第40話
『レディィィィィスエェェェェェンドジェントルメェェェェン!!』
「うるっっさ!!」
コロシアムの入場口に丁度辿り着いたところで騒音が俺の鼓膜を刺激した。
つかマジでうっさい!
マイクのボリュームが大きいのか声がデカイのかどっちだ。
『さぁ、今年もやってきました! ミストレア学園恒例の学内ランキング戦!! みんな盛り上がってるかぁぁぁぁ!?』
──ウォォォォォォォ!!
謎の声に観客がこぞって叫びだす。
何なのこれ、ここって強大な宗教団体の本拠地なの?
あれか、教祖様はベルゴールでナルシスト教を説いているってか……。
ねぇな。
どちらかといえば今喋ってる奴が教祖だな。
『2、3年は去年の努力の成果を、1年生は自身の実力がどれほどのものか……試したくてウズウズしてるはずだ。それを今日思う存分発揮してくれ!!』
いい事言ってるんだけどな、声がデカすぎて台無しだよこれ。
『俺は今日のランキング戦の司会を任された3年のアジャス・ノックだ。みんな一緒に盛り上がろうぜぇぇぇぇっ!!!』
──イェェェェェェイ!!
オッケーわかった。シャウト教だな。大声で叫んで悟ろうっていうやつだな。
俺の所から離れているが、とりあえず教祖が黒髪のフツメンだってのはわかった。好感もてるわ~。
俺も入ろうかなシャウト教。
日頃からアイアムシャンパンボーイ!!って叫んでやろうかな。
いや、止めておこう。馬鹿みたいに見えるわ。
『さて……ではルール説明といこうか。ルールは至ってシンプル! 時間無制限、魔術、MWの使用あり。気絶、降参、またはダウンして10秒が経過しちまった時点で勝敗が決まる。尚殺しと降参した選手にトドメをさすのは原則として禁止されている! Do you understand?』
何故最後だけ流暢なんだ。
まあそれはいいとして、ルールはマジでシンプルだ。
要は殺したり負けが決まった後に追い打ちをかけたりしないかぎりは何をしてもいいってことだな。
つまりやりたい放題ですねわかります。
俺の得意分野だ。
『それではみんな早く試合が見たくてウズウズしてるだろう? 早速第一試合といこうかぁぁぁ!!』
どこまでもハイテンション司会者だが、それに合わせる観客もハイテンションだ。
「出番か」
特に何を思うこともなく、俺は自身の名前が呼ばれるのを待った。
『おっとー? 今年の一回戦はスゴイ! まるで二年前を連想させる組み合わせだ!!』
大げさなリアクションを見せる司会者。
それを聞いた観客がザワザワと騒ぎ始める。
『3年生は覚えているだろう……2年前、2人の1年生がいきなりNumber's昇格戦に現れたあの日の事を……。そしてTOP2へ加入したことを……そう、今年もそんな昇格戦が実現だぁぁぁぁ!!』
顔を見なくてもかなり司会者が興奮しているのがわかる。
「ってことはつまりランク上位にチャレンジ?」
「しかも1年生が!?」
「スゲーーー!!」
それに釣られるように観客も一気にヒートアップした。
これって俺のことだよね?
恥ずかしいわ~。
『早速入場してもらいましょう!まずは容姿端麗、頭脳明晰、そしてランク9位の実力者! キーーーース、ベルゴーーーーーール!!』
ベルゴールの名前が呼ばれた瞬間に大きな歓声がコロシアムに響いた。
大半は女であり、残りは恐らく1年生だろうな。
一応学園ランキング9位って実績があるからなー。
そんな中ベルゴールは観客に手を振りながら反対側の入り口から出てきた。
やっぱりキモいんですけどアイツ。
『そして今度は対戦相手の入場だ……』
お、今度は俺ですか。
どーしよっかな。ド派手に登場すべきかしら。
『おーーーっとぉぉ! これは前代未聞だ……。こんな対決は過去にも無かった、正に初めての対戦だ!』
「へ?」
何言ってんの?
『稀に設立されるあのEクラス、落ちこぼれクラスと言われているが、その実態はどうなんだ! そして今日、そのEクラスから上位ランクに挑戦だぁ! 1年E組、リオード・アンタレスゥゥゥ!!』
「んだ、その紹介はぁぁぁぁ!!」
しまった!!
思わずツッコミながら飛び出ししまった!!
「あいつか!!」
「バカだなぁ! 落ちこぼれクラスのくせにキースさんに挑むとか身の程をしれよ」
おいおい、何か言いたい放題されてるんだが。
「フフッ……いい気味じゃないか」
「あ?」
バカにしたように笑うベルゴール。その顔めっさ潰したい。
『これはまさかの対決となりました! リオード選手、これは私もバカとしか言いようがない!! 正にウサギとライオンの対決です!!』
「うっせぇよ!!」
まず、あの司会者から黙らせないとな。




