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2、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜完璧な世界編  作者: Nao9999


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第16話:再会、そして提示される条件

第16話です。


物語は再び、あの男へ。


すべての始まりであり、

この世界の中心にいる存在――。


主人公は、もう一度“社長”と向き合う。

「呼ばれています」


その一言で、分かった。


「……社長か」


教育係は、静かにうなずいた。


やっぱり来たか。


ここまで来れば、避けては通れない。


「行くぞ」


短く言う。


心の準備なんて、もうしてる。


エレベーターに乗る。


上へ。


今までで一番、上。


「……久しぶりだな」


小さく呟く。


あの時とは、もう違う。


俺は“選ばれる側”じゃない。


「到着です」


扉が開く。


その先にいたのは――


「よう」


あの男。


ホームレスだったはずの男。


だが今は――


完全に“社長”の顔をしている。


「……久しぶりっすね」


自然に言葉が出る。


男は笑った。


「あの時の顔じゃねぇな」


見透かされる。


「まあな」


否定はしない。


「あんたの世界、だいぶ見た」


正直に言う。


男は少しだけ興味を持った顔をした。


「どうだ?」


試すような問い。


俺は迷わず答える。


「クソだな」


その一言で、空気が止まる。


教育係がわずかに緊張するのが分かる。


だが――


男は笑った。


「いいねぇ」


むしろ楽しそうだ。


「そういうやつ、嫌いじゃねぇ」


あっさり受け入れる。


「でもよ」


一歩近づいてくる。


「それでも残ってる」


目が鋭くなる。


「なんでだ?」


核心。


だが、答えは決まってる。


「変えるためだ」


はっきり言う。


「上に行って、決める」


沈黙。


だが今回は――


短い。


「……言うじゃねぇか」


男は笑う。


だが、その目は真剣だ。


「で、どこまで見た?」


試すような声。


「選別」


答える。


「落とされた側も見た」


男の目が少しだけ変わる。


「ほう」


「使うんだな、全部」


続ける。


「無駄にしねぇ」


男はうなずいた。


「当然だ」


迷いがない。


「それが気に入らねぇか?」


聞いてくる。


俺は少しだけ考えて――


答えた。


「納得はしてない」


正直に言う。


「でも」


続ける。


「理解はしてる」


それが今の自分だ。


男は少しだけ黙って――


笑った。


「いいラインだ」


評価された。


「で」


男が椅子に座る。


「お前に一つ、話がある」


空気が変わる。


重要な話だ。


「なんすか」


自然と声が低くなる。


男は指を組んで――


言った。


「次の段階に進め」


やっぱりか。


だが――


「条件がある」


来たな。


「何ですか」


男は、まっすぐこちらを見て――


言った。


「一人、落とせ」


一瞬、意味が分からなかった。


「……は?」


聞き返す。


「今、お前の周りにいる人間の中から」


静かに続ける。


「一人、意図的に落とせ」


その言葉で、空気が凍る。


「……なんでだよ」


意味が分からない。


いや――


分かりたくない。


「試験だ」


あまりにもシンプルな答え。


「お前がどこまでやれるか」


男の目が、完全に試している。


「……関係ないやつでもいいのか」


確認する。


男は首を振った。


「ダメだ」


即答。


「お前が“関わったやつ”にしろ」


その瞬間――


頭に浮かぶ顔。


三人目の男。


あいつだ。


「……」


言葉が出ない。


「選べるか?」


男の声。


低い。


重い。


逃げ道はない。


「……それ、やったら」


絞り出すように言う。


「どうなる」


男は少しだけ笑って――


言った。


「上に行ける」


シンプルだ。


だが、その裏は重い。


「やらなかったら?」


男は肩をすくめた。


「終わりだ」


それだけ。


あまりにも分かりやすい。


「……」


沈黙。


選択。


まただ。


でも今回は――


違う。


明確な“悪意”がある。


「どうする?」


男が聞く。


俺は目を閉じて――


考える。


逃げるか。


残るか。


選ぶか。


「……」


ゆっくり目を開ける。


そして――


言った。


「考えさせてくれ」


即答はしない。


できない。


男は少しだけ笑った。


「いいぜ」


余裕の顔。


「期限は短いぞ」


当然だ。


「分かってる」


うなずく。


「じゃあな」


男は興味を失ったように手を振る。


それで終わり。


部屋を出る。


「……どうしますか」


教育係の声。


俺はすぐには答えない。


頭の中が、ぐちゃぐちゃだ。


「……クソだな」


それしか出てこない。


女性は静かに言う。


「ここは、そういう場所です」


分かってる。


でも――


「……」


あいつの顔が浮かぶ。


選んだやつ。


あいつを、落とす?


「……」


拳を握る。


「次で決める」


小さく呟く。


逃げない。


でも――


簡単には選ばない。


それが、俺の答えだ。

読んでいただきありがとうございます。


第16話では、社長との再会、

そして新たな“試験”が提示されました。


選ぶだけではなく、

“意図的に落とす”という選択。


主人公は、この理不尽な条件にどう向き合うのか。


第2章は、ここで一つの大きな山場を迎えます。


次回、決断の時です。


引き続きよろしくお願いします。

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