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背伸び  作者: 雨世界
1/7

1 私たちの本当の気持ち。

 背伸び


 登場人物


 森谷ひとみ 生徒


 大川みなみ 生徒


 竹内かすみ 先生


 プロローグ


 私たちの本当の気持ち。


 本編


 いま、心から思うことがある。あのとき、あの場所で、あなたに対して、こうしておけばよかったって、……ずっと後悔している自分がいる。


 いつも一緒だよ。


 森谷ひとみが大川みなみに恋をしたのは、中学生のころだった。

 ひとみにとって、このころの恋というのは憧れに近い感情だった。だけどひとみは真剣だった。

 だからひとみはみなみをお昼休みに人気のない校舎裏に呼び出して「私、あなたのことが好きになってしまったみたいなの」と自分の正直な気持ちを親友のみなみに告白した。

 するとみなみは最初、とても驚いた顔をしてから、少しして急に大きな声を出して笑い始めた。

「なんで笑うの? 私、すごく真剣なんだよ(それに、みなみに嫌われちゃうんじゃないかと思って、すごく怖かったんだよ)」と怒った顔をしてひとみが言うと、「ごめんごめん。だって真面目なひとみが急にそんな冗談をいうから、おかしくってさ。つい我慢できずに笑っちゃった」とひとみを見ながら笑いすぎて、涙目になっているみなみはそう言った。

「冗談じゃないよ。私、本気だよ」とひとみは言った。

 すると「どういうこと?」とようやく笑いを堪えることに成功したみなみはいつものようににっこりと笑ってひとみに言った。

 それからひとみは自分の気持ちをみなみに丁寧に説明しながら話をした。

 そのひとみの話を「うんうん。なるほど」といちいちうなずきながらみなみは聞いていた。

 ひとみの話が終わるとみなみは「それは恋じゃないよ、ひとみ」と真剣な顔をしてひとみを見ながらみなみは言った。

「恋じゃない?」首をかしげながらひとみは言った。

「そう。それは恋じゃない。ひとみの感じている感情はきっと、……憧れ、なんじゃないかな? まあ、自分で言うとなんだかすっごく恥ずかしん話なんだけどさ」とみなみは照れながらひとみに言った。

「憧れ。それは恋とどう違うの?」とひとみは言った。

「えっとそれは……」

 するとみなみはすごく困ってしまった。自分で話しておいてなんだけど、確かに恋と憧れがどう違うのか、説明しようとするとよくわからなくなってしまったのだ。

 適当にごまかそうとしても、目の前には真剣な顔でみなみの答えを(いつものように)期待して待っているひとみがいる。

 そんなひとみに適当な言葉で恋と憧れの違いを説明することは、ひとみの親友であるみなみには絶対にできないことだった。

 なので「ごめん。僕にもよくわからない」と自分の気持ちをひとみに言った。

 するとひとみは「じゃあ、竹内先生に聞きに行こうよ」とすごく嬉しそうな顔をしてみなみに言った。

 そうやってすぐに答えを先生に聞きに行こうとする、まるで小学生のような子供っぽいひとみの幼さのことを、あまりいいことではない、とつねづね思っていたみなみだったけど、今はとても助かったと思った。

「わかった。じゃあ、今から先生に聞きに行こう」と、いじわるそうないたずらっ子の顔をしてにっこりと笑ってみなみは言った。

 みなみはあの(密かに自分が憧れている)竹内かすみ先生がひとみの恋と憧れの違いについて、どう説明をしてくれるのか、実は内心、すごく興味があった。

 そんなみなみの下心が表情にありありと出てしまっていた。

「どうかしたの、みなみ。なんだかすっごくいじわるそうな人の顔をして笑っているよ」とひとみから言われてしまった。(そんなことをひとみに言われて、みなみは素直に反省した)

 それからひとみとみなみは竹内先生に会うために職員室まで移動をした。

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