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旭山は会計をおかっぱに任せて店を出て行った。俺たちも続いて外に出た。
「僕は喧嘩とか苦手なんだよ。出来れば穏便に済ませて欲しいねえ」
「もちろん俺もそのつもりだ。お前がフレイムヘブンを諦めたらな」
旭山が無言で立ち止まる。
俺はヘヴンさんとの間に入るように、少し離れて旭山の横に並んだ。
「おのれええええええええ!!!!」
急に大声が上がり、俺たちは一斉に声のした方に振り返る。
竹刀を振り上げた鳥羽が、こちらへ走ってくるのが見えた。
上段の構え。振り下ろすだけで攻撃が出来るので、あらゆる構えの中で最も早く動く事ができる構えだ。
「旭山!」
皇が叫ぶ。鳥羽は旭山だけを狙って真っ直ぐに走ってくる。
「ファンクション・ジャンクション」
旭山が呟いて、軽く手を薙ぐと、鳥羽の腹部が裂けた。
上段の構えは、攻撃力は高いが防御には向いていない。剥き出しの体に、ピシピシと音を立てて旭山の攻撃が当たる。
それでも鳥羽の勢いは衰えなかった。
「死ね!」
鳥羽が勢い良く竹刀を振り下ろす。
俺は思わず首をすくめ、目を閉じた。
…………。
頭を思いっきり殴打する嫌な音は聞こえなかった。
目を開ける。
カランカラン、と、乾いたものが音が響いた。
俺の目に映ったのは、竹刀を振り下ろした姿で止まっている鳥羽と、額から血を流した旭山の姿だった。
しかし、鳥羽の竹刀は刀身が無くなっていた。
からからと音を立てて、道路を竹刀の残骸が転がっていく。
「お前、それをどこで覚えた?」
旭山は流れる血を拭おうともせずに鳥羽に聞く。
「さあ、なんのことでござるか?」
「貴様!」
旭山が手を大きく振る。鳥羽の髪の毛が散った。がむしゃらに手を振る旭山を、鳥羽は少しの身の躱しで避けている。
「見えなくても、手の動きで大体分かるでござるよ」
鳥羽が半笑いで言った。その直後、
「黙れ!」
店を飛び出して来た皇が叫ぶ。誰もが一瞬気を取られた隙に、篁が鳥羽を羽交い締めにした。
「鳥羽!」
俺は前に飛び出て旭山に飛びつこうとするが、彼の『見えない紐』は止められない。
「やめて!!!!!!」
ヘヴンさんが鳥羽の前に飛び出した。
「お願いだから、やめて」
旭山が攻撃を止める。
「私、“組織”に入るわ」




