表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖衣の召喚魔法剣士  作者: KAZUDONA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

343/366

342  朝の温もりと乙女達の彩り

 窓から差し込む柔らかな朝の光が、静寂に包まれたカリナの自室を優しく照らしていた。


 意識がゆっくりと覚醒していく中で、カリナは顔全体を包み込むような、圧倒的な柔らかさと心地よい温もりを感じていた。鼻孔をくすぐるのは、妖精族特有の、咲き誇る花々を集めたような芳醇で甘い香り。薄く目を開けると、視界のすべてを、はだけた寝間着から零れ落ちそうなルナフレアの瑞々しい巨乳が埋め尽くしていた。透き通るように白い素肌が、カリナの頬にぴたりと密着している。


 ああ……まだ、こうしていたい……と本能が求める。今までの冷静な自分なら即座に身を翻すところだが、美少女アバター特有の「精神侵食」が、カリナの理性を甘く溶かしていく。本能的な甘えを求める感覚に抗うことなく、カリナはルナフレアの柔らかな胸の谷間へと深く顔を埋めた。無意識のうちに右手を伸ばし、黒いナイトドレスを着たルナフレアのしなやかな身体をぎゅっと抱き締める。指先に伝わるのは、女性特有の吸い付くような肌の弾力と、トクントクンと刻まれる確かな鼓動だった。


 カリナの背後からも、逃れようのない重みと温もりが押し寄せる。サティアは、寝ている間に完全にナイトドレスをはだけさせ、その豊満な肢体を惜しげもなく曝け出していた。カリナの背中に、サティアのたわわに実った巨乳がべったりと押し当てられ、その感触が背筋を心地よく刺激する。


 さらに腰から下には、右側からカグラがしがみついていた。浴衣はすっかり着崩れ、帯もどこかへ消え失せている。丸出しになったカグラの豊かな胸が、カリナの太腿や腰回りに密着し、規則正しい寝息を立てていた。


「むにゃむにゃ……カリナちゃん……待ってぇ……」


 カグラの可愛らしい寝言に、カリナの唇から自然と笑みが漏れる。さらにルナフレアの奥には、結局「夜中に一人で寝るのは寂しい」とやって来たエヴリーヌが、大の字になって仰向けで寝ていた。水色のナイトドレスは腰まで捲れ上がり、スレンダーながらも美しい形をした美乳がつんと上を向いて晒されている。カリナはルナフレアを抱き締める腕にさらに力を込め、その胸元に顔をすり寄せた。


「ん……? あ……カリナ様……?」


 ルナフレアが微かに身悶えし、目を覚ます。自らの素肌の胸に顔を埋め、力を込めて自分を求めてくる主の姿。一瞬、精神侵食の激しい発作が出たのかとルナフレアは身構える。しかし、抱き締めているカリナの身体は震えておらず、胸元が涙で濡れる気配もない。ただ自分に純粋に甘えてくれているのだと悟り、ルナフレアの心には爆発的な愛おしさが込み上げた。


「おはようございます、カリナ様。……大丈夫ですか? 何か、嫌な夢でも見られましたか?」


 慈愛に満ちた、絹のようになめらかな声がカリナの頭上に降り注ぐ。


「……ああ、大丈夫だ。でも、何となく……今はお前から離れたくないんだ」


 カリナの口から漏れた、あまりにも素直で幼い本音。その言葉が引き金となり、ルナフレアの主への愛しさは限界突破を起こした。


「ああ……カリナ様っ!!」


 ルナフレアは歓喜の声を漏らし、顔を埋めているカリナを、自身の巨乳で窒息させるほどの勢いでぎゅっと抱きしめ返した。


「ぐっ……! くる、苦しいぞ、ルナフレア……ッ!」


 物理的な圧迫に耐えかね、カリナは右手でルナフレアの背中をパタパタとタップする。我に返ったルナフレアは、慌てて抱き締める腕を緩めた。


「はっ! 申し訳ありません、カリナ様への愛しさがつい溢れ出してしまいまして……ふふっ」


 ルナフレアは恥ずかしそうに頬を染めながら、カリナの赤く金色の毛先の髪に優しく口づけを落とした。ようやく解放されたカリナは、大きく肩で息を吐きながら身体を起こす。


「はあ……危なくお前の胸で窒息死するところだったよ」


 カリナが苦笑しながら右隣を見やると、そこにはナイトドレスを全開にして爆睡を続けるサティアとカグラ、そして無防備なエヴリーヌの姿があった。朝の光を浴びて輝く、色とりどりの女性達の肢体。誰も彼もが寝相悪く、胸を丸出しにして無防備な姿を晒している。


「お前達は……なんで寝ている間に毎回こうなるんだよ。少しは女性の自覚を持ってくれ」


 カリナが呆れ果てて言うと、ルナフレアはくすくすと楽しそうに笑いながら、ナイトドレスの肩紐を直して胸元を隠した。


「ふふ、私もあまり人のことは言えませんけどね。でも、カリナ様が皆様に愛されている証拠ですよ」


「寝相が悪いだけだろ。……さて、今日はエリア達と『モード・ド・エデン・セレスト』に行く約束をしてるんだ。早く起きないと」


 時計の針は既に午前7時30分を回っていた。カリナはベッドの上で、寝ぼけている面々に喝を入れる。


「お前達起きろー。いつまで胸を出して寝てるんだ。遅刻するぞー」


 カリナの声に、サティアがその見事な巨乳をプルンと揺らしながら身体を起こした。


「おはよう……ございます……。ああ、もうそんな時間ですか……」


 サティアは眠たげな瞳で、はだけたナイトドレスから零れ落ちている自身の胸を無造作に直す。続いてカグラも、「ふあー……」と大きな欠伸をしながら、カリナの腰から手を離した。


「おはよう、カリナちゃん。……うーん、まだ眠いわねえ……」


 カグラの浴衣からは、朝日にさらされた豊かな胸がぽろりと零れ落ちているが、本人は全く気にする様子もない。最後にエヴリーヌが、上半身を丸出しにしたまま「ん……」と目を覚ました。


「朝……敵襲……? それともカリナの母乳タイム……?」


「物騒なことを言うな。とにかく早く着替えるぞ。なんでお前らは毎朝こうなんだ?」


 カリナの追求に、サティアは穏やかに微笑んで首を傾げた。


「ふふ、何でなんでしょうね。カリナさんと一緒に寝ると、不思議と心が解放されてしまうのでしょうか」


「浴衣は元々、着崩れしやすいものなのよ。仕方ないわねー」


 カグラは全く悪びれず、豊かな胸を手の平でぽんぽんと弾ませながら言う。


「ん、謎。でも、これならいつでもカリナに母乳を出せる。機能的」


 エヴリーヌが誇らしげに美乳を張る姿を見て、カリナは額を押さえた。


「聞いた私が悪かったよ……。さあ、9時には城門前のホールだ。朝食を食べて、身支度を整えるぞ」


 カリナはベッドから降り、黒いワンピースを脱ぎ捨てた。薄い黄緑色のショーツ一枚になったカリナに、黒いナイトドレスを脱いだルナフレアが手際よく近寄る。自身も穿いていたセクシーな透け感のある白のショーツに、セットのブラジャーを身に着け、その上から凛としたメイド服を羽織ると、ルナフレアはカリナの着付けを開始した。


 ルナフレアは、セットの黄緑色の清楚なブラジャーを手に取り、カリナの背後から手を回す。指先で丁寧に乳肉をカップへと詰め込み、その形を美しく整えてから、背中のホックをぱちんと留めた。


「ありがとう、ルナフレア。……さて、何を着ていくかな」


 カリナが呟くと、ルナフレアはあらかじめクローゼットから用意していた一着の衣装を取り出した。


「カリナ様、本日はこちらなどいかがでしょうか? 祝宴前の華やかな街並みに、きっとよく映えますよ」


 提示されたのは、白を基調とした、清楚ながらも随所に凝った意匠の施された私服だった。上身頃は透け感のある白いシフォン素材のパフスリーブで、その上からスカイブルーのビスチェ風のベストを重ね着するデザイン。スカート部分は、膝丈ほどの純白の生地に、裾を彩る水色のフリルが幾重にも重なっており、動くたびに軽やかに揺れる。足元には、上品な白いレースのタイツと、深い青色のストラップが付いたヒールパンプス。


 カリナが着替えを終えて姿見の前に立つと、そこにはどこかの国の高貴な王女のような、清廉な美しさを放つ少女の姿があった。


「うん……まあ、こういうのもアリかな。悪くない」


 カリナが自分の姿を確認すると、ルナフレアは頬を紅潮させて手を合わせた。


「ああ……カリナ様、本当にお似合いです! まるでお空から舞い降りた天使のようですよ!!」


 ほくほく顔で絶賛したルナフレアは、弾むような足取りでキッチンへと向かった。


「では、私は最高に美味しい朝食を作って参りますね!」


 残されたサティア、カグラ、エヴリーヌの三人も、それぞれ着替えを始める。サティアはブラウンのナイトドレスを脱ぎ捨て、紺色のレースがあしらわれた大人の色香漂うショーツ一枚になる。カグラは赤い浴衣を脱ぎ、セクシーな黒い紐パン姿になると、腰の紐をきゅっと艶っぽく結び直した。エヴリーヌも水色のナイトドレスを脱ぎ、清潔感のある純白のショーツ姿となる。


 サティアとカグラは、互いの背後へ回り込み、その圧倒的な質量の巨乳を支え合いながら、ブラジャーのホックを留め合っていた。動くたびにプルンプルンと波打つ乳肉の暴力に、エヴリーヌが再びギリッと歯噛みする。


「おのれ……肉の暴力め……」


「はいはい、肉が多くて悪かったわねー」


 カグラの軽口を受け流しながら、カリナはエヴリーヌの方を向いた。


「ほらエヴリーヌ、悪態を吐かずに早く着替えるぞ。手伝ってやるから、こっちを向け」


「ん……カリナの手つき、好き」


 カリナはエヴリーヌの純白のブラジャーを手に取り、そのスレンダーな胸の膨らみを丁寧にカップへと収めていく。背中のホックを留めてやると、エヴリーヌは嬉しさのあまりカリナにぎゅっと抱き着いた。


「ふう……こういう細かい作業は気を遣うな。……着替えはあるのか?」


「ん、エミリが何着か用意してくれていた。これにする」


 エヴリーヌがアイテムボックスから取り出したのは、グリーンを基調とした活動的な衣装だった。明るいグリーンのオフショルダートップスは、肩口から二の腕にかけて白いフリルが飾られており、エメラルドグリーンの髪によく似合っている。ボトムスは、動きやすい白いミニスカートに、腰回りから後ろにかけて流れるようなグリーンのオーバースカートが重なるデザイン。足元には、茶色の編み上げブーツを合わせ、スレンダーで手足の長い彼女のスタイルを最大限に引き立てていた。


「ん、悪くない。……手伝ってくれてありがとう、カリナ」


「どういたしまして。さて、あとは二人の着替えを待とうか」


 カリナが言い直すと、カグラとサティアもそれぞれ私服に着替え始めた。


 サティアが選んだのは、聖女としての気品と大人の女性の柔らかさを兼ね備えた、真っ白なフレアドレスだった。胸元には繊細な水色のレースが刺繍され、大きく開いたデコルテが、彼女の豊かな胸の谷間を強調している。ウエストを水色のリボンで高くマークすることで、彼女のダイナマイトボディの曲線美が余すところなく強調されていた。足元には黒いストラップパンプスを合わせる。


 カグラは、和装から一転して、シックで大人びたダークレッドのトップスに黒のロングスカートを身に纏う。タイトなシルエットは、彼女の引き締まった身体のラインを艷やかに浮き彫りにし、黒いレースがあしらわれた長袖が、いつもの彼女とは違うミステリアスな魅力を引き出していた。脚には銀色のストラップ付きのヒールサンダル。髪型も、明るい茶髪のミディアムヘアを少し整えるだけで、ぐっと大人びた印象に変わる。


「どうかな、カリナちゃん? ……あ、みんな、気をしっかり持つのよ」


 カグラが悪戯っぽく微笑みながら、カリナに感想を求めた。サティアは小さく頷き、エヴリーヌは「んっ」と喉を鳴らして身構える。


「何だよ、改まって……」


 カリナは少し困惑しながらも、三人の姿を真っ直ぐに見つめた。


「エヴリーヌは、そのスレンダーなスタイルによく似合って、すごくスマートでカッコいいと思うよ。……サティアは、私と同じ白だけど、お前の清楚な雰囲気にぴったりだ。さすが聖女って感じだな。……カグラは、いつもの元気な感じとのギャップで、すごく大人っぽくてシックだ。ドキッとするくらい綺麗だよ」


 カリナの口から紡がれた、一切の(てら)いもない、心からの称賛。その言葉の破壊力は、彼女達の予想を遥かに上回っていた。


「んっ……ふぁっ……!!」「はうぅっ……!!」「ひゃあぅっ……!!」


 三人は同時に呻き声を上げ、まるで強力な衝撃波を受けたかのように、ベッドの上へと後ろ向きに倒れ込んだ。


「はあ……はあ……。気合を入れてなかったら、そのまま天に召されていたわ……」


 カグラが顔を真っ赤にして、荒い息を吐きながら呟く。


「はい……。危うく、立っていられなくなって失神するかと思いました……」


 サティアも潤んだ瞳で胸を押さえ、熱い溜め息を漏らした。


「ん……濡れたかもしれない」


 エヴリーヌが一番の問題発言を残し、弾かれたようにトイレへと駆け込む。


「はあ……。もう感想を言うのはやめたほうがいいのかな。なんだかダメージを与えている気分だよ」


 カリナが遠い目をしながら呟くと、ベッドから這い出したサティアとカグラが必死の形相で詰め寄った。


「ダメです! やめないでください!!」「そうよ! カリナちゃんに褒められることが、私達の唯一の生き甲斐なんだから!」


 戻ってきたエヴリーヌも、真顔で力説する。


「ん、カリナの褒め言葉は心の栄養。……あと、確認してきた。やっぱり濡れてた」


 すぱーんっ!!


 カグラの扇子が、エヴリーヌの頭に鋭く振り下ろされた。


「恥ずかしいからやめなさいっての!!」


「ん、痛い。でも、二人も確認した方がいい。……嘘じゃないから」


 エヴリーヌの言葉に、カグラとサティアは一瞬顔を見合わせた。そして吸い込まれるように二人でトイレへと駆け込み、数秒後、震える声で同時に言った。


「「濡れてた……」」


「え? ……じゃあ、下着を替えなくていいのか?」


 カリナが真剣に心配すると、エヴリーヌが詳細な解説を加える。


「ん、そこまでのぬめぬめじゃない。ほんのちょっぴり、じわっとぬめっただけ。セーフ」


 すぱーんっ!!


 再びカグラの扇子が炸裂し、サティアも顔を手で覆って身悶えした。


「言葉だけでこんな反応をさせてしまうなんて……。さすがは、私達のカリナさんです……」


 サティアはごくりと生唾を飲み込み、熱い視線をカリナに向けた。


「アンタも変なことを言わないの!」


 カグラがサティアの頭も扇子で軽く叩いた、その時。


「皆様、朝食ができましたよ!」


 キッチンからルナフレアの明るい声が響いた。一行は賑やかにダイニングへと移動し、広々としたソファーに腰掛けて朝食のテーブルを囲む。


 並べられたのは、ルナフレア特製の豪華な洋食セットだった。カリカリに焼き上げられた厚切りベーコンの香ばしい匂いが立ち込め、その横には、極上のバターをたっぷりと使って作られた、宝石のように黄金色に輝くふわふわのスクランブルエッグ。


 バスケットに入った焼きたてのクロワッサンは、手で割ると「サクッ」と小気味良い音を立て、中から濃厚な小麦の香りが溢れ出す。新鮮な野菜のサラダには、自家製の柑橘ドレッシングがかかり、シャキシャキとした食感と爽やかな酸味が口の中に広がった。


「おいしい……! ルナフレア、今日も最高だ」


 カリナが幸せそうにクロワッサンを口に運ぶ。


「本当に……。この卵のふわふわ感、心が温まりますね」


 サティアはうっとりと微笑んだ。


「このクロワッサン、最高にサクサクね! 元気が湧いてくるわ!」


 カグラも元気にベーコンを口に運ぶ。


「ん、ベーコン、カリカリ。魂が震える美味」


 エヴリーヌも満足気に頷いた。


「ありがとうございます! たくさん食べて、今日の買い物を楽しんできてくださいね」


 ルナフレアは嬉しそうに微笑みながら、食後の温かい紅茶を丁寧に淹れていく。ベルガモットの香りが漂うアールグレイの紅茶。その温もりが、朝の活力を身体の隅々まで行き渡らせてくれた。


 食後、サティアが慣れた手つきで皆の髪をブラシで丁寧に梳かし、身だしなみを最終確認する。


「じゃあ、行ってくるよ、ルナフレア」


「はい! 祝宴は正午から始まりますので、それまでには必ず戻ってくださいね。いってらっしゃいませ、カリナ様、皆様!」


 ルナフレアの温かい見送りを受け、カリナ達は居住区を出て、城門前のホールへと向かった。廊下ですれ違う城仕えの者たちやメイド隊から、「おはようございます!」「皆様、なんと素敵なお召し物でしょう!」と称賛の挨拶を浴びながら、一行は待ち合わせ場所へと到着した。


 そこには既に、華やかな私服に身を包んだ面々が勢揃いしていた。前回の買い物で洗練されたエリアとユナに加え、今回はセリスも同行している。


 ドラゴンベイン・オーダーのテレジア、ディード、シャオリンの三人は、アーシェラ特有の中華風のデザインを取り入れた、エキゾチックで凛とした私服を纏っていた。代行組のユズリハとジュネも、エデンの近代的な街並みに引けを取らない、都会的でお洒落なコーディネートで立ち並んでいる。さらに、昨夜約束していた通り、フィン王国のレイラも可愛らしく着飾ったレナと手を繋いで待っていた。


 そして、その中心には、一段と目を引くセクシーな黒い衣装を纏ったエクリアが立っていた。


「これは、お姫様方。……お、カリナ」


 エクリアはカリナに近寄ると、周囲に聞こえないほどの小声でニヤリと笑った。


「にしし、完全にこっち側の顔になってきたな、カリナ。似合ってるぜ?」


「……まあ、もう今更だよ。もう何の抵抗もなくなって来てるからな」


 カリナは自分の華奢な両手を見つめながら、どこか遠い目をして答えた。


「ちょっとエクリア! そういうデリカシーのないことを言わないでちょうだい!」


 カグラがすかさず割って入る。


「ああー、悪かったよ。怖いなー、にしし!」


 エクリアは楽しそうに笑い飛ばすと、すぐに淑女のスイッチをオンに切り替え、優雅な所作で一同を見回した。


「では、皆様。参りましょうか。私の行きつけの最高級ブティック……『モード・ド・エデン・セレスト』へ!」


 門番が重厚な城門をゆっくりと左右に開いていく。目前に広がるのは、正午の祝宴を待ちわび、熱狂と喧騒に沸くエデンの美しい城下町。カリナ達は、眩しい朝の光を背に、乙女たちの彩りに満ちた街へと一歩を踏み出すのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ