休暇
アリスと話して、お姉ちゃんのおいしいご飯を食べて、1時間。
お姉ちゃんから、弟子としてのお給料として、お金を渡されました。
その量、銀貨5枚。
ナイフ一本分にもみたない値段、とはいいますが、その価値は、ものすごいものです。
銀貨一枚が、銅貨一枚と同じですから、おおよそ銅貨100枚と同じですので、これだけで、半月は余裕で暮らせるほどです。
私たちの成果は、モンスターを二体倒しただけです。
銀貨五枚とつりあうのか、と、お姉ちゃんを見上げます。
「一応いうけど、それ以外も加算しているからね?ちゃんと真面目に修行もしてるし、これからも伸びが期待できるしね。この前のモンスター。ソルジャーの換金額が、大体銅貨50枚。そこから武器のメンテナンスとかも差っ引いてるから、純粋な、私の弟子としてのお給料かな?」
「……お給料、でるんですか?」
「そりゃあ、だって、お金ないと何もできないし。それに、私しかお金持ってないと、私がいないとき大変でしょう?」
「お姉さまは有名人ですし、個人への依頼もありますからね……」
個人への依頼。
「うん、まぁ、昨日はやめに切り上げたのはそれもあるよ。ちょっと、魔物の群れが来てるらしくて、増援を頼まれたから、すこし、ね。夜にはひと段落、させてくるから。ゆっくりしておいて?」
そういうと、空間魔法を使ったのでしょうか、お姉さんはすぐに消えてしまいます。
「さて、キャロお姉さま、どうしましょうか。たぶん一日ゆっくり、というのも、悪くはないですわよ?」
「うん、でも、・・・・・まだ、この辺り、探索してませんから」
そうです、ランニングなどをして、うろついたりはしていますが、朝方で、店は開いていませんし、この町のことを、よく知っているというわけではないのです。
「じゃあ、行きましょうお姉さま?」
「え。アリスもくるの?」
「勿論ですわ。お一人では危ないでしょうし。それに、どんな店か分からずにはいるというのも、勇気がいるでしょう?子ども一人ではいってはいけない店も多くありますから、それはお姉さまがいらっしゃる日に、ということで」
アリスの言い分はもっともですが、私は一応成人してるのです・・・・・。
というのもいいだせませんから、おとなしく従います。
実際、いちいち子ども扱いされて見て回れない場所を見るよりも、しっかりと見れるところをかんがえたほうがいいです。
「・・・・・。その前い今日使うのは、銀貨一枚!ですわ!さすがに、銀貨複数枚持ち歩くのは防犯的にも危ないですし、それに、お給料といっていましたからね。貯金もしっかりしておかないといけませんわ!」
「えっと、でも、貯金って、どうすればいいんですか?」
「そうですわね・・・・・。銀行、といっても、銀貨数枚では、相手にされませんし、とりあえずは保管できる場所を作っておくのがいいかと。人間手元にあると使ってしまいたくなるのが人情ですから」
そういうもの、なのでしょうか。
「とりあえず、貯金用の入れ物を買って、そのあとに食事、……それと少し本など買いましょう。勉強以外にも、知恵を得るのに適していますし」
「・・・・・お願いします」
正直、どういう意図で言ってるかも、私には半分くらいしかわかりません。
あぁ、でも、本は、楽しみです。いままでの勉強は、魔法を覚えるための勉強だけでしたから。
「では、行きますわよ!お姉さま!」
そういうと、アリスは、私の手を取って、宿から走っていきます。
最初に来たのはかわいらしいお店です。
大きさは、・・・・・。宿よりは小さいですが普通の家と変わらないくらい、でしょうか?
「小物やさんですのー。街でも幅広い値段と品数でおすすめされていましたわ」
「だ、大丈夫なの・・・・・?」
正直いうと、入ったことがないから相場がわからない
「えぇ、勿論ですわ!例えばこのぬいぐるみ!」
可愛らしいクマのぬいぐるみ・・・・・。でしょうか?
大きさは、てのひらに乗るほど。
値段は‥‥。銀貨一枚。
「安いですわ!」
「・・・・・アリス。今回の手持ち・・・・・」
「っは!?そ、そうでしたわ!」
少しまだ、金銭感覚がないみたいです。
ですが、例えで出していないものの値段を見れば、・・・・・そこまで高いものはありません。
クマのぬいぐるみは、寧ろ、凝っている高い作品だったようです。
まぁ、それは、アリスの目の良さ、ということなのでしょう。
「とりあえず、お姉さまの貯金箱を・・・・・」
ということで、貯金箱の辺りを探してみます。
「……ちょっとブタ型は遠慮したいです」
「まぁ、そうですわね」
調理済みならともかく、この辺りのブタ型はジャイアントピッグのものが多いみたいです。
……ちょっと、トラウマになってしまいました。
その他もみると、猫や、かわいらしいのが多く、少し悩んでしまってます。
「っと、お嬢ちゃんたち、貯金箱をお探しかい?」
となると、この、若干ファンシーなお店に不釣り合いといっては失礼ですが、ごつごつのおじさんが現れました。
いわゆるマッチョめんです。
「は、はい。ちょっと、ブタは苦手で・・・・・」
「っと、それなら別のがいいなぁ。予算はどのくらいだい?」
「ど、銅貨、30枚くらい・・・・・です」
他のモノも考えると、中々難しい。
「おっと、あんまないんだな。なら。そうだな。んじゃぁ、こんなのはどうだ?」
おじさんがだしてきたのは、小さな筒状の物に、クリアなパーツが入っていて、そこには、何も書かれていない紙が入っていました。
「この貯金箱は、まぁ、自分の絵を入れてやるってやつだ。金をためるだけなら、こういうので、色々書いてみるといい。ペンならそっちにあるから、好きなのかって行きな」
「むぅ・・・・」
おすすめしてくれたものは、正直に言えば、他のモノよりも安っぽいです。
そう、ですが。
恐らく、子供向けのを、おすすめしたのでしょう。
全体的に見ても、どちらかというと、お姉ちゃんみたいな人たちが買うものが多いし。
「お姉さま!これにしましょう」
「え。いいの?」
「はい!これで、お姉さまたちの思い出を書いておけるなんて素敵でしょう!」
そういって、お会計に二つ持って行ってしまった。
「かってきましたわ!……嫌、でしたか?」
まばゆい笑顔を、私のちょっと困惑した顔をみて、少し曇らして申し訳なさそうにいいます
「んーん、大丈夫ですよ、アリス。でも、次はもっと、一緒に話して決めましょう?」
「はい!」
妹分に、こんな顔をされて、いや、と答えられるわけがなかったのでした。
金銭:出回っている金銭は、金貨、銀貨、銅貨の三種類があり、それぞれ下位種の100倍の価値がある。
一般的に、冒険都市は年収がほかのところでの暮らしより多く、田舎に行くほど、収入が減る。
また、冒険都市での一般人の収入は、平均年銀貨300枚ほどである。
ただし、この中には冒険者などは含まれておらず、冒険者の年収はピンキリであるが、一人前の冒険者の平均は、金貨五枚ほどといわれている。




