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正しい異能の使い方  作者: 蜂末 新
イキルサイノウ
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 ハンズの中に入ると、鳥羽と俺はどちらともなく別れた。鳥羽の目的はどこだか気になるところではあったが、わずかな時間を有効に使うためには仕方ない。

 俺はエレベーターを使って一番上の階まで一気に行った。

 サイエンススペース。理科の実験に使う用具などを取り扱っている売り場だ。

 試験管、ビーカー、駒込ピペット。心が躍るような品々が俺の目に飛び込んでくる。憧れの白衣まで売っている。俺は周りに鳥羽がいないか確認してから白衣を手に取った。

 こんなところを見られたら、俺も彼らと同じ廚二病として見られてしまう。それだけは避けたい。でも、白衣カッコいい。

 色々な種類の瓶を見たり、触ったり、持ち上げたりしていたらあっという間に30分が立とうとしていた。俺はあわてて、買うかどうか迷っていたカッコいい瓶を購入した。理科室に置いてあるような、薬品瓶だ。それから、例の店の前に向かった。

 鳥羽はもうそこにいて、何やら細長い袋を抱えて携帯をいじっている。

「おう、ごめん遅くなって」

「ヘヴン殿がいないでござる」

「またか?電話すればいいじゃん」

 先程のトイレ事件の後、俺たちはそれぞれ携帯の番号を交換していた。

「出ないでござる」

「そっか、またトイレじゃねーの?それか別の店行っちゃったんだろ。しばらく待ってようぜ」

「そうでござるな……」

「つーか、お前何買ったの?」

「竹ひごでござる」

「え?なんで?工作でもするの?」

「違うでござるよ。修行に使おうと思っているのでござる」

「へえー」

 しばらく待っていても、ヘヴンさんは現れないどころか電話すらならなかった。俺も心配になって電話をかけてみる。

「あれ!?」

「どうしたでござるか?」

「なんか、電源切れてるみたいだ」

 携帯からは、無機質な女性の声のアナウンスが流れ続けていた。

 電源が切れたのだろうか。こんなとこで離ればなれになってしまっては、再開は難しいだろう。ヘヴンさんの荷物はまだ俺の家に置いてあるし、そもそも彼女は俺の家の場所もうろ覚えで帰って来れない可能性もある。それに、ストーカーの事も少し頭によぎった。

 わざわざ仙台から神奈川まで追ってきた酔狂な奴だ。そこから東京都内まで追ってきてもおかしくないだろう。

 色々な事が一瞬のうちに駆け巡り、一気に心配になってきた。

 通話を切り、鳥羽を見上げる。鳥羽も同じような気持ちなのだろう。

 俺たちはヘヴンさんを探して、彼女が見ていた店を一軒一軒覗いていった。それでも見つからず、彼女が行きそうなところも探しまわったが成果は得られなかった。その間、連絡も一切なかった。

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