるのな?
「いいからやるのだ、ピースウォーカー。ひざまずけ」
「なんでそんなことしないといけないのよ!ひざまずけですって?あんたがひざまずきなさいよ!そんなに人にひざまずいて欲しいんだったら、自分でやりなさい!」
「いいからやるのだ、ピースウォーカー。何度も言わせるんじゃない」
「だから何で初対面のあなたにそんなことをしなければいけないの!やりたいんだったら自分でやりなさいってば!」
そんな感じの言葉の応酬を繰り返していたら、だんだん村人たちが群がってきた。
そりゃちょっとした口喧嘩を大声でしていたのだから、この騒ぎを聞きつけて集まってくるのも当然というものだろう。
そうすると村人が叫び始める。
「いいからやるんだピースウォーカー!命令を聞くんだ!」
「命令なんてされてないわよ。これってお願いでしょ?」
「いいからやるんだ!ごちゃごちゃ言ってないでただやればいいんだよ!」
「「ジェス様!!ジェス様!!」」
そう言って村人たちはそのジェス様というものに群がり始める。
これは何と言うか、ただの好意ではなくて何か信仰に近いもののようにも思えたのだけど、これは勘違いだろうか?
「あのさ、なんで初対面の相手にひざまずかないといけないのよ?頭を下げるのだって嫌だね」
その間も強烈な威光をこのジェス様という存在は解き放っていたので、目がチカチカしてしょうがない。
「このわからず屋!いいからやるんだ!」
そう言って村人たちが一斉に群がってきて、頭を押さえつけてこようとする。
「あんたたち何すんのよ!女の子に対して最低!いくら天志だからってやっていいことと悪いことの区別もつかないの?最低最悪よ!」
「うるさい!ジェス様の言うことが聞けないのか!」
そう言って村人たちが体重をかけてきたので、もうこっちとしてもしょうがないと思いピアスピアを抜いた。
「ハルモニア!!」
ズバッズバッ!!
「ギャアアアアア!!」
そうしてる間にジェス様は、ひっくり返っている村人を起き上がらせてこう囁いた。
もっと十字架型の銃弾を渡せ。威光を渡すのだ。どこにある?貴様が威光を持ってきて私を復活させたことは分かっている」
「もちろんです。こっちです!こっちに大量の威光があります!」
そう言ってウイングの威光を盗み取った村人は、十字架の牧場に連れて行った。
「ここにあります!ウォーカーと終焉の惡魔どもの威光をいくらでもお召し上がりください!」
そうするとここまで連れてきてくれた村人のことを無視して、ジェス様は何のためらいもなくここにいる十字架にかけられた人たちの威光を取り込み始めた。
ピカァァァァァァ!!!!!!
「ちょっとあんた何やってるの!そんなことして許されると思っているの?」
「黙れピースウォーカー!今ジェス様が威光を堪能なさっているのだから邪魔するんじゃない!」
ドシン!!!!!!
そう言って村人がタックルをしてきた。
力のない村人の全力の抵抗だ。
「それとも十字架型の銃弾を浴びて、自分の威光をジェス様に捧げるか?」
そうすると威光を堪能し尽くしたジェス様がおもむろに口を開いた。
「足りない」
「何ですか?」
「足りないと言ったのだ。こんなものではまだまだ足りぬぞ」
「は?ここに大量にありますがまだ足りないというのですか?」
「そうだ。もっと渡せ!もっともっとだ!」
「ジェス様、これ以上は無理です!それがこの村の全部です!限界なのです!」
そう言ってジェス様に事実を告げたのだけど、納得しているようには思えなかった。
「いいから早く持ってこい。さもなくばこの場にいる全員をウォーカーにするぞ!」
え、ジェス様そんな力を持っているの?
ジェス様がそうやって叫ぶと、村人たちは震え上がった。
「「ウォーカーだけは勘弁を!ウォーカーだけは勘弁を!」」
全員が全員そう言ったので、嫌な気分になったけれど、天志になってみなければそういった気持ちは分からないのだろうか?
「おやめくださいジェス様!」
それでもジェス様がはったりを言っているようには思えなかった。
村人たちもそう思っていたのか急に手のひらを返して、こう言ってきた。
「助けてくれピースウォーカー!お前しか今この場で戦えるのはいないんだよ!」
この都合の良さに呆れた。
うかのことを捉えて十字架にくくりつけてきたのに、この手のひら返しだ。
そういう風に呆れていたら、そこにルルとミッションともくもくが集まってきて、合流することができたのだった。
「やめなさいジェス!みんな怖がってるじゃない!」
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