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「TOKIの世界譚 」宇宙の神秘と日本神話な物語  作者: ごぼうかえる
三話

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308/320

戦ゲーム1

 ヤマト国天守閣からスズはソラマ国が慌てて防戦しているのを眺めていた。ヤマト国は止まらず、近くの村から焼き払っている。


 「うっわあ……栄次、早く止めなきゃ……相手も反撃してくる。……ん?」

 スズは戦いが起こっている奥でソラマ国が隊を徐々に退かせている事に気がついた。意図的だ。


 「こちらは気づいてない。敵国へ敵を追いかけて……」

 スズはすぐに栄次の元へと向かった。

 階段をかけおり、下で隊の準備をしている栄次に声をかけた。


 「スズ、どうした?」

 「実は兵が意図的に去ってて自国が無駄に攻めてる」

 「……なるほど。空城の計 (くうじょうのけい)か?」

 「……くうじょう……」

 「今激昂して進んでいる男達に伝えろ。深入りせずに戻ってこいと。逃げる者は追うな、死ぬぞ。スズは忠告を聞かなかった者を引き留める必要はない。敵国へは入るな」

 「……わかった」

 スズはすぐに動き出した。


 「ねー、敵が逃げてたら攻めた方が勝てるんじゃないの?」

 地図を眺めていたこばるとが不思議そうに尋ねてきた。


 「敵国で場所の良いところまで逃げるふりをして大勢で叩く戦法だ。相手方はなかなか戦術を知っている者か。ただ……兵の少なさでこういった戦法をするが、向こうは兵が少なくもないはず故……無中生有(むちゅうしょうゆう)の可能性もある。油断させて、戦略を見せてから隠れた戦略を用意している策だ」


 「こわ……わけわかんない」

 こばるとは再び地図に目を向けた。

 

※※


 「気がついたか」

 プラズマは扇子を広げたり閉じたりしながらソラマ国の天守閣からヤマト国の兵が少しずつ後退していくのを見ていた。


 「死にたくなければ帰れ。俺達は追わないぜ。もっと入ってくるなら容赦はしない。再び村へ戻れ、全軍待機」

 プラズマが指揮をとり、後退していた軍は再び村へ戻った。


 「プラズマ、うまくいったの?」

 「いまんとこは。相手が気づいた。特攻されたらヤバイかもしれないが……今のうちに体制を整え、別の策も準備する」

 プラズマは別方向に見えるもうひとつの天守閣を眺める。

 「あっちがどう来るかだ。カイリ国」

 

 ※※


 カイリ国の天守閣にいる更夜はヤマト国とソラマ国の情勢を見ていた。


 「やはり戦略ゲーム内のようだな、ここは……。両軍に勝てばこのゲーム、クリアとなり出られたりしないか……。やってみる価値はある。こいつらは人間じゃない……人形だ」


 「失礼します」

 障子扉が開かれ、男が女達を投げ込んできた。

 「投げるな! 大切な人材だぞ」

 更夜は男を睨み付け、男は体を震わせながら頭を下げて謝罪し、去っていった。

 更夜は女達に近づき、声をかけた。


 「大丈夫か……ルナ、リカ、トケイ……」

 「いてて……更夜さん!」

 リカが最初に声を上げ、ルナがなんだか機嫌悪く起き上がり、トケイは涙目で更夜を見た。


 「あいつ、ルナ達を投げたー!」

 「ああ、ひどいな」

 更夜がルナをなだめ、ルナが何もされてなかったことを確認した。


 「あー……結局、僕達は倉庫みたいな場所に入れられてただけで何もなかったよ。なんか、作法的なのを教えようとはしてたみたいなんだけど、そのうちそんな感じじゃなくなってさ」

 トケイは怯えながら更夜を仰いだ。

 「まあ、俺がここを支配したからな」

 更夜は驚いてる三人を横目に見つつ、地図を広げる。


 「ここはな、間違いなく現実世界じゃない。人は全部人形、ステータス画面とやらも表示される」

 「そうみたいですね」

 リカが頷き、更夜は続けた。


 「ゲームならば……クリアしたら抜けられるだろう。この場合、ゲームをクリアするためにはだいたい、勝つことが必要だ」


 「勝つ……」

 「実際に繋がっているソラマ、ヤマトは戦中。ここ、カイリもいずれ攻められる。だから……間をぬってソラマ、ヤマトに大打撃を加える。一気に勝つ」

 更夜は立ち上がった。


 「トケイは情報伝達だ。ルナは俺から離れるな、リカは女達をまとめろ。俺からの命なら動くようにしてある」

 「ええ……いつの間に」

 「戦、スタートだ」

 更夜はソラマとヤマトの領地を取ろうと動いた。


 そこに仲間の時神がいるとも知らずに。

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