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目覚め

 最初に目についたのは白い天井と風に揺れるカーテンだった。


(ここは……)


 だめだ、頭が真っ白でまともに思考が定まらない。

 そのまま目をつぶると、強い眠気が襲ってくる。


(あぁ、気持ち……いい……)


 考えるのをやめ、そのまま意識を手放す。

 深い眠りに落ちるのに、時間はかからなかった。






 どのくらい寝ていただろうか、大きな泣き声で目が覚める。


(……赤ちゃんか……?)


 かなり近くから聞こえる泣き声に頭痛を感じ、辺りを見回す。

 そこには一人のあかちゃんを抱き抱えた女性がいた。

 女性はこちらに気付くと、苦笑いを浮かべる。

 俺も苦笑してお気になさらず、と声をかけようとすると


「あー」


 という声しか出なかった。


(……は?)


 突然の事に一瞬思考が止まる。


(え、なんぞ今の甲高い声……)


 果てしなく、嫌な予感がする。


「あらあら、ハルまで起きちゃったじゃない」


 女性が()()()()独り言を呟く。


(ハル?誰だ?)


 女性から視線を外し、辺りを見回す。

 しかし、この部屋には俺たち三人しか見当たらない。


「ハルは好奇心旺盛なのかしら?もう、周りの物が気になるのね」


 女性がこちらを見て微笑みながらそう呟く。

 それを聞いた瞬間に理解してしまう、ハルと呼ばれたのは自分だ。


(いや、俺の名前は直之(なおゆき)なんだが!?)


 なに言ってるんだ、この人は。

 とりあえず会話は出来ないので、筆談でもしようと上半身を起こそうとする。


(頭が重くて持ち上がらない!?)


 どれだけ頑張っても、上半身が持ち上がらない。


(え、何事?拘束でもされてる!?)


 最早パニックである。

 じたばたと手足を動かす。


「あらあら、ハルったら暑いのかしら?」


 いつの間にか泣き止んでいた赤ちゃんを隣のベッドに寝かせた女性が俺の布団をどかす。






 そこには、赤ちゃんサイズの体しかなかった。

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