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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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677.子供を褒めるテクニック

 春祭りの相談、お菓子の塔の自慢、それからお菓子の家作りキットの話ね。指折り数えて、忘れないように頭に刻んだ。話が広がるとつい忘れちゃうのよ。事前にユリアーナと情報共有も忘れない。特に春祭りに関しては、家族も呼んで盛り上がりたいの。


「お姉様はいつも新しいことを考えているのよね。どうなってるのかしら?」


「普通よ。突然思いつくの」


 ふふっと笑って疑問を流す。追及されて前世の話をしても、理解できないでしょう? まあ、時々変なことを言い出す人で納得してもらうほうが早いわ。


 椅子に座ったローズは、足をぶらぶらと揺らす。大人用の椅子に、特別なクッションを乗せて座っていた。子供用の補助椅子みたいに、高さ調整しているの。だから足を揺らすと、大人の座面を蹴飛ばした。


「ローズ、お姫様は足が揺れないのよ」


「……しょーなの?」


「ええ、そうなの」


 レオンの時と同じだ。言いにくい発音を正しながら、何度も言い聞かせる。毎回繰り返すことで、自然と耳から入った言葉に直っていくわ。外国語を習うときに、何度も耳から聞いて覚えるのと同じ。ローズは「ふーん」と言いながら足を止めた。


 イヤイヤ期に「足を揺らすのは行儀が悪い」とか「揺らしてはダメよ」と叱る口調を使えば、ローズは反発するでしょうね。レオンが何もなく過ごしたので、ローズの「やっ!」が微笑ましい。レオンも思いっきりやればよかったのに……と思うくらい。


 自分でできることが増えて、思い通りにならなくて、でもやりたくて。私だけの育児ならうんざりすることも、分担して対応したら可愛く思える。母親が大変でも、祖父母が甘やかすのはこれに近いのかも。ある意味、他人事なのよ。


「待たせてすまない」


「いいえ、お仕事お疲れさまでした。食事の前に、こちらを見てくださいな。この焼き菓子はラルフとレオン、こちらはローズと私が作りましたの。この中央のケーキは料理人に手伝ってもらいました」


 案内するときに名を呼ぶと、レオン達が背筋を伸ばす。ローズは嬉しそうに笑った。子供達の期待の眼差しを受けて、ヘンリック様が「すごいな、立派だ」と褒める。でも褒られ足りないようで、レオンはまだ言葉を待っていた。


 困った顔で私に救いを求めるから、唇の動きで伝える。どこがすごいか、具体的に。それと作ったときの話を聞いてあげて。少し長すぎたかしら? 事前にアドバイスしておけばよかったわ。


「この焼き菓子の形が綺麗だ。レオンが作ったのか? どんな風にしたのか、教えてくれ」


「僕が、お父様に? うん、あのね。こういう形のでぐいっとして、ぽんっとするの」


 両手で型抜きを伝えながら、押した際の動きを再現する。ぱっと離す所作で、ヘンリック様が「知らなかったぞ」と驚いてみせる。そんなテクニック、どこで……ベルントが意味ありげに微笑むので、理解した。たぶん、職場の育児の先輩達ね? 仕事では部下でも、育児慣れしている方が多いから。

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