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「このクラスに林 琴未っているだろう?そいつのことなんだけど」
林 琴未。このクラスの委員長をしていて、リーダー的存在だ。友達も多く、みんなから慕われている。成績もいいし、スポーツもできる。絵にかいたような優等生だ。
「・・・好きにでもなった?」
心配になって聞いてみた。
「ばか、違うって」
「それで?」
周りを気にしたのか、声のトーンを落とす。
「俺とは、小学からの同級生で仲も良かったんだか、最近玄関を出ると急に泣き出すのを見た人がいるらしい。近くにいたクラスのやつがどうしたの?って聞いてもなんでもないって言って、後は普通に帰っていくんだと」
「ふーん、それで同じクラスなんだから、なにか知らないかってこと?」
「それもある」
それも?
「・・・他には?」
「なんで泣いていたのか原因を突き止めてくんない?」
「本人に聞いたら?」
「聞いても答えないと思う。弱みは絶対に見せない人間だから。」
確かにそれは頷ける。林琴未は、友達は多いのに、人を寄せ付けない雰囲気がある。一番仲が良い特別な友達はいないようで、友達と話していても当たり障りない感じで接しているように見える。
「お前、頭いいだろう?」
「別に?成績は中の中だけど」
三崎は、笑った。
「勉強の成績じゃない。鋭いだろう?洞察力が優れているっていうのかな?他の人間が気付かないようなことにも気づいている気がする」
高1の時に同じクラスになり、付き合いはそれほど長くはない。それなのにそこまで言われるとは――
「・・買いかぶりすぎ」
恥ずかしくなってきた。顔が赤くなり、ばれないように顔を伏せる。
「三崎が鈍すぎるんだよ。」
「そうかな?」
ほんと分かってない。
「まあ、俺も周りに聞いてみるし、なにか分かったら教えて欲しいってこと。
ちょっとは頼み聞いてくれよ、なっちゃん。」
「はいはい」
適当に相槌をうち、机に置いたまま、ほとんど手に付けてなかった弁当を口に運んだ。




