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国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜第2章  作者: Nao9999


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第13話:価値の基準

第13話です。


上の世界。


そこでは、常識が通用しない。


“価値”とは何か――

その基準が、明らかになります。

「ここです」


教育係が足を止めた。


今まで見たどのフロアとも違う。


静かすぎる。


音が、ほとんどない。


「……入るぞ」


小さく呟く。


ドアを開ける。


その瞬間――


空気が変わった。


重い。


だが、圧とは違う。


もっと、研ぎ澄まされた何か。


「……」


広い空間。


だが装飾はほとんどない。


机がいくつか並び、その奥に人がいる。


数は少ない。


だが――


分かる。


こいつらは、今までの連中と違う。


「新しいのか」


一人がこちらを見る。


その目。


一瞬で、全部見透かされる感覚。


「はい」


教育係が答える。


「通過者です」


その言葉で、何人かがこちらを見る。


値踏み。


いや――


それ以上だ。


「……面白い目してるな」


別の男が言う。


笑っているが、目は笑っていない。


「名前は?」


聞かれる。


一瞬迷うが、答える。


「……○○です」


(※名前は後で決めてもOK)


「そうか」


興味なさそうにうなずく。


だが、その一瞬で分かる。


見られている。


完全に。


「ここが何か、分かるか」


最初の男が聞く。


俺は少し考えて――


答えた。


「選ぶ側の上」


間違ってはいないはずだ。


男は少しだけ笑った。


「半分正解だ」


半分。


つまり、違う部分がある。


「ここはな」


椅子に座りながら言う。


「“価値を決める場所”だ」


その言葉で、空気が一段冷たくなる。


「価値……」


小さく呟く。


「そうだ」


男は続ける。


「人も、物も、情報も」


指で机を軽く叩く。


「すべてに値段をつける」


その言葉に、違和感が走る。


「……人にもか」


確認するように聞く。


男は迷わず答えた。


「当然だ」


即答だった。


「お前もだ」


一瞬、言葉を失う。


「……いくらだ」


思わず聞いてしまう。


男は少しだけ笑って――


言った。


「今は、安いな」


軽く言われる。


だが、妙に納得してしまう。


「だが」


続ける。


「上がることもある」


その言葉に、少しだけ火がつく。


「どうすれば上がる」


自然と聞いていた。


男は少しだけ目を細めて――


答えた。


「価値を生め」


シンプルな答え。


だが、深い。


「価値って何だよ」


核心。


男は一瞬だけ考えて――


言った。


「他人に影響を与える力だ」


その言葉が、頭に残る。


影響。


「金じゃないのか」


思わず聞く。


男は笑った。


「金は結果だ」


その一言で、すべてが繋がる。


「価値があるから、金になる」


「価値がないものは、消える」


シンプルすぎる理屈。


だが――


この世界では、それがすべて。


「……じゃあ」


一歩前に出る。


「落とされたやつらは?」


あの二人が頭に浮かぶ。


男は少しだけ考えて――


言った。


「価値はある」


予想外の答え。


「ただし」


続ける。


「低い場所でな」


胸がざわつく。


「……それでいいのかよ」


思わず出る言葉。


男は肩をすくめた。


「現実だ」


それだけ。


否定も肯定もない。


ただの事実。


「納得いかない顔だな」


見透かされる。


「……ああ」


隠さない。


「気に入らねぇ」


正直に言う。


空気が一瞬、止まる。


だが――


男は笑った。


「いいな」


意外な反応。


「その顔は嫌いじゃない」


周りの連中も、少しだけ興味を持ったような目になる。


「だがな」


男は続ける。


「気に入らなくても、変わらない」


現実を突きつける。


「だったら」


言葉が出る。


「変えるしかねぇだろ」


その一言で、空気が変わる。


完全に。


「……ほう」


男の目が鋭くなる。


「言うじゃねぇか」


一歩立ち上がる。


「どうやって変える?」


試す声。


俺は迷わず答える。


「上に行く」


シンプルだ。


「一番上まで行けば、決めれる側だろ」


静かに言う。


「だったら、そこで決める」


沈黙。


数秒。


だが、今回は違う。


評価している沈黙。


「……面白い」


男が笑う。


「ガキみたいな理屈だが」


少しだけ間を置いて。


「嫌いじゃねぇ」


その言葉で、何かが通った気がした。


「とりあえず」


男が手を振る。


「使ってやる」


その一言。


軽い。


だが――重い。


「研修に回せ」


教育係に指示が飛ぶ。


「はい」


短い返事。


俺はその場を離れる。


ドアの前で、一度振り返る。


あの空間。


あの連中。


間違いなく――


この世界の核心だ。


「……どうでしたか」


廊下で教育係が聞く。


俺は少しだけ考えて――


笑った。


「クソだな」


正直な感想。


女性は一瞬だけ驚いて――


小さく笑った。


「そうですね」


否定しない。


「でも」


続ける。


「そのクソな世界で、どうするかです」


その通りだ。


「決まってる」


迷いはない。


「上に行く」


それだけだ。


教育係は静かにうなずく。


「では」


前を向く。


「次に進みましょう」


第2章は、さらに深く進んでいく。

読んでいただきありがとうございます。


第13話では、“価値の基準”が明かされました。


この世界では、人間すら数値化され、

価値によって扱いが変わります。


主人公はその現実に反発しながらも、

上へ進むことを決意しました。


次回は、“選ぶ側”としての本格的な試練が始まります。


引き続きよろしくお願いします。

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