報われぬ過去 その2
それはレオ・バレッタが保安官に就任された日の話だった。
マリアとチャンクがテーブル越しにいがみ合っていた。レオは店を出て一服するのだった。
[キヤー泥棒ー!誰かー…]
ざわめきの町の中、確かにレオは聞いた。
[ナニ?泥棒?ソリャー大変だ!先輩方行きましょう…………って………しょうがない俺が行くか]レオはバーンと飛び上がり泥棒を探す。[チッ……見えねえな。マスター。ちょっと店借りるぜ。ヒョイッと]
レオは店の屋根に飛び上がり、泥棒を探す。
[イタ!あそこだ。道は混んでるな。野郎、人混みに眩ます気か?許さねえ!俺の初仕事だ]
レオは屋根から屋根を飛び越え、泥棒を追う。
[マダム。ちょっと待っててくれないか?俺が取り返す]
レオは被害者に軽く挨拶をし、泥棒を追う。
市場を抜け、相手が追ってこないと気を抜いた瞬間、屋根から飛び降りる。
[オイ!お前!泥棒!捕まえたぜ。盗んだ物を返せ][………オッ………俺じゃネーよ。人違いだろ?大体にして見たのか?俺が盗む所を?][そうかい?マダム。この人ですよね?][エエ。そうですわ。お返しになりなさい][チッ…………なんだい。ケチだな。こうなりゃ常套手段だ]盗賊はポケットからナイフを出した。[君。泥棒だけなら刑は甘いぞ。だが凶器となりゃーちと重いな。軽く終身刑だろうよ。やめときな][ウルセー!アマちゃんが!]
レオは膝げりでナイフを飛ばし、フワッと宙に浮き、かけ上がる様に、二段蹴りを浴びせる。振り向きざまに宙返りし、泥棒の後ろに回り込み腰の二丁拳銃を抜く。着地し、泥棒の頭に拳銃を向ける。[ヒッ………ヒー………何者だあんた?][保安官レオ・バレッタ。逮捕のついでに教えてやる。俺の前にも後にも犯罪は産まない]泥棒はヘナヘナッと腰を抜かす。
クルクルと二丁拳銃を回し、腰に納める。
盗賊は盗んだ物を返し、レオに連れられ、トボトボと道を歩く。
レオの逮捕劇を見ていた観客は祝福の声援で沸く。[フン。悪い町では無さそうだな。こんな無法地帯も馴れりゃましか。誰かの為に働くのも悪く無いな]
[先輩方。盗賊を捕まえましたよ。………って………まだやってるんですか?]
マリアとチャンクはまだいがみ合っていた。
[アア。レオ君。お疲れさん。頼みたいんだがな。コイツらも引き取ってくれよ。全く営業にならんぞ][ハア。………すいません。マスター………]
次の日、保安所に挨拶に行くレオ・バレッタ。
[ブァッカモーン!何を考えているんだ!マリア!チャンク!お前ら、請求書が貯まってるんだ。何回も言ってるだろ!チャンク、暴れるな!マリア、飯を保安所のツケにするな!全くお前らは][アノ〜………ボス。レオ・バレッタです。昨日着きまして…………][アア。君かい?就任そうそう、泥棒を捕まえたエリートは。お前らも見習えよ。エリートを。わかるか?][フアーイ。アタイは警備に行きますからねー。文句はチャンクに][俺は二日酔いだ。ったくマリアのせいで頭が痛いわ]
[先輩。警備に行くんですか?俺も付き合いますよ。まだこの土地に慣れて無いんでね][レオ。あんた何故アタイらを呼ばなかった?][呼べる状況なら呼んでますよ。マスターも呆れてましたよ。アア。お詫び送っときましたから][アア悪かったね。領収書は保安所にしときな。行くよ][貴殿方は本当に保安官なんですか?][ン?なんか言ったかい?][イイエ。何も]
レオ・バレッタはマリアと警備に行くのだった。




