47-2.(レオン)ちゃんとお兄ちゃんするよ
お父様の仕事のお部屋は、いつも人がたくさんいる。お父様の仕事を手伝う人達なんだ。ぶっか、と言うみたい。変な呼び方だな、名前じゃないんだよね?
お父様は扉をくぐる前に僕を抱っこした。頭をぶつけるから危ないの。そのまま抱っこで部屋の奥へ行き、お父様が椅子に座る。僕は膝の上だった。そうしたら、見つけたの!
「これ、ぼくの!」
「ああ、レオンが作ってくれた猫だ」
アイを真似て作ったんだよ。色も塗ろうとしたけど、まだなの。久しぶりに見た猫は白っぽく硬くなっていた。粘土はそういうものと教えてもらう。じゃあ仕方ないね。本物の猫みたいに、柔らかければいいのに。
「皆様にもどうぞ」
リリーが持ってきた籠を渡したら、中を見たぶっかの人が喜んでいる。良かった、お屋敷の料理はどれもすごく美味しい。食べた人が喜んでいたと伝えたら、料理する人も喜ぶと思う。お父様にそう話したら、偉いぞと撫でられた。
その後は隣の部屋でご飯を食べる。リリーも一緒に食べてとお願いして、座ってもらった。お屋敷ではできないけど、お外ならいいよね。お母様も「レオンのお願いを叶えて頂戴」と言ってくれた。お父様のお膝でご飯を食べる。昔みたいにお母様が「あーん」をしてくれないかな?
口を開けて待ってみたら、すぐに気づいた。
「あらあら、可愛い天使がいるわ」
お母様のあーんで食べて、お父様も口を開けて。リリーも? と思ったら、リリーは自分で食べた。お母様へは僕とお父様があーんをしたの。ろじぃがいると出来ないんだ。ろじぃが「あーん」される人だから。
食べ終わったらお茶を飲んで、廊下に出たらリリーは後ろで荷物を持つ人になった。他の人がいる場所では仕方ないんだって。お父様とお母様、両方の手を繋いで歩く。ときどき足の力を抜いてブランコしてもらった。
「重くなったわ」
「成長した証だ」
二人とも僕がブランコしても怒らない。嬉しいな。ぶらぶら揺れながら廊下を移動すると、避けた侍女さんが手を振った。手がふさがってるから笑顔だけね。いつも通る道を曲がって、温室についた。ここは雨が降らなくて温かい部屋だ。
うちにも作ったんだよ。中に入ったら、るぅとるぅのお母様がいた。いつもならラルフも一緒だけど、元のお家に帰っているの。お父様は仕事に戻ろうとしたけど、僕が嫌だと言ったら残った。本当は悪いことだと思う。でも今日だけ、いいでしょ?
「レオンが望むなら構わない。どうせなら一緒に帰るか」
嬉しいな。お父様が帰りも一緒で、お母様も独り占めだ。るぅとも遊べるし、すごく楽しい。でも……ときどき遊んでる手が止まるの。ろじぃは泣いてないかな? お母様いないし、お父様もこっちにいる。マーサがいても寂しいかも。
日が暮れるまで遊んだけど、ろじぃが気になってそわそわしちゃった。気づいたお母様が抱きよせて、僕はいつもより早く帰ることにする。るぅ、またね! 僕、お兄ちゃんだから帰る。
揺られる馬車の中でめいっぱい甘えて、お母様のお膝を独占した。お屋敷に着いたら、ちゃんとお兄ちゃんするよ。それまでお兄ちゃんを休んでもいいよね。




