13.コミックス1巻の表紙
2025年11月1日からWEB雑誌『MAGKAN』様にて、漫画家ひつじロボ先生による『魔術師の杖 THE COMIC』の連載が始まった。
連載が始まる直前に見せてもらった、タイトルロゴからして美しい。
小説の方は私も素人なら、創刊レーベルでラノベのノウハウもなく、ベテランイラストレーターのよろづ先生も、ラノベの表紙を手掛けるのは初めてだった。
全員初めてだったから、ひたすら手探りで作っていた。
その点、マッグガーデン様はずっと漫画制作に携わり、アニメ化された作品がいくつもある。
しかもファンタジーに強い。
安心感がまるで違う。
小説のときは私も厳しい条件を出したけれど、コミカライズの方は担当様と何度か話をさせて頂き、「あなたが『この人が描くネリアたちが見たい!』と思う方を連れて来て下さい」とすべてお任せした。
「自分の作品だ!」と抱え込むよりも、差し上げたつもりで自由に描いてもらう方がいいような気がした。
手放す勇気といった感じだろうか。
最初は「休みだ、うぇ~い!」というノリで、何も考えず自由に書いていった小説だ。
もっと気楽で自由で楽しいものでいい。
ネリアも他のキャラクターたちも、作品の中では自由に好き勝手なことをしている。
その伸びやかさが作品の魅力でもある。
そして私も遠慮なく人の手を借りることにした。
自分だけが頑張っても、できることには限界がある。
(作品作りから宣伝から、ひとりで抱え込まず手伝ってもらおう)
渋谷〇〇書店の棚主になり本を売りながら、連載開始後はコミティアや文学フリマといった各地のイベントを回った。
作品のアピールをしつつ、いろんなアドバイスをもらっている。
困っていれば誰かが知恵を貸して、手伝ってくれる。
そしてひとりひとりの中に、その人だけの『魔術師の杖』が育っていく。
私はもう、本10冊分作品を育ててきたけれど、ひつじロボ先生はこれから育てていくことになる。
これで読者さんの「もっと絵を見たい」という願いを叶えられた。
漫画家として長編へチャレンジされる、ひつじロボ先生を温かく見守って頂きたい。
コミックス1巻の表紙。
私は何もしなくていい。できあがった完成品を見るだけだ。
そして送られてきた絵を見て納得した。
実は今1巻を作るとしたら、こんな表紙にするだろうなぁ……と、ひそかに考えていたものと同じだったのだ。
電子書籍メインで展開した『魔術師の杖』の表紙には、実は厳しい制限があった。
販売サイトで表示されるサムネイルはとても小さい。それでも物語の魅力や雰囲気が伝わるよう、余計な情報はそぎ落とされる。
『描かれる人物は2人まで』
『背景もゴチャゴチャ描きこまない』
ネリアひとりがライガにまたがって、魔導列車の上空を飛ぶ1巻の表紙はとても美しいけれど、反省点もある。
タイトルもいけないんだけれど、内容がわかりにくい。
しかもイケメンばかりでてくる恋愛物なのに最初は男性読者が多く、挿絵に表紙の女の子がいないと文句も言われた。
コミックス1巻の表紙は、ネリアとライアスとレオポルドの3人。
それなら女性読者が手に取りそうだし、ネリアの仮面にレオポルドの杖、ライアスの鎧とキーアイテムもばっちり!
くうぅ、キャラ制限とか枚数制限がなければ……(涙
とはいえ序盤にレオポルドはあまり活躍せず、ライアスを出してしまうと相手役のイメージが固定される。
そんなわけで小説1巻のネリアは1人で元気いっぱいに飛んでいる。
よろづ先生が気合入れて描いたライガが美しいよ!
しかも電書サイトでも目立つ戦える表紙!
レーベルは成長し2025年からは、新人作家さんを書店展開させる余裕もできてきた。
よろづ先生も複数のラノベシリーズを手掛ける、売れっ子イラストレーターになった。
だから書店に並ぶ本を眺めて、いろいろと想像を膨らませていた。
(書店に並べるとしたら……どんな表紙がいいかなぁ)
渋谷〇〇書店に棚を借り、時には店番をしながらお客さんの動線や目の動きを観察する。
目を惹かれる表紙の条件や要素、そこから汲み取れる情報などが知りたい。
コミックスの表紙は読者さんを感情移入させるため、キャラ絵と呼ばれるキャラクターを前面に押し出したものになる。
顔のアップで背景がないことも多い。
小説の表紙は逆に本文に絵がないため、キャラクターだけでなく世界観や人物設定などをしっかり伝える必要がある。
だから衣装や小物、背景もしっかり描きこまれる。
ラノベの表紙はどちらかといえばコミックス寄りだけれど、それでも表紙に載せる情報や種類には違いがある。
『魔術師の杖』だって書店展開版であれば、よろづ先生はまったく違う描きかたをされるだろう。
表紙はとても大事だ。
本の売れ行きすらも左右する。
けれど実際は、A6やB6の本当に小さな紙面なのだ。
そこに奥行きと広がりのある世界を表現する。
(小さいな……もっと大きな画面で見たい)
出版社の人が「粉雪さん、待って!」と慌てそうなので、まだ誰にも言ってないけれど、いつかよろづ先生とひつじロボ先生の描かれた絵を展示して、『魔術師の杖』の原画展をやりたい。
もうそんなことまで考えている。
それにはあとどれだけ書けばいいのだろう。
道筋を考えたら気が遠くなる。
それでも2020年6月29日に『小説家になろう』で『魔術師の杖』を書き始めたときは、今日のこの日なんて想像もできなかった。
夢を見る。どうせ見るなら、でっかい夢
がいい。
『魔術師の杖 THE COMIC』1巻、本日発売。
ひつじロボ先生、本当におめでとうございます。そしてよろづ先生、本当にありがとうございます。
私ひとりでは、ここまで来られなかった。関わって下さった方、読んで下さった読者さん、励まして下さった作家仲間さんに、この場を借りてお礼申し上げたい。
次の表紙。実はまだ頭の中でイメージが固まっていない。絵が浮かんだら、きっと一気に動きだすと思う。









