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僕は健太。七歳。
僕は箱罠に掛かってる狐を助けた。
「大丈夫?」
そう声を掛ける。
すると狐はドロン! と姿を変えた。
妖艶なお姉さんだ。とても綺麗な顔にフサフサの尻尾。
でもお姉さんは言うのだ。
「くふふふ…儂に情けをかけるとは…まったく人の子はたやすいのう」
僕はお狐様が何を言ってるか分からなかった。
お狐様は言う。
「そなたは儂への供え物として扱ってやる」
なんだか怖い事を言われてる気がする。
お狐様は更に続ける。
「だが今は手を出さぬ。そなたの成長を待ってやろう」
それから─
僕は十六歳になった。高校一年だ。
お狐様が来た。
「待ったか童よ! 儂の供え物よ!」
「ちんちくりん!」
思わずそう言った。
お狐様は小さくなっていた。
お茶を出して話を聞いた。
「稲荷神社が没落しての。信仰と神力や妖力は影響するのじゃ」
「で、のじゃロリになったんですね」
「のじゃロリ言うな!」
ボウン!
あの時のお姉さんに変身して僕に迫る。
「変身は出来るのじゃ! 捕って食ろうてやる!」
「食べちゃ駄目です!」
ボウン!
変身が解けた。
お狐様は言う。
「うう、いまだ神力戻らずか」
「食べちゃ駄目だけど力は貸すよ?」
「ホントか!?」
「具体的にどうすれば」
「お前は神力か妖力の源のような物を持っておるようじゃ。儂の供物になればいいのじゃ」
「それは保留で」
「じゃあ神社の再興じゃの」
そっちの方向で行く事にした。
「神社を再興させればいいんですね」
「それが難しいのじゃ」
何が難しいのか聞くと、お狐様は手で狐の顔を作った。
中指と薬指を親指とくっつけ、人差し指と小指を伸ばすアレだ。
僕は聞く。
「それは?」
「これは狐の窓じゃ」
なんか聞いた事ある。
「覗いてみよ」
そう言われるて覗いてみると、指で輪っかになった部分に風景が見えた。
お狐様は言う。
「ここには過去や未来などが見える」
一々覗くと見にくいから投影してやろう、そう言うと輪っかの窓から光が出て景色が投影された。
お狐様は言う。
「人々の願望や願いを叶えると得が貯まるのじゃが」
投影景色の中の女子高生は言う。
「こっくりさんこっくりさん、近くの本屋はどこですか?」
お狐様は答える。
「え、駅の北口じゃ…」
僕は言う。
「役に立てたね」
でもお狐様は不満気だ。
更に男子高生が映し出され言う。
「こっくりさんこっくりさん令和8年は西暦何年ですか?」
「…2026年じゃ…」
良かったね。
褒めてあげるとお狐様は怒った。
「なんか便利屋みたいじゃ! ていうか検索エンジンみたいなのじゃ!」
「でも徳は貯まったんじゃないかな?」
「もっとこう、敬われた使い方がされたい…」
「敬われた?」
「儂は神であり妖怪の主じゃ。狐の長じゃ。要はエキスパート! 怪異の専門家じゃ。そういう事で頼ってほしいのじゃ」
「あ、また女子高生がこっくりさんをやりますよ!」
「こっくりさんこっくりさん、今度の埼京線と湘南新宿ラインはどっちが池袋に先に着きますか?」
お狐様は叫ぶ。
「分からん!」
「良かったですね。ちゃんと 駅すぱ●と みたいな使い方されてますよ!」
「駅す●あと じゃなくてエキスパートじゃ! 専門家じゃ!」
お狐様はさめざめと泣いてしまう。
「いやじゃ…このまま我が威光が消えるのは辛い、忘れられるのは辛い」
突っ伏してしまう。
「お狐様…」
僕はなんだか可哀そうに思ってしまう。
人間とは違う時間の流れの中で衰退した狐と神社。
それを不憫に思うが。
お狐様は言う。
「狐の一族は次々と減った。このまま埋もれるのは辛い…」
「元気出して」
「復権しワールドワイドな狐になりたいのじゃ…そう、ファイアフォ●クスのように。エッジやクロームほどじゃないにしろ」
まだ余裕ありそうだなこの人。
僕は声を掛ける。
「なんだかウィンド●ズみたいですね! 狐の窓だけに!」
微妙に現代知識に追いつけそうで追いつけないお狐様。
こののじゃロリ様は拳を振り上げ言う。
「神社再興、狐の天下を再び!」
「じゃあ頑張らないとね」
「そのためには儂の物になれ!」
ボウン!
また変身した。
「駄目だよ!」
ボウン!
「うう…やっぱりまだ神力が足らんのじゃ」
こうして僕はお狐様の再興に手を貸すことになった。




