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バカと天才は"神"一重  作者: 抹茶
入学編
47/88

第39話



「貴様ら……。僕をバカにするのもいい加減しろよ……」


 おっと、ついに臨界点突破したかな。

 何か微妙に魔力発してるし。


「おいおい、試合前に何しようとしてんだ?」


 ミラの殺気を少し含ませた言葉。

 それによりベルゴールは苦虫を潰したような顔をして魔力を消した。


 ハッ……ザマァ!


「まあいい、後で後悔するといいよ」


 そんな捨て台詞を残してベルゴールはその場から去ろうとする。


「あ、ちょっと待て」


 ベルゴールが消えてしまう前に俺は呼び止める。


「何だい?」


 怒りが収まらない表情でこちらを振り向く。


「どーせなら何か賭けねえか? 負けた奴が勝った方の言うことを1つだけ聞くとかよ」


 そう言って挑発的な視線をベルゴールに向ける。


「おいリオード!!」


 後ろからシンの声が聞こえたがめんどいのでシカトしておく。


「君は本当に愚かだね。いいだろう。万が一この僕が負けるようなことがあれば何でも言うことを聞こう」


 最初は呆れたような顔で、しかし次の瞬間には満面の笑みを浮かべてそう言った。

 予想通り……負けることなど微塵にも思っていない奴は簡単にのってくれたよ。


「ちなみに君の要求は決まってるのかい?」


 そのニヤニヤ顔を歪めることです。


「まだ決めてねぇ。後で決めてもいいか?」


 正直なところ、具体的な事はまだ何も決めていないのでそういうことにしておく。


「構わないよ、僕が負けるなんてことはあり得ないからね。ちなみに僕の要求も後で決めてもいいかい?」


 白々しくそう言っていたが、アイツの視線が一瞬フィルに向けられたのを俺は見逃さなかった。


 だが俺は敢えて無言で頷いた。

 恐らくフィルも奴の視線には気づいていた筈だが何も言わなかった。


 しかし俺が着ている和服の裾をほんの刹那強く握ったのを感じた。


「フッ……試合が楽しみだよ。残された時間をみじめに過ごすといいさ」


 最後にそんな言葉を残し、ベルゴールは取り巻きの女達を連れて控え室から出て行った。

 俺はそれを何も言わずに見ていた。

 周りのみんなも同様に何も言葉を発しなかった。


 っつーか何アイツ、自分から悪役みたいな台詞吐いてたんだけど死ぬのかな。



 ◇



「あぁーウザいウザい! ウザすぎて痒くなったぞー!」


 ベルゴールが出て行った途端にリューネ先輩がそう叫びながら腕を掻いていた。


「それよりもリオード、あんな約束して良かったのか?」


 ミラは何を考えているのか読めない表情を浮かべて俺に尋ねた。


「そうだぜ! いくらなんでも無茶言い過ぎだ!!」

「そうだよ! 絶対ヤバイ事言われるよ!」


 シンとテトラの大声攻撃!

 リオードは耳がキーンとなった。


「大丈夫だ。実は作戦があってな」


 ニヤリ……という笑みを浮かべてそう言ってやった。


「へぇ、何か気になりますね」

「あぁ、俺もだ」


 グランの言葉に賛同するファウスト。しかし俺はただ笑うだけで何も言わなかった。


「そういやリオード、お前第一試合だからそろそろ始まるぜ?」

「は?」


 初耳なんですけど。


「そういや伝えてなかったな」


 テメェのせいかファウスト!

 何で第一試合にもってきたんだよ!抽選した奴明らかにおかしいだろ!


「面白そうだからな」


 ミラ、テメェもか!


「ってんなことしてる場合じゃねぇ! いってくらぁ!!」


 流石に遅刻はマズイだろうし。


「リオード! 無茶すんなよ!!」

「僕達は観客席で応援していますので」


 シンとグランにエールを送られる。


「ケガしないでね!」

「適当に頑張りなさい」

「しっかりな〜」


 心配そうなテトラと投げやり感満載のエレノア先輩とリューネ先輩。


「ぶっ飛ばしてこい」

「むしろ葬ってこい」


 ファウストとミラも……うん、こいつらダメだ。


「…………」


 無言で俺を見つめるリリー。


「あの? リリーさん?」


 何か言ってくれないと気まずいんだが。


「負けないで」


 小さく周りには聞こえないくらいだが、俺の耳にはハッキリと聞こえた。


「任せろ」


 笑いながら、親指を突き出して力強くそう言った。

 っしゃ、んじゃまあ行きます……


「おろ?」


 不意に感じた温もり。

 振り返ると俺の手をしっかりと握りながら笑っているフィルがいた。


「信じてますから」


 たったそれだけだが……いや、それだけだからこそ俺にはコイツの笑顔の意味がわかった。


「おう」


 俺も短く返事をし、フィルの頭を優しく撫でる。

 そして今度こそ前を向いて駆け出した。


「それじゃEクラスアイドル係代表、リオちゃん行ってきまーーす!!!」

「「「「「台無しじゃねえかっ!!!!」」」」」





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