652.華やかすぎるお茶会メンバー
朝食を終えたら、レオンとラルフはお勉強の時間よ。ラルフに教育係がついたら、レオンも一緒に参加しているの。隣で聞くだけで、あまり意味は分からないけれど楽しいと笑っていた。来年から本格的に教師がつくから、練習になるかもしれないわ。
ローズは猫の部屋へ突進し、泣きながら戻ってきた。サビーネの尻尾を掴もうとして怒られ、母猫アイのパンチを食らったんですって。付き添いの侍女の説明に、申し訳ないけれど大笑いしてしまった。自業自得だから、仕方ないわね。アイも爪を立てずに叱ってくれたみたい。
落ち着いたところで、侍女同伴の散歩に送り出した。最近、ディの情緒教育の一環で日向ぼっこを取り入れたの。ローズも一緒に行くと騒いでいたから、侍女を多めにつけた。ヘンリック様のお見送りは私一人かしら?
「あたちも!」
走って来るローズは、大好きなお父様のお見送りをするみたい。ならばと手を繋ごうとしたら「やっ!」が始まった。イヤイヤ期って長いのよね。親のメンタルが崩壊する直前くらいで、ようやく終わるのよ。まだ始まったばかり、一年は我慢しましょう。
この辺の情報はヘンリック様にも共有したほうがよさそう。きっと知らないわ。職場の方々が教えてくれたらいいけれど、男性はご存じない方のほうが多いでしょう。
「いってらっしゃいませ、あなた」
「早めに帰る。行ってくる」
名残惜しそうね。休日明けはいつもそう。気持ちは理解できるので、笑顔で手を振った。
手の高さは肩の位置、高くても耳のあたりまで。それより高く手を持ち上げるのは、淑女らしくない所作なの。袖がめくれて腕が見えるから、が理由らしい。肩や耳の位置まで上げても見えるのに、と思ったら、そっと左手を添えて袖を押さえるのよ。
優雅に見送ったら、すぐに自室へ戻る。マルレーネ様に次の予定を決めて頂き、今度こそ合わせないと。それとお茶会を予定している旨も添えて、温室でのお茶会のお客様も決める必要があるわ。王太后のマルレーネ様とルイーゼ様。そろそろ落ち着いただろうから、王妃になられたフィーネ様も……母君のティルビッツ侯爵夫人もお呼びしましょう。
バルシュミューデ公爵夫人ユーリア様、リースフェルト公爵夫人パウリーネ様。オイゲンのお母様でティール侯爵夫人のハンナ様。あら、意外とたくさんいるわね。そこで思い出した。
ユリアーナの友人ヴェンデルガルト嬢も忘れてはいけないわ。温室の広さを考えながら、席順を思い浮かべる。ベッティーナ夫人もお誘いしたら……あら? もしかして、王宮の華を全員お呼びしたら問題になるかも。あとでヘンリック様に確認ね。
お茶会のお誘いは後回しにして、マルレーネ様への手紙だけに留めた。




