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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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692.九九を丸暗記すると天才扱いよ

 午後はお勉強の時間を設けた。苗を教材にして、どこにいくつ植えるか。数える授業に、レオンは両手の指を使って参加した。ラルフもまだ手で数えているのね。


 この世界では因数分解や三角関数は見かけない。専門家の間では使われるのかもしれないけれど、貴族であっても足し算引き算が出来れば問題なかった。だから成人前は手で数える程度らしい。お父様にその話を聞いたとき、うちは違ったじゃないと反論した。


 あの時聞いたのは、私が九九(くく)(そら)んじていたこと。耳で聞いて覚えたユリアーナやユリアンは、そっくり九九を丸暗記した。当然、エルヴィンも同じ。領主としての仕事を覚え始めた今になって、その計算力に管理人のオスヴィンさんは驚いたとか。


「九九の歌があったような……」


 うろ覚えなので、普通に教えたほうが良さそう。間違えて覚えたら直すのが大変だもの。呟いた私に、ユリアーナが口を開いた。


「いんいちがいち、いんにんがに……のやつ?」


「そうよ。あれは計算の数式を覚えるものなの」


 正確には数式でもないけれど、掛け算はこの世界では数式扱いだった。普段の生活でそれ以上の計算が求められることは少ないわ。割り算も二桁が出来れば足りる。


 懐かしいと頬を緩めるユリアーナの言葉が不思議だったのか、同行したリリーが首を傾げた。


「奥様、ユリアーナ様。今の呪文は何でしょうか」


「ああ、呪文に聞こえるのね。あれは計算用の……九九という……なんて表現したらいいかしら」


 呪文もあながち間違いではない気がしてきたわ。計算用と聞いて、興味が湧いたようなので、後日、九九の表を渡す約束をした。そうよ、表を作って覚えさせればいいんだわ! 前世でもよく壁に貼ってあったもの。あと、ローマ字も壁に貼って見ながら覚えたっけ。


 雑談に興じる間に、レオン達は数え終えたらしい。トマトの苗が両手で十本、きゅうりの苗が片手で五本、茄子が七本と南瓜が二本。それからジャガイモは半分に割って灰を塗したものが八個、サツマイモも茎状態で一束……たぶん六本くらい。


 大量の苗は、根元を固めてあった。小さな鉢から抜いた形、そのままなのね。麻の袋に入れて運ばれた苗は元気そうで、一時的にまとめて土に降ろされた。きちんと植え直すのは後日、ヘンリック様が休みの日にしましょう。


 一緒にやらないと、きっと拗ねてしまうわ。数える授業ではラルフが満点、レオンは一つだけ外した。サツマイモを一本と数えたの。束になっているから間違いではない気がする。満点をあげて、こういう数え方もあると伝えた。


「ぼく、もっとじょうじゅになる」


 上手に数えられるよう、先生に教えてもらいましょうね。でも今日はまず、お昼寝の時間よ。立ち上がって土を払い、そのまま離れの客室でお昼寝させた。

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