表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月面競争  作者:
9/15

その九

「だったら、やるしかないよな。ものづくりニッポンの底力を見せてやる!」


 プロジェクトチームはすぐさま人員の追加を行った。下町の職人集団にも参加してもらう。


 こうして一回り大きくなったプロジェクトチーム。


 彼らの中には、SF映画やロボットアニメを好む者が少なくなかった。


 ああいう作品に登場した技術者にでもなったつもりで、このプロジェクトに全力で取り組んでいく。


 幾多の困難を克服して、ついには米ソの要求する水準へと到達した。


 両国から続々と注文が入る。


 この時、米ソは密かにスパイを送って、プロジェクトチームの様子を監視していた。


 そのスパイからアメリカのホワイトハウスに、二枚の写真が送られてくる。


 それを見て、大統領及び補佐官はうなった。


「最初の写真の方でも、十分なレベルだと思うが」


 どちらの写真も、『ホワイトハウス』のミニチュアを隠し撮りしたものだ。


 最初に撮られたミニチュアの完成度も高いが、日本人はこれに満足せず、さらに改良しまくっているらしい。


 一枚目の写真ではホワイトハウスの建物だけだったが、二枚目の写真では建物のディテールを改良した他、わざわざ背景までつくっている。


 なのに、重量などの条件はすべてクリアしているそうだ。


「日本に任せて正解だった。まさか、ここまでつくり込んでくるとは」


 このホワイトハウスのミニチュアは、ソ連の発注したものだが、「月面初」にふさわしいクオリティーだ。


「同じ物をこちらでも発注して、このテーブルの上に飾っておきたいものだな」


「しかし、大統領。それをすると、こちらがスパイに監視させていることを、日本側に気づかれます」


「そうだったな。残念だが、この写真で我慢しよう。あとで額に入れて、壁に飾っておいてくれ」


 なお、ソ連側でも同様の会話が交わされていた。


 日本のミニチュアのクオリティーは、非常に高かったのである。


 それらのミニチュアを乗せたロケットを、米ソは次々と打ち上げていく。


 こうして月面には、大量のミニチュアが並ぶことになった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ