誰かがいれば
二作目です。面白いと思ってくれたら、嬉しいです。よろしくお願いします。
「ハァ……ハァ……。力が入らなくなってる。誰かがいれば、こんなの!」
ドラゴンの攻撃を避けながら、一撃を与えようと突撃した。
「今回こそは倒す!」
その決意も虚しく、少女は振り払われて壁に叩きつけられた。
「もうだめなのかなぁ。神様……どうか今度こそはお願いします。この繰り返しから解放してください」
少女は、もう体が動かないため、ドラゴンの攻撃を目の前にして願っていた。
ドラゴンは火を吹き、彼女を焼いた。
「あーあ。羨ましい。俺も彼女欲しなぁ〜」
友達に彼女ができたと報告を受けた。異世界とかなら、俺でもモテるかもしれないと、子供みたいな妄想をしながら、近くのコンビニにオヤツを買いに歩いていた。
「痛っ!なんだよ~。今日は、ついてないな」
何かを踏んだ。その足をどけてみた。
「なんだ、この綺麗な青い石は?」
その石を手に持ってみた。すると、石が光り出した。眩しくて目をつぶった。
「お兄さん、起きてください。」
どこからか、声が聞こえてきた。
目を開けると、神秘的な空間でそこには金髪の女神がいた。とても神々しく、魅了されてしまうほどだ。
女神が話し出した。
「貴方は、その石に選ばれたのです。なので、妄想の望みを叶えてあげます。異世界のダンジョンに送ります。あと、死んではいないですよ。」
「は?異世界に行くの、俺?選ばれたって…いやいや。別に妄想であって、別に行きたいとかは⋯」
俺は困惑しながら、状況を理解しようとした。
俺は、21歳。小田 仁。社会人で高校卒業後、就職し、工場で働いていた。まぁ、それなりに生きて、歳をとって、死にたかった。そんなことも叶わなくなった。
「ダンジョンにて、まずは、ある少女を助けなさい。そして、ダンジョンのボスを倒すのです。その時になって、帰りたいと言うのなら、元の時間に帰らせてあげます」
「本当か?」
疑いながら、聞いた。
「本当です。でも、貴方は、今のままでは使い物にならず、死んでしまうでしょう。」
女神は、俺の元に近づいてきた。
「なので、転移の特典と思ってください。異世界のほぼすべての属性の魔法が使えます。火、水、風、土、光、闇の属性魔法と治癒魔法もです。もう一つは、言葉にした物を出せます。例えば、車なら、車が出てきます。でも、自分が持っていたことがある物しか出せないので、気を付けて下さいね」魔法や車を出しながら、使い方などを教えてくれた。
「それだけあれば、心配はないと思うが、いざ異世界かってなると怖いなぁ」
女神は、俺を抱きしめた。
「大丈夫ですよ。貴方なら出来ます」
そう言って女神は光を放った。
「前回はいなかったけど……誰?大丈夫?起きて、こんな所で寝てたら魔物に襲われちゃうよ」少女は男を起こそうとしていた。
「ん゙。」
目を開いて、少女の方を見た。
「俺は、異世界に来てしまったのか⋯」
少女を見ながら、小さく呟いた。
「イセカイ?いや、そんなことよりもここから動こう」
少女は、呟いた言葉が気になってはいたが、奥から魔物の足音が聞こえてきた。
この時の少女は、彼との出会いが自分の運命を大きく変えることとなるとは、まだ知らなかった。




