表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

751/808

639.朝から騒がしい廊下

 朝一番に、マルレーネ様から手紙が届いた。正式な文書ではなく、私的な手紙の形を取ったのね。気遣っていただいて有難いわ。


 目覚めた私はヘンリック様と分かれ、自室で手紙を開く。今日の予定を延期したこと、家族の健康を優先して構わないこと、それから気に病まないよう付け加えられていた。お優しい方だわ。延期した日付の記載がないから、こちらから連絡すればいいのね。


 先ほどまで一緒だったヘンリック様が、廊下に出たみたい。身支度が終わったのだと思うわ。二人で使う寝室の両側に自室、三つの部屋が内扉で繋がっている。下の部屋を使うと決めた時、家族用の客間を改装して使ったの。


 客間は二階にある部屋とは作りが違う。ある程度廊下の音が聞こえるよう作られていた。使用人が近づけばわかるし、誰かが呼びに来た場合も便利よ。何より、自分達が出歩くと外に音が響くとわからせる目的もあるらしい。フランクに聞いて驚いたわ。


 貴族の一部には手癖の悪い人もいて、過去に何度もトラブルが起きたそう。王宮内もそうだけれど、すべての貴族家で客間は音が聞こえる。誰かが入って来る懸念より、客が屋敷内を出歩くことを牽制するのが目的だった。


 手癖が悪いと表現しているけれど、暗殺なども含まれるとか。この国も殺伐としていた時期があるのね。歴史の勉強で荒れた過去は学んだけれど、お誘いを受けて泊った家の主人を狙うなんて。今のこの国では想像できなかった。


 とにかく、ヘンリック様が廊下に出たなら私も急がないと。リリーはローズの世話、レオン達はイルゼが面倒を見ているはず。マーサは明日復帰予定だわ。専属ではないけれど、この屋敷の侍女達はレベルが高い。髪を梳かしてゆったり結い、化粧を施してもらった。


 踝を隠すロングワンピースから明るいオレンジを選ぶ。ベルトに黒を選び、髪飾りを黒い真珠で揃えた。鏡の前でくるりと回り、全身を確認してお礼を言う。いつもの流れで、そのまま廊下に出た。


「お母様、おはよぉ」


「あら、おはよう。レオン……ラルフは?」


「あのね、あっち!」


 指さした先へ視線を向ければ、ランドルフが早足で近づいて来る。大きく足を踏み出すため、手を前後に振って……。


「ラルフ、急がなくていいわ。無理をしないで」


 屋敷内を走ってはいけない。ルールを守るのもいいけれど、足がもつれて転んだら危ないわ。そう思って声を掛けたのがいけなかったのね。速度を緩めようとして、足が引っ掛かったみたい。前に転んで、手をついて、ごろんと一回転した。


「あぶなっ……かったけど、凄いわね」


 途中で危険が消えたので、感心しながら呟く。


「らるふの、ぼくも、出来る!」


「前転のこと? レオンも前に出来ていたわ。後で見せてくれる?」


 出来ると言いながらその場で披露しそうになったので、そっと止めた。フランク達に見つかったら、叱られてしまうわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ