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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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694.ふかふかの土と泥がべったり

 イモ類と根菜は隣の花壇に植えた。というのも、深く耕す必要があるんですって。前日まで丁寧にザルで石を取り、ふかふかに仕上げてもらった。人参や大根は、育つ先で石に当たると二股に育ったりするのよ。確かテレビで観たわ。


 踊るように足をくねらせた色っぽい大根、真ん中に石を抱えた根性人参も。あれはあれで面白いけれど、できれば綺麗な形に育てたい。ティムが畑の担当に聞いた話では、曲がる野菜は栄養バランスが偏ることがあるとか。片方に栄養が届きにくくなる可能性はあるわ。


 実際の味は同じだと思うけれど……。わざわざ専門家の意見に反論する理由もないわね。


「ジャガイモか」


 ヘンリック様はしばらく眺め、そっとラルフへ手渡した。植える役を任せるのね。できれば言葉も添えてほしいと思ったら、きちんと話して聞かせていた。


「これを植えてくれ。レオンは芋の場所を示す棒立てだ。ローズは次に種を蒔くぞ」


 食べるジャガイモとそっくりな種芋は、灰に塗されている。作ってもらった溝に丁寧に並べ、植えた場所がわかるように棒を立てた。ジャガイモを並べる係をラルフが行い、綺麗に並べられる。上から土をかけるのがヘンリック様で、見ていたレオンが棒を立てていく。


 大人の指先から手首ほどの長さの棒は、木ではなく竹だった。私の親指より少し太いくらいで、竹としては細い。


「おいも……」


「真上に刺すと、芋に穴が開くぞ」


 ヘンリック様のアドバイスで、芋の隣に棒が立てられた。柔らかな土の上だから歩きにくいようで、三人とも足首まで土で汚れている。洗濯する係が私だったら、悲鳴を上げちゃいそう。こうやって汚して遊んで、楽しんで……子供は元気に育ってほしいわ。


「できた!」


 嬉しそうに両手を上げて、終わったと示すレオンが顔を手で擦った。鼻の下あたりと頬……土がついてしまう。それをラルフが拭おうとして、ハンカチを摘まんだ。ひらりと土の上に落ちる。ティムが水をあげた土は泥に近くて……。


 くすくすと笑い、私が立ち上がった。ここは母親の出番でしょう? リリーに用意してもらった水桶で濡らした綿布で拭いていく。レオンもラルフもヘンリック様も。皆揃って汚れた手を洗い始めた。


 珍しく、ヘンリック様も頬骨のあたりに泥がついていたの。どうやら垂れた汗を拭おうと指背で擦ったのね。ラルフだって顎の下に泥がべっとり。こちらも汗を拭いたのかしらね。


「あたちも」


 拭いてと訴えるローズだけど、拭くところがないわ。特に汚れていない。でも仲間外れはよくないから、濡れた綿布でさっと鼻の頭を拭いた。


「きれぇ?」


「ええ、とっても可愛いわ」


 あとは根菜の種まきね。

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