48-1.(ルイーゼ)あたしもやりたいの
レオンが遊びに来た! 嬉しくてお母様の手を引っ張って急ぐ。少し前を歩くレオンを見つけて声を掛けようとしたのに、あたしは動けなくなった。
お父様とお母様に手を繋いでもらったレオンは、真ん中でぶらぶら揺れている。楽しそう、羨ましい。繋いだ手を辿ってお母様を見て、ぎゅっと唇を閉じた。絶対に言っちゃだめ! あたしは”ちゅくじょ”だから、我慢できるのよ。
理由はわからないけれど、お母様に言ってはいけないのはわかった。立ち止まったあたしに合わせ、お母様の足も止まる。待ってくれているから、歩かないと。
「おや、うちのお姫様はご機嫌斜めか? どれ、元王子様が手を貸そう。これでも国王様だから偉いんだぞ」
ぽんとあたしの頭に手を置いたのは、おぉ兄様だった。空いているあたしの手を取って、一緒に行こうと促す。だから、これはちょっとだけ悪い心が出たの。
「あれ、したい」
羨ましいとか、お父様がいないとか言わないから。あれをやりたいの。レオンと同じ遊びをして、あたしもしたのよと言いたいだけ。
「ああ、ブランコってやつか。前に公爵が自慢していたっけ。母上は大丈夫? ならやってごらん、ほら」
お母様とおぉ兄様が少し腕を持ち上げる。両手を挙げた状態で足を縮めた。少し位置が下がって、でも足が浮いて揺れる。
「まあ、ルイーゼも大きくなったのね。もう少し腕を上げないと、足が擦ってしまうわ」
お母様はくすくす笑って、ぐっと持ち上げる。反対側のおぉ兄様も同じで、さっきより高い位置で揺れた。楽しいし、嬉しい!
「あっ! 何それ。楽しそうだな。俺もやりたい」
ちぃ兄様が駆け寄って、交代するの? と首を傾げた。お母様に何か話して、私の足が床につく。すぐにお母様が手を離した。その手を今度はちぃ兄様が握る。
「俺だって出来るぞ。鍛えてるし、背も高くなったから!」
持ち上げてもらって、またブランコになる。おぉ兄様とちぃ兄様が頷いて、いっぱい揺らした。すごい! 声を上げて笑いながら、運ばれた。温室の前で待っていたレオンが「すごぉいね」と走って来る。おぉ兄様が「ほら、レオンが来たよ」と促した。
ちぃ兄様も笑って頷くから、お母様を振り返って手を振る。手を繋いで温室に入り、走り回った。今日はすごくいい日だわ。だって、おぉ兄様とちぃ兄様に遊んでもらえた。二人とも仕事があるからすぐ帰ったけれど、お母様はレオンのお母様やお父様と笑っている。
あたしね、お母様もお兄様達も大好き! レオンも好きで、嫌いな人はいない。皆があたしに優しくしてくれるから、あたしも優しくしたいわ。




