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呪いと復讐5
「お待たせしました、こちらビッグメロンソーダとワッフルです。別皿でキャラメルソースもおつけさせていただきますね」
「いやー!すみません。ありがとうございます」
父さんの感謝の下、僕も店員さんの気遣いに頭を下げた。
さて、注文した品が届くまで一言も話さずにいた僕らは、なにを話せば良いのか。
店員さんが去った後にこんな雰囲気。
僕は気を紛らすようメロンソーダを口にした。
「あ、なあ…夏樹」
「なに?」
尖っている。そして柔らかい。
そんな父さんの声に、尖るように返答した僕は一体何者だ。
「あのな、ひとつ聞きたいんだ…。お前が、いや、夏樹が今日、ここにきた理由を教えてくれないか?」
「そんなの、前から決まってたこと…?」
頭が廻る。いや、心が腫れてる。
父さんの顔を直視しているから?いや違う。
島のことも、あの街のことも、皆んなのことも。
繰り返すこの記憶はなんだ?
待ってくれ、僕はどうしてここに来た?
それを知っているのは確か僕だけで、僕だけだったはずで。
廻ってる。繰り返してる。記憶が書き換えられていく。
父さんの顔。母さんの顔。みんなの顔。
ただ今は、繰り返している。




