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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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617.ローズは魔のイヤイヤ期?

 翌朝、ヘンリック様はお酒の匂いがした。尋ねたら、昨夜は瓶を何本か空けたそうよ。ヘンリック様の体調は悪くないようで、仕事も予定通り行くと話している。だとしたら……心配するのはお父様のほうね。


 事前準備をしていないため、離れではなく本邸の客間に泊まっている。エルヴィンも同じだけれど、懐かしさから昼間は離れにいた。あの頃の荷物は自分達で運び出したから、家具くらいしか名残はないわ。でも窓からの景色や壁紙など、小さなことが思い出を刺激するのかも。


 レオンはランドルフと着替えを行うようになり、私の手を離れてしまった。成長は嬉しいのに、こういう部分は寂しく感じるわ。できたらずっと、手がかかる子供でいてくれたら……大変でも構わないのに。


 ローズの部屋を見に行けば、リボンが気に入らないと唇を尖らせていた。まだまだ甘える時期だけれど、最近はあれが嫌、これが嫌って……もしかして? イヤイヤ期に入ったのかしら! 近づけば、私を見て走ってきた。まだ結んでいない金髪がふわふわと風をはらむ。


「ぃやぁ! やっ」


 手にリボンの束を掴んで振り回す。どのリボンも全部嫌だと訴えた。これは間違いなさそう。二歳前後が多いけれど、ローズはかなり発育がいい。身体的な面より、性格や知育の方面が早いの。女の子は男の子より早熟だというけれど、この年齢では「早熟」とは表現しないわね。


「このリボンは?」


 私の髪に添えた淡いオレンジのリボンを解く。柔らかな薄い生地は半分ほど透けていて、オーガンジーのような雰囲気だった。化繊がないため、隙間を作りながらふんわり織った絹なのだけれど……。


「……ん」


 結んでいい。そう示すように背中を向けた。するすると落ちてしまいそうなオレンジのリボンを巻いて、両側の輪を均等にしながら結ぶ。よく確認してから「できたわよ」と告げた。


「……あんと」


 お礼はちゃんと言うのね。レオンの礼儀正しさを見て育ったから? ふふっと笑い「どういたしまして」と返した。すると、手に握ったリボンの束を無言で突き出す。小首を傾げた私に「ん!」と再び突き付ける。どうやら使えと言いたいみたい?


「ありがとう。これを借りるわ」


 黄色に近い山吹色のリボンを選んだ。先ほどのオレンジのリボンは、今日のミント色のワンピースに合わせた色なの。近い色ならおかしくないと思う。後ろに控えていたリリーに手渡し、結んでもらった。後頭部の中央付近でお団子にした髪を、ふわりとリボンが飾る。


「似たような色ね。お揃いみたいで嬉しいわ」


 何も言わないけれど、ローズは満足そう。食堂に向かおうと促せば、手を繋ぐのは嫌だと叫んだ。やっぱりイヤイヤ期ね。しばらくは大変よ……私ではなくて、ヘンリック様が。拒まれてしょげる姿が想像できて、ふふっと笑ってしまった。

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― 新着の感想 ―
レオンの成長がゆっくり始まりましたね(*´ω`*) アマーリア様ちょっと寂しいかな?でもそれはレオンがアマーリア様だけではなく他の人にも頼ったり甘えたりする事を素直に出来るようになって周囲の人達との…
子供の感性は面白いですなあ。お父さんさあてどうなるか(笑) ちょっと年上の知り合いお子さんがYouTubeキッズで、公園でブランコやシーソを遊ぶ大人動画をみて大爆笑。わからん、おじさんにはブランコこい…
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