表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜完璧な世界編  作者: Nao9999


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/40

第46話:最上層

第46話です。


世界修正を止めるため、

主人公達は最上層へ向かう。


そこにいるのは、

この世界を作った側の人間。


完璧を望んだ、

“支配者”だった。

「進め」


執行者の声。


背後では、

白い世界修正領域を押し止めている。


空間が軋む。


白と黒の光がぶつかり合う。


「……無茶しやがって」


“失敗作”が舌打ちする。


だが――


止まらない。


執行者は、

本気で世界そのものを止めていた。


「急げ!」


教育係が叫ぶ。


「今しかありません!」


俺達は走った。


崩れかけた通路を抜ける。


上へ。


さらに上へ。


「……最上層って、どんな場所なんだ」


走りながら聞く。


“失敗作”が低く答える。


「静かだよ」


「は?」


「気味悪いくらいにな」


その声。


嫌な記憶が混ざっていた。


「完璧すぎるんだ」


沈黙。


「……なるほど」


少し笑う。


「俺が嫌いそう」


「間違いねぇ」


男も苦笑した。


その時――


巨大な扉が現れる。


真っ白。


継ぎ目すら見えない。


「……ここか」


教育係が息を呑む。


「最上層管理区画……」


空気が違う。


静かすぎる。


音が消えているみたいだった。


「開くぞ」


“失敗作”が端末を操作する。


だが――


反応しない。


「……ロック?」


「違う」


男の顔が曇る。


「向こうが待ってる」


その瞬間。


扉がひとりでに開いた。


音もなく。


ゆっくりと。


「……歓迎ってか」


俺は笑う。


だが――


誰も笑わない。


中へ入る。


広い。


異常なくらい。


白い空間。


柱もない。


無駄もない。


完璧に整った部屋。


そして――


中央。


一人の男が座っていた。


「……」


年齢不明。


白髪。


整いすぎた顔。


静かな目。


「ようこそ」


男が言う。


声は穏やかだった。


「特例個体」


空気が重くなる。


「……アンタが」


俺が言う。


「この世界のトップか」


男は小さく笑った。


「支配者、という表現は好きではない」


静かな声。


「管理者だ」


「同じだろ」


即答。


男は否定しない。


「……」


教育係が固まっている。


“失敗作”は露骨に警戒していた。


「お久しぶりです」


男が視線を向ける。


“失敗作”へ。


「生きていましたか」


「残念だったな」


男が睨み返す。


「消えなかったよ」


「そうですか」


本当に感情が薄い。


怖いくらいに。


「……で」


俺が前へ出る。


「何でこんなことしてんの」


核心。


男は静かにこちらを見て――


答えた。


「世界を守るためです」


即答だった。


「感情は不安定だ」


男が続ける。


「欲望は争いを生む」


「自由は格差を生む」


淡々としている。


「だから我々は」


空間を見渡す。


「完璧な管理世界を作った」


「……」


教育係は何も言えない。


それは、

彼女が信じてきたものだから。


「でも」


俺は笑う。


「死んでるじゃん」


空気が止まった。


男の目が、

初めて少しだけ細くなる。


「変化がない」


歩きながら言う。


「失敗もない」


「迷いもない」


「全部決められてる」


男の前で止まる。


「それって、生きてるって言えんの?」


沈黙。


長い。


だが――


男は静かに答えた。


「安定しています」


「つまんねぇ」


即答だった。


その瞬間。


空気が変わる。


教育係が息を呑む。


“失敗作”は笑った。


「言うと思った」


男は静かにこちらを見る。


「あなたは危険だ」


「知ってる」


「だから世界が揺らいだ」


「そうだな」


「執行者まで変質した」


その言葉。


少しだけ感情が混ざっていた。


「完璧だったものが、壊れた」


「違う」


俺は首を振る。


「変わったんだよ」


沈黙。


「……同じです」


男が答える。


「変化は不安定を生む」


「でも進める」


「不要です」


「必要だ」


空気がぶつかる。


思想。


価値観。


世界そのもの。


「……」


男が立ち上がる。


空気が重くなる。


今までで一番。


「なら」


静かな声。


「あなたを止めるしかない」


その瞬間――


空間全体が白く染まり始めた。


「……!」


教育係が震える。


「世界制御権限……!」


“失敗作”が舌打ちする。


「クソ、直接来るか!」


男は静かにこちらを見ていた。


感情は薄い。


だが――


確かな意思があった。


「異常は排除する」


世界そのものが、

主人公へ牙を向いた。

読んでいただきありがとうございます。


第46話では、

ついに“世界の管理者”が姿を現しました。


完璧を望む者。


未完成を肯定する者。


二つの思想が、

真正面からぶつかり始めます。


次回、

世界そのものとの戦いが始まります。


引き続きよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ