表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕とお狐様  作者: 話太郎
1
PR
1/11

1-1

 僕は健太。七歳。

 僕は箱罠に掛かってる狐を助けた。

「大丈夫?」

 そう声を掛ける。

 すると狐はドロン! と姿を変えた。

 妖艶なお姉さんだ。とても綺麗な顔にフサフサの尻尾。

 でもお姉さんは言うのだ。

「くふふふ…儂に情けをかけるとは…まったく人の子はたやすいのう」

 僕はお狐様が何を言ってるか分からなかった。

 お狐様は言う。

「そなたは儂への供え物として扱ってやる」

 なんだか怖い事を言われてる気がする。

 お狐様は更に続ける。

「だが今は手を出さぬ。そなたの成長を待ってやろう」


 それから─


 僕は十六歳になった。高校一年だ。

 お狐様が来た。

「待ったかわらしよ! 儂の供え物よ!」

「ちんちくりん!」

 思わずそう言った。

 お狐様は小さくなっていた。


 お茶を出して話を聞いた。

「稲荷神社が没落しての。信仰と神力しんりきや妖力は影響するのじゃ」

「で、のじゃロリになったんですね」

「のじゃロリ言うな!」

 ボウン! 

 あの時のお姉さんに変身して僕に迫る。

「変身は出来るのじゃ! 捕って食ろうてやる!」

「食べちゃ駄目です!」

 ボウン! 

 変身が解けた。

 お狐様は言う。

「うう、いまだ神力戻らずか」

「食べちゃ駄目だけど力は貸すよ?」

「ホントか!?」

「具体的にどうすれば」

「お前は神力か妖力の源のような物を持っておるようじゃ。儂の供物になればいいのじゃ」

「それは保留で」

「じゃあ神社の再興じゃの」

 そっちの方向で行く事にした。


「神社を再興させればいいんですね」

「それが難しいのじゃ」

 何が難しいのか聞くと、お狐様は手で狐の顔を作った。

 中指と薬指を親指とくっつけ、人差し指と小指を伸ばすアレだ。


 僕は聞く。

「それは?」

「これは狐の窓じゃ」

 なんか聞いた事ある。

「覗いてみよ」

 そう言われるて覗いてみると、指で輪っかになった部分に風景が見えた。

 お狐様は言う。

「ここには過去や未来などが見える」

 一々覗くと見にくいから投影してやろう、そう言うと輪っかの窓から光が出て景色が投影された。

 お狐様は言う。

「人々の願望や願いを叶えると得が貯まるのじゃが」

 投影景色の中の女子高生は言う。

「こっくりさんこっくりさん、近くの本屋はどこですか?」

 お狐様は答える。

「え、駅の北口じゃ…」

 僕は言う。

「役に立てたね」

 でもお狐様は不満気だ。

 更に男子高生が映し出され言う。

「こっくりさんこっくりさん令和8年は西暦何年ですか?」

「…2026年じゃ…」

 良かったね。

 褒めてあげるとお狐様は怒った。

「なんか便利屋みたいじゃ! ていうか検索エンジンみたいなのじゃ!」

「でも徳は貯まったんじゃないかな?」

「もっとこう、敬われた使い方がされたい…」

「敬われた?」

「儂は神であり妖怪の主じゃ。狐の長じゃ。要はエキスパート! 怪異の専門家じゃ。そういう事で頼ってほしいのじゃ」

「あ、また女子高生がこっくりさんをやりますよ!」


「こっくりさんこっくりさん、今度の埼京線と湘南新宿ラインはどっちが池袋に先に着きますか?」

 お狐様は叫ぶ。

「分からん!」

「良かったですね。ちゃんと 駅すぱ●と みたいな使い方されてますよ!」

「駅す●あと じゃなくてエキスパートじゃ! 専門家じゃ!」

 お狐様はさめざめと泣いてしまう。

「いやじゃ…このまま我が威光が消えるのは辛い、忘れられるのは辛い」

 突っ伏してしまう。

「お狐様…」

 僕はなんだか可哀そうに思ってしまう。

 人間とは違う時間の流れの中で衰退した狐と神社。

 それを不憫に思うが。

 お狐様は言う。

「狐の一族は次々と減った。このまま埋もれるのは辛い…」

「元気出して」

「復権しワールドワイドな狐になりたいのじゃ…そう、ファイアフォ●クスのように。エッジやクロームほどじゃないにしろ」

 まだ余裕ありそうだなこの人。

 僕は声を掛ける。

「なんだかウィンド●ズみたいですね! 狐の窓だけに!」

 微妙に現代知識に追いつけそうで追いつけないお狐様。

 こののじゃロリ様は拳を振り上げ言う。

「神社再興、狐の天下を再び!」

「じゃあ頑張らないとね」

「そのためには儂の物になれ!」

 ボウン!

 また変身した。

「駄目だよ!」

 ボウン!

「うう…やっぱりまだ神力が足らんのじゃ」

 こうして僕はお狐様の再興に手を貸すことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ