ミサはうかに対して、そんな風に濡れ衣を着せてきたのだった。
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なんて言おうか?
なんて言えばこの天志たちは納得してくれるんだろうか?
生半可な言い訳はすぐにばれるだろうし、もし嘘がばれた場合、怒って火に油を注ぐことになるかもしれない。
だから慎重に答えなければいけないのだけど今までの人生であまり嘘をついてきたこともなかったから、パッと言い訳も思い浮かばず内心困っていた。
そうすると弱り切っているルルと目があった。
その瞬間ある一つのアイデアが思いついてそれを実行することにしたのだった。
「実はうかは救世軍OLIVの天志なんですけど、今は事情があってこの怪我をしている天志を楽園の光にまで運んでいかなければいけないのです。なので本当はこういう風に話している時間はないんですよ。一刻も早く回復させなければいけないので!邪魔しないでください!」
そう言って早口でまくし立てた。
相手が考える隙を与えないようにしたのだけど、うまくいっただろうか?
内心ではドキドキしていた。
相手の表情が読めない。
信じているのかいないのか。
しかしそういったことを話し終えた瞬間、2人とも眉間にしわを寄せた。
これは相手が何も言わなくてもわかった。
どう考えても騙されていない。
何を言っているんだ、この人は?と言ったような表情で訝しげに耳を傾けるだけだ。
どうしようと思ってあたふたしていた。
ここから強引に移動すればもしかしたらついてくるかもしれないし、さらに疑いを深めるだけだろう。
だから動けないでいた。
そんな時だった。
「そういうことだ、お二人とも。これは一刻争う事態なんだ。だから邪魔をするんじゃない」
とルルが口添えしてくれたのだった。
かなり小さな声だ。
その声を聞いただけで弱り切っていたことが分かる。
のだけど、しかしそこには意志が宿っていて、小声の割にはかなりはっきりした態度が伝わった。
そして話を終える前にこう言ったのだった。
「僕は教義学校で先生をしているルラの息子だ」
そうやって顔についている血を拭いながら自分の顔を示すように2人に向かって顔を見せると、その瞬間、頭の中で何かがひらめいたような顔をして「あっ」と二人が声を上げた。
「ルル君なの?」
「そうだ。今は一刻を争う。今すぐ楽園の光に行きたいんだ。邪魔をしないでくれ」
そこでようやく自分たちの行く手を阻むようにふわふわと飛んでいた2人が邪魔をせずにその場から離れてくれた。
「行くぞ、ピースウォーカー」
2人に聞こえないような小声でうかに指示を出すルル。
バサッッッ!!!!!!
「絶対死んじゃダメだよ、ルル!意識を保っていないとダメだからね!」
「わかっている」
ルルは虫の息で、今にも命を落とそうとしていたのだった。
とにかく急がなければいけない。
強いからそう簡単に死ぬことはないだろうけれど、万が一ということもある。
もう事故で天志が死ぬのはまっぴらだ。
そんな風に飛んでいる間ゴスペルのことが頭の中にちらついて、飛ぶ時、羽根に力が入った。
「ハァハァ...たどり着いたよ!さあ回復して!」
「あぁ」
ピカァァァァァァァァァ.....!!!
楽園の光によって回復していくルルは、神々しくて神聖だった。
それは1枚の西洋画のように人の心を荘厳な気分にさせる光景だった。
いつも天志はピースウォーカーだと言って差別をしてくるけれど、この光景を見ていると確かに自分たちに優越性というものを感じて人間をそういう風に下に見てみたくなる気持ちもわかるな。
いや分かっちゃいけないんだろうけれど、でも何かそれくらい特別な感じを覚える。
出来が違うんだな、出来が。
そこから数分経つとようやく回復してくれたので、安心した。
「大丈夫?」
「大丈夫だ。もう大丈夫だから安心するんだ」
「よかった!まさかあの時かばってくれるとは思っていなかったよ」
思っていたことを訪ねてみると、ルルはそんなこともう興味がないと言ったような様子で話を聞かずにぷいっと顔を背けたので、「何なんだこいつカとちょっとだけ思った。
しかしそれは本当に嫌悪感を覚えるような感じではなく、何か微笑ましい仲間同士のやり取りのように思えて、後からクスッと笑えてきたのだった。
一見ツンツンしているけれど、でもルルは全てがこんな感じの性格なのではなくて、いいところもあるんだなと気づけたのは良かった。
そうじゃなければここに来てからずっと差別され続けているだけで、天志というものを完全に嫌いになっていたかもしれないからだ。
学校の生徒たちは違うけれど。
「2人ともこれからどうするんだ?」
僕ちゃんが口を挟んだ。
「どうしましょう?そうだ、ミサのことが気になる!気絶してあの後どうなったかしら?」
「それじゃあ行ってみるって言うのはどうだ?」
「そうね。あまり気が進まないけれど、でも行ってみた方がいいかもしれない。ルルも来てくれるわよね?」
「もちろんだ。学校の生徒が傷つくことは僕もあまりいい気分ではないからな」
そして飛びながらミサが気絶した方向に近づいていくと、僕ちゃんが言った。
「見ろよ、二人とも!気絶から目覚めているぜ!」
「本当だ!!」
バサッッッ!!!!!!
「ミサ大丈夫だった!?」
ミサのそばにはあの時、空中で出会った2人の天志もいて、やはりこの2人は両親なのだと知った。
しかしそんなことはもはや何でもなかった。
ミサは憎悪を込めた目でこっちを指さしてきた。
「ママ、パパ、この天志はピースウォーカーなんだよ。そしてこのピースウォーカーにさっき攻撃されたの。だから気絶していたんだよ」
「何だって!?」
ミサはうかに対して、そんな風に濡れ衣を着せてきたのだった。
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