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バカと天才は"神"一重  作者: 抹茶
入学編
33/88

第25話 


 ふいに飛んできたその言葉。

 一言だが、明らかに敵意というか嫌悪というか……負の感情を纏った言葉。

 俺はその方向へと顔を向ける。


 そこには5人の男子生徒が立っていた。

 襟に入っているのは紺のライン……ということは1年生か。

 5人が5人共イヤーな笑みを浮かべて立っている。


「何か用か?」


 1番近くにいたシンが箸を止めて尋ねる。

 俺や他のみんなも一応動きを止め、その集団に目を向けた。


「いや~食堂の席空いてねえからさ、お前ら譲ってくんない?」


 真ん中に立っていた金髪を逆立てた、リーダーらしき奴が道を尋ねるかのようにサラッと告げた。


「ハァ? いや、俺らまだ食ってるから……」


 明らかに嫌そうな顔をシンは浮かべる。


「おいおい、お前この人を誰だと思っている」


 今度はリーダー格の金髪男の隣にいた取り巻きが口を開く。


「あのスピンロッド財閥のご子息、リバル・スピンロッドさんだぞ!」


 えーっとスピンロッド財閥って確かフォルス大陸の中でも結構上位に入る家だったよな。

 つまり七光りですねわかります。


「そちらがスピンロッド財閥の跡取りとはいえ、僕達が退く理由は無いはずですが?」


 グランが最もな発言をする。


「うるせぇ! スピンロッドさんに逆らうってのか!?」

「そーだぞ! 一般市民のくせに!」


 今度は別の取り巻き2人が声を張り上げる。

 はあ……どこに行ってもこういう奴らいるよね。


 今、この国は昔と同じ政治の仕方をとっている……が、魔術という新しい力が発見された今では、魔術師としての力があれば大成しやすい世の中になっている。


 それは必ずしも吉と出ているわけではない。

 簡単に言うと、スピンロッド財閥なんかでいえば昔凄腕の魔術師がいた。

 権力が高くなり財産も増え有名な一族になる。

 ってな感じにな。


 つまり、 先代が残してくれた功績を勘違いのバカ子孫共がひけらかしてるってわけだ。

 権力者はそんなことをするためにいる訳じゃないんだがな。


「ふざけんなよ!! アンタらの親が偉いからってそういうのが許されるって道理にはならねぇだろっ!!」


 スピンロッドさん集団の横暴に我慢できなくなったシンが声を張り上げる。


 すると、今までニヤニヤ笑っていたスピンロッドだったが、シンの言葉を聞いた途端に顔から笑みが消えた。


「何だ、俺に逆らうのか? 落ちこぼれのEクラスのくせに」


 スピンロッドは俺達がEクラスであることを分かっているようで、歯向かえばどうなるかわかっているのか……そんな意味を含めて威圧的な言葉を投げ掛ける。


「逆らうも何もお前の言ってる事がおかしいんじゃねえのか?」

「全く同意見です」


 シンが立ち上がるとそれに続いてグランも立ち上がる。


「ち、ちょっとシンくん!」

「争い事は不味いですよ」


 テトラとフィルがそれを宥める。


「おや、貴女は確か学年首席のフィル・アンタレスさんではないですか」


 ここでようやく、フィルの存在に気づいたスピンロッド。


「何故貴女みたいな優秀な御方がこのような落ちこぼれ達と一緒に居るなんて……その才能が勿体ないですよ」


 明らかに俺達に向けられている態度とは違う。

 なるほど……コイツは実力者には媚を売るタイプだったか。

 とことんクソだなコイツは。


「別に……私は望んでこの方達と一緒におりますので」


 フィルは奴の言葉に顔をしかめながらもそう言った。


「そんな! こんな奴ら学校の恥さらしでは無いですか! 滅多に設けられない落ちこぼれのクラスにいるなんて……コイツらはクズですよ!」


 その言葉には流石に女子達もカチンと来たようだった。

 ベルさんからEクラスの意味を聞いているしな。


「今のは流石に聞き捨てならないかな」

「訂正しろ」


 温厚そうに見えるテトラですら怒っているのが見てわかる。

 リリーに至っては今にも飛びかかりそうだ。


「何だこの落ちこぼれ共が……」


 それでも尚落ちこぼれと言い続けるスピンロッド。

 既に一触即発な雰囲気。


「兄さん! 兄さんも何かおっしゃって下さい!」

「そうだぜ!」


 ご指名か。

 まあ俺も流石に聞いてて嫌だから何か言ってやるか。


「ふぉふぁえふぁいふぁいふぉふぃのへおおふぃんふぁな?」

「何呑気にメシ食ってんだオメーはぁぁぁぁぁぁ!!」


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