第9話 新たな発見
これ、話の展開早すぎやしないですかね?ま、いっか!それでは第9話お楽しみください!
「覚えてるも何も……当たり前だろ?俺とすずは幼なじみ何だからな!でも最近学校来てないよなぁ……山行った時はいたのに。」
そこも覚えてるのか……なんで急に……?いや、待てよ。今翔斗は俺のことすずとそっくりって言ったよな。すずによく関わってきた翔斗ならすずの色々な一面を見てきたはず……
「翔斗、すずに対する1番のイメージってなんだ?」
「ん〜?パッと言われるとムズいけどやっぱ1番は人に頼らず全部背負い込んで突っ走ってく世話の焼くヤツって感じだな!」
成程……おそらく記憶を消す対象が多すぎて細かいところまで配慮できないようになってるのか。そのおかげですずに対する強いイメージや記憶などの鍵によって思い出せるようになってるみたいだな。でも今のはあくまで翔斗にとっての鍵だ。恐らく由衣は……
「2人共?さっきから何の話ししてるの……?すずって確か涼君が読んでる本の子だったよね?」
由衣は気まずそうな顔で訪ねてくる。
やっぱりか……由衣にとっての鍵ってなんなんだ?すずを救い出すには少なくともこの2人の協力は得たいところ……
そう考えていると翔斗が
「おいおい由衣!冗談きついぜ?お前とすずは仲良かっただ……」
と言いかけたけどギリギリ口を塞いでおけたから最後までは言えなかったな。今の由衣に話すと逆に心配させるだけだからやめといた方がいい。ここは由衣に先に帰ってもらって翔斗に事情を話した方が良さそうだ。
「とりあえず話が逸れたが、俺の昔話はさっきので終わりだ。由衣の門限は6時だろ。そろそろ帰っておいた方がいい。」
「あ、ほんとだ!いつの間にか5時半になってる!2人はどうするの?ていうか涼君。そろそろ手、離してあげて?」
「あ、忘れてた。」
俺は急いで手を離すと
「なんで話してる途中で口塞ぐんだよ!」
と突っかかってきた。面倒臭いからスルーでいいか。
「俺は翔斗に聞きたいことがあるから、由衣は先に帰っておいてくれ。」
「う〜……分かった!でも2人も遅くなり過ぎないようにね!」
「分かった、また明日。」
「うん!翔斗君もまたね〜!」
「お、おう!また明日!」
そう言うと由衣は走って家に帰って行った。
「で?涼、なんでさっき急に口塞いだんだよ。」
「由衣は……いや、この世には恐らくすずのことを覚えてる人はいない。」
そう言って俺は山で見た事を事細かに説明した。そこまで聞いた翔斗はずっと黙っていた。そりゃ自分の幼なじみがこんなことになってたらそうなるよな……
「なぁ、涼。すずってまだ生きてるのか?」
「……分からない。でも手遅れだとしても何とかして連れ去って行ったあいつだけは1発殴らないと気が済まない。だから方法を探してる。」
「ふーん……でもなんで涼はすずをそんなに気にするんだ?」
「なんでって……友達、だから?」
面と向かってそう言われると反応に困る。
「いやだって、俺や由衣がそうなるのは分かるけど。まだ涼はあって1週間程度だろ?流石に焦りすぎだろ?」
「そう言われてみればそうかもしれない。なんで俺はすずをこんなにも気にかけてるんだろう。」
確かに、会って1週間程度の人間にここまで尽くすのもなかなか変わった話だよな。普通ならそれなりのタイミングで諦めてると思うんだが……
「お?もしかして涼に春が来たか?」
「何を言っているんだ?今はどちらかというと秋に近いだろ?春とは程遠い。」
「そういう意味じゃねぇんだけど……こりゃ大変そうだな……」
ホントに何を言っているんだ?
「そういや涼はすずに涼の友達と一緒に助けに助けに来てくれって言われたんだろ?」
「え?あぁ、そうだが?」
「それじゃあおかしくないか?」
「そうか?別に翔斗と由衣と一緒に助けに来てくれって意味だろ?普通と思うんだが……」
「なら普通に俺と由衣と一緒にって言うだろ!それに俺に関してはすずほどまだ仲良くなかったし、友達という表現はあのころの俺達にはおかしいだろ?」
「確かに言われてみればそうだな……」
「それに、なんで涼の友達とってわざわざのをつけるんだよ。それじゃ、まるでその場に名前の知らない奴が涼の周りにいるみたいじゃないか?」
「俺の周りにって……誰もいなかっただろ?山に行ったのは俺ら4人だったし、途中で誰かとすれ違うこともなかった。」
「いや、お前さっき話してる中でいただろ?普通の人には気づけないようなのになりそうな奴ら!」
「まさか……校外学習に死んだ奴が俺に憑いてるって言いたいのか?」
「でも正直涼もなんか心当たりあるんじゃないか?俺はそういうのは全く見えないけど、それでも時々涼の周りの空気が異様に冷たい時あったぞ?」
「……確かに夢の中に出てきたりはしていたが、それはただの俺の理想であって!」
「でもその時のすずの発言的にそれしか可能性がないんじゃないか?それに、俺の言ってるお前の周りが冷たい時ってたいていお前がしんどそうにしてる時だぞ?まるでお前を守るような感じで、冷たい空気はあるけど嫌な感じどころか落ち着くまであったからな!」
「でも本当に有り得るのか?そもそもなんで俺に憑くんだ……」
「それは知らねぇけどそういうのに詳しい爺さんならいるぞ?確かあの幽霊屋敷ってビビられてるとこに住んでる。」
「そうなのか?なら行ってみたいけど、幽霊屋敷に住んでるような人だろ?大丈夫なのか?」
また同じような事にはなりたくないんだよな……
「それは大丈夫だ!あくまで子供の間……それも幼い奴らが雰囲気にビビってるだけで、普通に生活してる優しい爺さんだしな!俺、何回か喋ったことあるけど全然普通だったぞ?そういう系に詳しいのだって多分俺しか知らないしな!」
「なんで翔斗だけが知ってるんだ?」
「いや〜、その爺さんそういう系の話を面白おかしく話してくれるんだけど、聞き手がいなかったのか俺が何回か面白そうに聞いてたら喜んでついでにって感じで教えてくれたんだよ。普段小さい子に怖がられているのもあって言ってないらしいけどな!」
「……確かにそんな話をしたら小さい子どころか俺たちぐらいの年齢でも避けるようになるだろうな。」
「だろ!?その感じだと爺さんにはまだすずのこと覚えてるか聞いてないっぽいし、それも含めて行ってみようぜ!」
「そうだな、でもいつにするんだ?」
「多分いつでも行けるだろうけど日曜に行くか!そっちの方が何かあってもすぐ対応しやすいし!」
「そうだな、土曜に行くのはあまり気が進まないし。そうするか。」
土曜に行ったらまた何かありそうで嫌だからな……
「じゃ!そろそろ帰んねぇと流石に暗くなってきたし帰るか!」
「そうだな、明日も学校あるからな……じゃあまた明日。」
「おうまたな〜!気をつけて帰れよ!」
そう言って翔斗と俺はそれぞれの帰路についた。……それにしても由衣といい翔斗といい心配症なのか?両方ともすずと仲いいみたいだし面倒見がいいのか?でも、新しい発見はあったな。昔のことを話すのはあまり気が進まなかったが、結果的にいい方向に行ってよかった。すずは、今どうしてるんだろう。もしかするともう……?
記憶を呼び起こす鍵の法則を見つけ出せたみたいですね!今頃すずは何をしてるんでしょう……案外アイス食べながらくつろいでたり……はしないですよね。分かってます。それでは!第10話もお楽しみに!