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プロローグ

---魔族の砦---




「ハハハ、さすがだ、勇者・ルカエル!


人のみでありながらここまで辿り着くとはな


だがそれもここまでよ


我が槍の錆にしてくれる!」




「いくよ、みんな!


勝つのは俺たちだ!」




『おう!』




そうして、ぼくたち勇者パーティー一行と魔王軍幹部、魔槍のボルドとの決戦が始まった。


戦いは、戦士のエルドリックが敵の攻撃を防ぎ、勇者のルカエルと魔法使いのユーネリアが攻撃し、ぼくが幻術で支援し、聖女のエレノアが傷付いたみんなを回復する。


完璧な連携で、戦いは終始ぼくらの優勢だった。


そして、、、




「ぐっ、、、


やるな勇者!


さすが歴代最高と言われるだけはある


せめて貴様だけでも道連れにしてくれる!」




その瞬間、敵の槍に魔力が集まっていき、血のような赤い輝きが槍に帯びる。


そして、ひときわ紅い光を放った瞬間、魔槍のボルドが、赤く輝く槍を目にもとまらぬ速さで投げ放った。


投擲された槍は、避けることすらできない速さで、勇者ルカエルの胸を刺し貫き、胴体に大きな穴をあけた。




「ふははは


これで人類も終わりd、、、ぐふっ」




「悪いけど、人類は終わらせない!」




胴体を貫かれたはずの勇者が魔槍のボルドの胸に剣を突き立てながら言った。




「な、何故、、、」




ボルドは信じられないものでも見たかのような顔で、先ほど貫いたはずの勇者ルカエルの死体の方を見る。


そこには、歪みながら霞のように消えていく勇者ルカエルの死体があった。




「げ、幻術か、、、


貴様らの方が一枚上手だったというわけだ、、、」




そして、ルカエルがボルドを切り払い、僕ら勇者パーティーの勝利で終わった。




---2日後・魔族の砦付近の町・シエンタウン---




「ノア、悪いが今日で君には俺たちの勇者パーティーを抜けてもらう」




夕暮れ時。


いつも通り明日の計画を立てるために宿屋の一室にみんなが集合した直後のことだった。


唐突に突き付けられたパーティーからの追放宣言。


僕は、動揺しつつも言い返す。




「ハハ、、、ルカ、冗談がキツイよ」




「ノア、俺が冗談を言っているように聞こえたかい?


分かっているはずだ


君は幻術だけで他に何もできない


その幻術も先日戦った魔王軍の幹部にはほとんど効いていなかった


このままじゃ、君のせいでパーティーメンバーが危険にさらされる」




「っっ、、、


じゃ、じゃあせめてパーティー追放じゃなくて裏方に回るとか!


ほらなんかあるじゃん


ここまで5人で頑張ってきたんだしさ」




最初は、生まれ故郷が同じで幼馴染の3人であるぼくと勇者であるルカ、そして魔法使いのユーちゃんだけだった。


旅の途中で、戦士のエルドが加わり、最後にエレノアさんが加入して今の勇者パーティーが完成した。


そこから1年僕らは戦い続け、先日はついに魔王軍幹部の中でも特に強力と謂われる4大魔族の1人、魔槍のボルドの討伐に成功したのだ。


なのにいきなり追放だなんて、、、




「はっきり言わないと駄目なようだから言ってあげるよ


ノア、ここから先の戦い、君は足手まといなんだ!!!」




「っっ、、、!!」




誰にでも優しいルカがそんなことを言うほど僕はみんなに迷惑をかけていたなんて、、、


ぼくは何も言えないまま、逃げるように部屋を飛び出した。




------




「これで満足かい、ユーネリア?」




ノアが部屋から飛び出した後の部屋には重苦しい空気が漂っていた。


ノアの気配が、宿から遠ざかっていく気配を確認すると勇者ルカエルが低い声でユーネリアに尋ねる


そんな状況がまるで分っていないように明るい声でユーネリアが答える




「うん!ちょっと強引な感じもしたけど概ね満足だよ!


約束守ってくれてありがとね、ルカ!


ワタシも約束通り、この町の孤児院に仕掛けた時限式爆発魔法陣は解除しておくよ


あとで、、、だけどね


そんなことよりもユーネリアなんていきなり他人行儀じゃない?


いつも通り『ユーネ』って呼んでくれないの?」




「当たり前だろ


俺は、君のせいで親友を、ノアを傷付け裏切ったんだ


それに君は、孤児院を人質に取った


それなのにこれまで通り君と仲良くしろっていうのかい?」




「はははっ


それは、たしかに無理だろうね」




ルカエルがユーネリアを責めるように言うが、ユーネリアはどこ吹く風というように軽く答える




「ユーネちゃん、何故、、、」




聖女エレノアが、未だにユーネリアの行動が信じられないというように問いかける


エレノアにとっては、パーティー内唯一の同性ということもあって、仲良くしていたし、ショックが大きいのだろう




「エレちゃんは、何故ワタシが、こんなことをしたのかって聞きたいのかな?


うーん、秘密かな~」




「ノアの幻術がエレノアやエルドがパーティーに加わる前、旅に出るよりも前から一切強くなってないからかい、ユーネリア」




「ふざけるのも大概にしろよ、ユーネリア!」




それまで黙っていた戦士エルドリックが、我慢の限界だというように怒鳴る。




「今は、人類の存続をかけた魔族との戦争中なんだぞ!


ノアは、確かに強くなっていなかったが、それでもしっかりと役割を果たしていた


それを貴様の勝手でパーティーの戦力を減らし、内輪揉めを起こそうとするとはどう責任を取るつもりだ!」




「大丈夫だよ


だってルカがいるもん!


極論ルカさえいれば、人類が負けることはないよ


それとね、ワタシにとって人類の存続とか二の次、三の次


だから責任も取らない


それとね」




ユーネリアはくるりと踵を返した




「ワタシも今日で勇者パーティー抜けるから」




「「……は(はい)?」」




エルドリックとエレノアが間の抜けた声を出す


ユーネリアは笑顔で言う




「だってさ、ワタシ、ノアについていくし」




ノアを勇者パーティーから追放させておいて、自分はそのノアと一緒にいくという意味不明な発言にエレノアとエルドリックは、驚愕と困惑の入り混じった表情を浮かべた


そうして、歴代最高ともいわれた勇者パーティーは、たった1時間の間に5人から3人へと減ったのだった。





その頃、ノアはまだ知らなかった


自分が勇者パーティーから追放された理由も




そしてーー


ユーネリアが、自分を追ってくることも

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