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2、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜完璧な世界編  作者: Nao9999


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第24話:奪われる価値

第24話です。


価値を生み出した瞬間、

それは狙われる対象になる。


この世界のルールは、

“作った者”ではなく“支配する者”が握る。

「……来ました」


教育係の声。


短い。


だが、それだけで分かる。


「上か」


「はい」


やっぱりな。


成功した時点で、来ると思ってた。


「行くぞ」


立ち上がる。


逃げる理由はない。


むしろ――


想定内だ。


エレベーター。


上へ。


空気が重い。


「……今回は早ぇな」


小さく呟く。


教育係は何も言わない。


扉が開く。


そこにいるのは――


前と同じ連中。


だが、今回は違う。


目が。


完全に、“取りに来てる”。


「報告は聞いている」


最初の男が言う。


「……どうも」


軽く返す。


態度は変えない。


「面白いことをしたな」


「そうっすか」


あえて軽く返す。


だが――


男はすぐに本題に入る。


「その案件、こちらで管理する」


来たな。


直球だ。


「……は?」


一応、聞き返す。


分かってるけどな。


「プロジェクトを上層に移管する」


淡々とした説明。


「お前の管轄から外す」


完全に奪う気だ。


「理由は」


聞く。


答えは分かってる。


「規模だ」


即答だった。


「お前の手には余る」


正論だ。


だが――


納得はしない。


「……俺が作ったんですけど」


一歩踏み込む。


空気が張り詰める。


「知っている」


男はうなずく。


「だからこそだ」


意味が分からない。


「価値があるから、上で扱う」


それがこの世界のルール。


「……」


少しだけ黙る。


怒り。


ある。


当然だ。


だが――


「で?」


顔を上げる。


「俺はどうなる」


重要なのはそこだ。


男は少しだけ考えて――


言った。


「残るか、外れるか」


選択を投げてくる。


「……選べるんすか」


「選べる」


珍しいな。


「残れば、上の一員として関わる」


指を一本立てる。


「外れれば、完全に手を引け」


二択。


分かりやすい。


「……」


考える。


普通なら、残る。


上に行けるチャンスだ。


だが――


「どうしますか」


教育係の声。


俺は、少しだけ笑った。


「決まってるだろ」


顔を上げる。


男を見る。


そして――


言った。


「残る」


空気が少しだけ動く。


当然だ。


だが――


「ただし」


続ける。


「条件ある」


その一言で、空気が凍る。


「……ほう」


男が興味を持つ。


「言ってみろ」


許可が出た。


「俺の連中、潰すな」


はっきり言う。


「使うなら使え」


一歩踏み込む。


「でも、壊すな」


静かに言い切る。


沈黙。


重い。


だが――


引かない。


「……」


男はしばらく考えて――


言った。


「保証はできない」


当然の答え。


だが――


「だが」


続ける。


「配慮はする」


それが限界か。


「……いい」


うなずく。


ここがラインだ。


「それでやる」


決めた。


「契約成立だな」


男が言う。


その瞬間――


すべてが変わる。


完全に。


「……」


息を吐く。


これで――


完全に踏み込んだ。


「戻るぞ」


教育係に言う。


「はい」


短い返事。


エレベーターに乗る。


下へ。


「……どう思いますか」


いつもの問い。


俺は少しだけ考えて――


答えた。


「予想通りだな」


本音だ。


「奪われた」


事実。


「でも」


続ける。


「中には残った」


それが重要だ。


「……そうですね」


女性がうなずく。


「だったら」


軽く笑う。


「中から壊す」


その一言で、空気が止まる。


「……本気ですか」


「ああ」


迷いはない。


「外からじゃ無理だ」


だったら――


中からやる。


「……危険です」


当然だ。


「分かってる」


うなずく。


「でも」


前を見る。


「面白ぇだろ」


それが、すべてだ。


この世界。


やっぱりクソだ。


でも――


壊す価値はある。

読んでいただきありがとうございます。


第24話では、ついに上層が本格的に介入しました。


主人公が生み出した価値は奪われ、

より大きな枠組みへと組み込まれます。


しかし主人公は、その中に残ることを選択しました。


外からではなく、“内側から壊す”ために。


物語はここから、さらに大きく動き出します。


引き続きよろしくお願いします。

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