■一〇月一四日 真の最終決戦 第二ラウンド
×××ゲーム二周目 真の最終決戦
×××――世紀末なので全滅エンドで精算します――
×××全四ラウンド中 第二ラウンド
巨大な地下空洞に落とされた。
その底で蠢く、とんでもない数の地底人たちやストーンゴーレムたちと、『科學戦隊レオタン』の戦闘車両四機が戦っていた。
『勇者の剣リバ』に跨がって浮揚しているボク――儚内薄荷――の元へ、P戦闘車両が飛んできた。
ボクの真下で、P戦闘車両の背中のハッチが開く。
そこに、コクピットがあるんだ。
――ボクが搭乗すれば、戦闘車両が五機揃う。
よし、ここからは、科學戦隊ものの王道展開だ!
変形合体させて、巨大ロボット『レオ・ターボ』で殲滅してやる!
ボクは、剣を背中に戻し、自分を浮揚させていた魔力を切る。
そのまま落下して、P戦闘車両のコクピットへ飛び込――めなかった。
地上から、シュッと伸びてきた触手に、左足首をからめ取られた。
次々と、触手が伸びてくる。
左脹ら脛、左太股、左二の腕、左手首、そしてついには、腰まで絡め捕られる。
触手が、一斉にギュンと縮んで、ボクは空洞の底へ引き寄せられる。
空洞の底は、数え切れないほどの地底人とストーンゴーレムに埋め尽されている。
ただ、決して平坦ではなく、此処彼処に亀裂や段差がある。
ボクを掴んでいる触手たちは、ひときわ大きな亀裂の中から、伸びてきていた。
触手は、縮み続け、ボクの身体を亀裂の中に引き込んだ。
戦闘車両四機は、ボクを助けだそうと動いてくれている。
だけど、地底人やストーンゴーレムに阻まれ、亀裂の中までは入って来れない。
ボクは、「ウギャーーーッ」と悲鳴をあげていた。
地面に叩きつけられる――と思いきや、ギュインと大きく振り回されて、逆さづりになっていた。
そのときには、もう、四肢の全てが、キツく絡め捕られていた。
ボクの正面には、直径十数メートルに及ぶ触手の塊があった。
触手は、見るからに強靱で、粘液まみれで、ヌメヌメ、テラテラしている。
触手一本は、直径三~五センチ程度の太さなんだけど、それが長いうえに伸縮するから、長さが把握できない。
バラバラな触手が集まって群体となっているのか、それとも、全部の触手が繋がって一個体となっているのか、見当がつかない。
ひとつひとつの触手の先端にある腔が、口なのだと思う。
目や耳や鼻らしきものは、見当たらない。
なのに、この触手の塊が、ボクをじっと見ている気がする。
ボクは、自分の状態を視認する。
逆様なので血が頭に昇ってくるが、怪我はしていない。
セーラーワンピの裾が捲れ上がって、PAN2式や、腹部が露わになっている。
「薄荷、テメエ、臍はどうした! どこで、落っことした! 人間離れしてて、妖精みたいだとは思ってたが、もしかして胎生じゃなく卵生なのか!」
声がする方を見たら、そこに北斗拳斗がいた。
ボクと同様、たくさんの触手に絡め捕られて、並んで逆さづりになっている。
――こいつ、やっぱ、ボク以上のノータリンだ。
人間が、卵から生まれるわけないじゃん。
「うるさい。恥ずかしいから、こっち見るな! ボクに、お臍がないのは、龍神様にハラワタを喰われたときに、再生しそこなったからだよ!」
ボクの腹部を掴んでいる何本かの触手が、口腔を広げて、ボクの腹に吸い付いてきた。
弄ぶような動きで痛くはないが、ボクの腹部は、粘液まみれでべちょべちょだ。
ボクの頭部を掴んでいる触手が、口腔をパクパク動かして、言葉を発した。
「おいしそうにょ。この腹には、至高の美味が詰まっているに違いないにょ。ああ、この体液を啜りたいにょ」
口腔が開閉する度、粘液が、べちょべちょと溢れ出て来る。
「こっちの体液は腐ってるにょ。間違いなく激マズにょ」
その声は、拳斗に絡みついている触手が発したものだ。
「気色わる~っ。こっちくんな。粘液吐くな。俺っちを誰だと思ってる。召喚勇者様だぞ。触手から解放しろ。くそっ、背中の七支刀さえ抜刀できたら、ギタギタに切り刻んでやる。だから、解放しろ。解放できないなら、せめて逆さ吊りじゃなく、頭を上にしろ。俺っち、頭に血が昇って……クラクラしてんだぞ。だいたい下等生物の分際で……」
「うるさいにょ。逆に、わっちを誰だと思ってるにょ。これでも神の一柱にょ」
口腔をパクパクさせて拳斗に反論したその触手が、そのまま自分の頭部を、喚き続ける拳斗の口の中に押し入らせた。
「うごっ」と拳斗の喉元が膨らむ。
拳斗は、目を白黒させているが、なんとか鼻呼吸だけはだきているみたいだ。
ボクは、触手の塊に話しかけてみることにした。
拳斗と同じめに、あいたくはないので、敬意を込めて話しかける。
「ええっと、大蚯蚓様でいらっしゃいますか?」
「にょふ、わっちのこと、知ってるにょか?」
「はい、『極楽湯地獄釜』の『湯もみ役』に教えていただきました。地底人たちの神は大蚯蚓様だと――」
旧き神々は、國津神か邪神のいずれかに近しい。
大蚯蚓様は、邪神の系譜であり、人とは相容れない。
話しなんて一切通じないって思い込んでたけど、意外にも会話は成り立つみたいだ。
「『湯もみ役』? にょふっ、國津神より『地之瓊矛』を授かり、地獄釜の蓋の管理を任された者たちにょね。ありがたいことに、最近、その『湯もみ役』が、『地之瓊矛』ごと、居なくなってしまったにょ。なので、わっちは、これ幸いと、地獄釜を抜けだして、わっちの神域を広げているにょ。どうせなら、ついでに、憎き天津神にいやがらせしてやろうと、こうして天津神の地下迷宮まで進出してきたにょ」
「えっ、ここって、皇都トリスの地下にある、天津神の地下迷宮なんですか?」
「そうにょ。ここは、その地下第一層にょ。天津神が、自分に近しい人間たちだけ、ずるして、安全にトラウマイニシエーションを通過できるよう、利用していた場所にょ。にょふふふふっ、全部喰い尽して、まるごと、ただの空洞にしてやったにょ」
「ボクや、『科學戦隊レオタン』を、ここに連れ込んだのはどうしてですか?」
「転生勇者や、科學戦隊に、用はなかったにょ。わっちは、憎き天津神が異世界から召喚した二人の体液を啜ってやろうとしただけにょ。召喚勇者と、召喚女ロボット工學者の、二人にょ。召喚勇者を地底に連れ込もうとしたら、転生勇者が勝手にくっついてくるし、召喚女ロボット工學者を地下に連れ込もうと、その愛機を含む戦闘車両五台を地下に引っ張り込んだら、四台に科学戦隊員どもが乗ってただけで、肝心の女ロボット工學者が乗っているはずのピンクの一台は空だったにょ。ピンクの戦闘車両も、ちゃんと動いていたから、間違いなく搭乗していると思ってたら、自動運転で動いているだけだったにょ」
「だったら、ボクや、『科學戦隊レオタン』は解放してください」
「いやにょ。転生勇者や、科學戦隊は、どちらも体液が清らかで美味しそうにょ。それに比べて召喚勇者の体液は、ドロドロに腐っているにょ。憎き召喚者の体液は、マズくても啜るしかないから、その口直しに、転生勇者と科學戦隊の体液を美味しくいただくにょ」
ボクは、悲鳴をあげたくなるのを堪えて、交渉を続行した。
「天津神と、天津神が召喚した者たちを、憎んでるのは、どうしてですか?」
「神としての、わっちの御役目は、『澱球』の管理にょ。聞くにょ。『この世界』は、聖力や魔力によって象創られ、維持されているにょ。それは、正しい営みにょ。ただ、聖力や魔力が行使されると、僅かながらも滓が生じ、渾沌へと零れ落ちていくにょ。それは不可逆的であり、渾沌へと零れ落ちたものが、聖力や魔力に戻ることは、もうないにょ。そして、全ての聖魔力が渾沌に落ちたとき、『この世界』は終わるにょ。『澱球』とは、世界が渾沌に落ちるのを遅らせるための蓋みたいなものにょ」
「大蚯蚓様のお役目は、貴いと思います。でも、どうして、大蚯蚓様が、天津神や召喚者を憎むのかが、分からないんですが……」
「そんなことも分からないにょ。世界の理に逆らって、異なる世界を無理やり繋げば、莫大な混沌が発生するに決まっているにょ。國津神が行う転生については、まだ許容できるにょ。あれは、『あの世界』から、魂という実態のないものだけを連れてきて、『この世界』の肉体に宿らせるだけにょ。だけど、召喚は、『あの世界』の魂どころか、その肉体ごと『この世界』に連れて来るにょ。この世界の崩壊を早める、とんでもない暴挙にょ」
「納得しました。どうぞ、あのバカな召喚勇者については、干からびるまで、体液を啜ってやってください。だって、あのバカ、『この世界』に召喚されたのは自らの意思でなかったとしても、自らの欲望を満たすため、『あの世界』へ戻ろうとしてるんですよ。とんでもないでしょ」
「にょふふっ、召喚勇者は、確かに、とんでもない痴れ者にょ。片道でも許せないのに、往復なんてされたら、たった一人のために、膨大な力が混沌に落ちていくにゃ!」
「だけど、ほら、ボクや科學戦隊は、世界の理を尊重しています。だから、どうか、解放し……」
「では、激マズ確定の召喚勇者の体液を啜って、それから、美味間違いなしの転生勇者の体液で、口直しするにょ」
ダメだ。大蚯蚓様は、聞く耳を持たない。
……そもそも、耳そのものが無さそうだけど……。
大蚯蚓様は、ボクたちを美味しくいただくきだ。
一本の触手がシュルッと持ち上がり、拳斗の尻に、ズボッと、突き立てられた。
同時に、拳斗の口を塞いでいた触手も、喉から胃に向って、蠕動運動を開始した。
拳斗が、全身を捩らせて身悶える。
声が出せるなら、絶叫していただろう。
拳斗という紙コップに突き立てられた、二本のストローのようだ。
ジュルジュルと拳斗の中身が吸い出されていく。
触手二本が、ボクのお尻と口に迫ってくる。
ボクは、全身に『拒否』の魔力を込めて、叫ぶ。
「無理ーーーっ! 触手は、ムリーーーっ!」
ボクの身体を拘束していた触手たちが、ぶちぶちと千切れ飛んでいく。
上半身は開放されたけど、何本もの触手が絡みついていた両足首は、掴まれたままだ。
ボクは、片手で口元を防御し、もう片方の手を、お尻を防御しようと伸ばす。
お尻に伸ばした手が、PAN2式の白鼠様のイラストに触れた。
ボクは、ハッと気付いて、祈る。
「お尻ぺんぺん。白鼠様、助けて!」
PAN2式が、純白の聖力光に輝く。
ボクのお尻を狙った触手が弾かれ、粉々になっていく。
同時に、ボクの口元に出現した白鼠様が、ボクの口を狙ってきた触手を噛みちぎる。
百本を超える触手が、八方から、ボクに迫ってきていた。
ボクは、今度こそと、全身に『拒否』の魔力を込めて、爆発させる。
「ムリ、ムリ、ムリ、ムリ、ムリだから!」
ボクの両足を掴んでいた触手、迫ってきていた百本以上の触手、更には、触手の塊の一部までが、破裂していく。
ボクの身体は、またしても宙空に放り出される。
ボクは、「男の娘のひみつ、見せてあげる♥」と唱える。
背負っている『勇者の剣リバ』が、鞘ごとボクの周りを半回転して、股間に収まる。
ボクは、揚力を得て、浮き上がる。
地面の亀裂を出て、空洞まで舞い上がる。
そこでは、『科學戦隊レオタン』の戦闘車両四機が、蠢く地底人やストーンゴーレムたちと、戦い続けていた。
四機は、どうにかして亀裂内に侵入してボクを助けようとしたものの、阻まれ続けていたらしい。
P戦闘車両も、すかさず、ボクの真下にやってきて、背中のハッチを開く。
ボクは、『勇者の剣リバ』の神力を切って、剣を背中に戻すと同時に、ハッチの中へ飛び込んだ。
そこは、戦闘車両のコクピットだ。
スクリーンが起動し、洞窟内で蠢いている、スゴイ数の地底人たちとストーンゴーレムたちを映し出す。
更には、亀裂の中から、巨大な触手の塊が、その全貌を現わそうとしている。
画面の隅に、ウィンドウが四つ、開いていく。
以前と比較して、ウィンドウオープンに際してのエフェクトがカッコ良く、反応が早い。
明らかに、OSがバージョンアップされている。
赤いウィンドウの『爆炎レッド』さんが、「ヨッシャー、一週間待たされたが、ようやく五人揃った」と拳を握る。
青いウィンドウの『氷結ブルー』さんが、「これで無敵だな」と笑顔になる。
黄色いウィンドウの『雷撃イエロー』さんが、「あいつら、駆逐してやろうぜ」とVサイン。
緑のウィンドウの『旋風グリーン』さんは、「ピンクちゃん、愛してるよ。ボクと結婚して」と言いながら、唇を窄めて、画面に顔を寄せてきた。
一カ月以上ちゃんと逢えていなかった『科學戦隊レオタン』のみんなが、毎日逢ってたみたいに対応してくれるのが嬉しい。
ボクは、号令をかける。
「『レオ・ターボ』へ、変形、合体!」
P戦闘車両が、ロボットの頭部から背骨と骨盤までの部分に変形していく。
そこに、他の四人が、各ビークルを四肢に変形させて、合体していく。
『爆炎レッド』のR戦闘車両が、右股関節から、右脚。
『氷結ブルー』のB戦闘車両が、左股関節から、左脚。
『雷撃イエロー』のY戦闘車両が、左肩から左手。
『旋風グリーン』のG戦闘車両が、右肩から右手だ。
合体完了と同時に、宙空でポーズを決め、五人で声を揃える。
「「「「「変形合体ロボ、『レオ・ターボ』、見参!」」」」」
すると、驚きの新権能が発現した。
『勇者の剣リバ』が、ボクの背中から消え、巨大化してレオタアドの背中に出現したのだ。
白桃撓和大佐が、全戦闘車両をオーバーホールするにあたり、P戦闘車両についてはデチューンすると言っていた。
以前の『レオ・ターボ』に装備されていた大量破壊兵器の数々が、ボクにとってはオーバースペックであり、ボクを混乱させていると――。
そこで、それらを取り払って、ボクにも直感的に理解出来る新兵器を装備する。
それが、この巨大化『勇者の剣リバ』なのだ。
画面に、その機能が表示される。
巨大化『勇者の剣リバ』は、鞘ごと振るって、『拒否』の撲撃を飛ばすものだそうだ。
だから、剣なのに斬撃ではなく、撲撃なのだ。
「男の娘のひみつ、見せてあげる♥」
早速、呪文を唱える。
柄を上にして『レオ・ターボ』の背中に吊されていた巨大化『勇者の剣リバ』が、ふわりと浮きあがる。
鞘ごと半回転し、柄を下にして、手元に降りて来る。
『レオ・ターボ』の両手で、巨大化『勇者の剣リバ』の柄を掴み、ブンと振る。
鞘から放たれた撲撃が、ブオ~ンと飛んでいって、地底人たちとストーンゴーレムたちを、かなりの広範囲に渡って、撲殺した。
ボクは、『レオ・ターボ』と、巨大化『勇者の剣リバ』を使って、そこらじゅうの地底人やストーンゴーレムを、叩き潰していく。
大蚯蚓様は、形勢不利を見て取るや、亀裂の中に、再度、身を潜めた。
ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴと地面が揺れるので、地中で何か画策しているのは明らかだ。
『レオ・ターボ』が、地底人たちに向って剣振り降ろす瞬間を狙って、地中から次々と触手が飛び出してきた。
『レオ・ターボ』の四肢を拘束しようとしてくる。
ボクは、「にゅるにゅるは、ムリなの!」「ねちょねちょは、ムリだから!」「ぬちゃぬちゃは、ムリだって!」と、いちいち叫びながら、その存在を『拒否』していく。
大蚯蚓様は、ボクに『拒否』られ続けることに耐えられくなったらしい。
更に、戦法を変えてきた。
触手の出現場所を、空洞の天井に変えた。
触手の口腔を膨らませ、高い位置から、白濁した液を吹きかけてきた。
触手は、土や岩を喰らいながら蠕動することで、地中を移動している。
吹きかけてきている白濁液は、土石をも溶かす強力な消化液らしい。
降り注いでくる白濁液を、避けまくる。
更には、当たりの岩石を『勇者の剣リバ』で叩き飛ばして防御する。
それでも、飛沫が降りかかる。
僅かでも被ると、『レオ・ターボ』の強化装甲が、ジュッと溶ける。
敵である『レオ・ターボ』だけでなく、味方である地底人やストーンゴーレムまで、無差別に溶かしている。
地底人やストーンゴーレムには、『レオ・ターボ』のような俊敏さはない。
そして、強化装甲も持たない。
白濁液攻撃は、『レオ・ターボ』による『勇者の剣リバ』の撲撃以上に、地底人やストーンゴーレムを駆逐しつつある。
ボクが白濁液対応だけで手一杯なのを見て取り、『科學戦隊レオタン』の他の四人が、空洞内に顔を出してくる触手を攻撃してくれている。
レッドさんは、『レオ・ターボ』の右脚から爆炎を噴射している。
ブルーさんは、左脚から氷槍を射出させている。
イエローさんは、左手から雷撃を飛ばしている。
グリーンさんが、右手から風鎌を撒き散らしている。
突然、触手の口腔から吐き出される液が変わった。
液色が、白から黄色になり、強い粘り気を帯びている。
これは、喰らった粘土を、自身の消化液に混ぜたものだ。
攻撃の際の、速度や軌跡まで変化した。
白濁液が、放物線を描いて放出さされるのに対し、黄濁液は、直線的に撃ち出される。
より、俊敏な対応が求められるため、回避しそこなった。
『レオ・ターボ』の左脚である、B戦闘車両に、べっちょりと被弾してしまった。
左脚が、地面に縫い止められて動けない。
『レオ・ターボ』の真上に、百本近い触手が出現した。
一斉に口腔を膨らます。
再び白濁液が吐き出され、瀧のように降り注いできた。
「ウギャー、ばっちいよー! 穢されちゃうよー!」
ボクの悲鳴が、地中の大空洞にこだました。
地面が揺れた。
ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴという重低音に、空間が震えた。
空洞の天井が、バラ、バラ、バラと剥がれ落ちてくる。
空洞のそして底が、ズドドドドンと陥没していく。
大蚯蚓様は、ここを、「皇都トリスの地下迷宮『第一層』を、喰って広げた場所」だと言っていた。
つまり、ここの下には、少なくとも『第二層』がある。
もしかしたら、『第三層』や『第四層』だってあるかもしれない。
そして、いま、大蚯蚓様が喰い荒らしたことにより、『第一層』部分が『第二層』部分へと崩落しようとしている。
大きな縦揺れがあり、ズゴーーーーーーンと、底が抜けた。
底が抜けただけなら、『レオ・ターボ』は、『勇者の剣リバ』の力で、宙に浮いていられる。
だが、底だけでなく、空洞全体が、天井から崩れ落ちてきた。
『レオ・ターボ』は、崩落に巻き込まれ、大量の土石ごと、第二層へ向って落ちていく。
×××ゲーム二周目 真の最終決戦 第二ラウンド終幕
×××次回、一〇月二一日の第三ラウンドを、心して待て!
――うわっ、前ラウンドに続いて、
またしても、落ちるところが、話しの『落ち』だよ!
~~~ 薄荷ちゃんの、ひとこと次回予告 ~~~
■一〇月一六日① 元帥直轄特務官室へのガサ入れ①
ボクが、『真の最終決戦』の第二ラウンドを戦っている間に、『服飾に呪われた魔法少女』仲間の四人が、魔法少女の裏ブロマイド事件について、捜査を進めてくれていた。
そして、ついに、事件の黒幕である『M’SE●』の正体が判明した。
よし、みんなで乗り込むぞ!




