表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

810/818

698.公爵邸の秘密の部屋 ***SIDE侍女長

 夫フランクが合図を送る。奥様の描いた絵は……なんと表現すればいいのか。すごく、不思議な絵ばかり。見えている世界が違うのかと心配になるほど、特徴のある色使いや線を描きます。


 以前の猫の絵画も独特でした。あの絵は旦那様が大切に保管していますが、今回も保管していただいたほうが良さそうです。若様も不思議な絵を描かれますので、奥様の絵はお好きなようでした。お嬢様は初めてご覧になるので、戸惑うかもしれません。


「奥様、仕上げはこちらで承ります」


 絵の得意な侍女がいる。子爵家の令嬢で、休みの日も絵を描いて過ごす。彼女なら綺麗に仕上げるでしょう。頭の中で段取りをつけた。さすがに休日返上は気の毒なので、仕事の時間を使って描いてもらった。柔らかな印象の色を使い、子供用にふんわりした絵に仕上がった。


「ご苦労様。特別報酬が出ますからね」


「本当ですか?! 新しい筆を買いたいです」


 数日後の休みに街へ出るというので、彼女には明日支払いましょう。特別報酬は、様々な使用人がもらっている。先日も庭師のティムやハンスに与えられた。


 離れの庭を野菜の畑に変えると聞いて驚いたけれど、若様達の教育の一環なら問題ありませんね。当日のお菓子に加え、報酬を出しました。普段の仕事以上に働けば、それは金銭という対価で報われる。この仕組みを考えたのも、奥様です。


 本来は公爵邸に勤めること自体、名誉なのですから。報酬額も他の貴族家より高額で、けれど王宮で働くほどの知識や技術がない。家を継げない貴族の子女が求める最高の職場でした。私も伯爵家出身ですが、嫡子ではないのでケンプフェルト公爵家に勤めています。


 家令となったフランクと結ばれ、敷地内に家も頂いて。坊ちゃまの乳母も務めた頃が懐かしいですね。


 絵の具が乾いた紙芝居の絵の裏に、物語を写していく。公爵夫人の代筆を務めることもある侍女長の仕事です。綺麗に丁寧に、模写してペンを置きました。


「こちらの絵は、旦那様にお伺いして……あの部屋にしまうとしよう」


 フランクの言葉に、そうねと頷いた。奥様の描かれた絵は、一枚たりとも捨ててはならない。旦那様の厳命で、専用の収蔵部屋が用意されました。それぞれに日付と何の絵かの解説がついた絵は、高級な額に入れて飾られています。お気に入りの猫の絵は小さかったこともあり、仕事場にあるとか。


 旦那様の執務室に……あの猫の絵が……! 仕事仲間の方々は、褒めるのでしょうか。それとも見なかった振り? もしかして、うっかり貶して左遷されたら気の毒です。今度、坊ちゃま……ではなかった旦那様に聞いておきましょう。


 奥様の直筆絵画を抱え、私とフランクは滅多に人が通らない屋敷の奥へ向かいました。忘れないよう、鍵をしっかりと握って。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
作者様は奥様の絵画ネタをかなりコスられておりますが、 シュールレアリスムや印象派も最初は理解者が少なかったと存じます。 いつかは いつかはねー!www (百年くらい … ププッ )
奥方は画伯であった。 …とか語り継がれんの? キッツ…ww
これが後世に語り継ぐことになる『ケンプフェルト公爵邸七不思議』のひとつに数えられることになるのだろう……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ