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三話『家と奴隷』

三話投稿させてもらいました。

俺はゴブリンの群れを討伐し終えたので街に戻り換金することにする。

当然ながら200体の時のゴブリンの腰布だけは回収した。

ナイフは壊れてたんや...ワイのせいじゃない...


冒険者ギルドに向かう前にアイテムポーチから持参した桶を取り出す。


魔法で桶に水を溜め、手作りした洗剤をこれでもかと投入する。

桶の中で適度に泡だてたら次にその中にゴブリンの腰布を全部入れる。


魔法で空中でやってもいいんだが流石に精神的に疲れているので桶の方が効率がいい。


腰布を全部入れたら次は両手首をくっつけて楕円になるように手を広げる。

そこから桶に入ってる洗剤入りの水の表面に手を当て指の先で渦を作り出し同じ回転方向に渦を回さず腰布がもみくちゃにされるように別の回転方向に無秩序な回転速度。

これによって1つ1つをわざわざもみ洗いせずに洗うことができる。

ついでとばかりに渦を作りながら熱魔法で水を温めてお湯で洗濯しておく。


これでもかともみくちゃにされている腰布はドンドン汚れが落ちていく。

1分も回せばまるでヘドロのような水を土の上に捨てる。

流石にこれをそのまま川に流すのは躊躇われるので自然のろ過装置に任せることにする。

どうせここで洗濯はしないだろうし。


残った腰布をみると汚れがひどく匂いもきつかった原因が全て取り除かれむしろ良い匂いがするほど綺麗になった。

計453枚


これは相当な金額になると考えてもいい。


爺さんから貰った白銀貨を含めれば俺は結構な金持ちじゃないだろうか。


これで当分は生活にも困らないだろう。

家の支度金の目途も立ったので一度冒険者ギルドで換金しに行く。


「シン様、今回の報酬になります。」


「ありがとうございます。」


案の定、受付の人にどれくらい貰ったかは口頭で伝えられないようになっている。

思わぬ大金を手に入れて新人冒険者が変な奴に絡まれないようにというギルドの配慮だ。


だが冒険者はそこでキチンと換金された値段を確認するのがもっとも適切な行動だろう。

信用第一のギルドだからってこちらが全て信用に値すると言うと違うからだ。

それにそれくらいの危機管理ができない程度の冒険者ならいずれ足元をすくわれるだけだ。


俺は布袋に入った今回の報酬、白銀貨1枚と金貨52枚に銀貨6枚を確認して受付の女性に「大丈夫だ。」と伝える。


流石の受付嬢も苦笑いでの対応だ。

そりゃそうだろう、なんせ冒険者になって1ヶ月程度のど素人が453枚ものゴブリンの腰布(洗濯済み)に240本のゴブリンダガー、オークの討伐証明を持って来たんだ。

驚かないのがむしろ不思議である。


「そう言えば冒険者の為に家を斡旋していると聞いたんですけれど。」


冒険者ギルドは国の紹介での空き家を冒険者との間に入り仲介をしている。

この街を気に入っている俺はこの街から少し離れたところぐらいにある家を探していた。


「しております。どういった家をお探しですか?」


「この街からギリギリ出ていないかつある程度離れている所がいい。」


「でしたら丁度いい場所がありますよ。こちらになります。」


受付嬢はそう言うと足元からおもむろに資料を取り出しページを開く。


「このあたりなら治安もよく、日当たりも良好です。欠点と言えば冒険者ギルドから遠いのと井戸が少々遠いところでしょうか。」


「ほう、だが高いんじゃないか?」


「いえ、ほとんどの冒険者の方は多少治安が悪くてもギルド周りに住居を構える方が多いのでむしろこの物件は安いのです。」


なんだその理由、駅の近くにあるマンションかよ。

まぁあながち間違ってないんだろうな。


「中を見れたりするのか?」


「可能ですが今からにいたしますか?」


今は昼を過ぎているがゴブリンの討伐などを朝の早いうちからやったおかげでまだ夕方に差し掛かる前だ。


「そうだな行けるか?」


「可能です。では案内を出しますので少々お待ちください。」


受付嬢は一礼した後、席を立ち後ろに下がった。

ほどなくして横から受付嬢さんと少しやせ気味の優しい笑みを浮かべている初老のおじさんがやってきた。


「ではお願いします。」


「分かりました。シン様、どうぞこちらへ。」


初老のおじさんに連れられ俺は目的の空き家に着く。


「ある程度の家具は揃っているんだな。」


「えぇこの家は貴族の娯楽で作られた別荘のようなものでしたが、先日、財政難や色々と問題を起こしていまして貴族階級をはく奪されてしまいまして、仕方なくこの家も売り払ったようです。」


「だから調度品や家具がそのままなのか。」


「本来は絵画などが掛けられていたのですがこの家を売り払う前に回収し他に売っていまたようです。ですが家具等は手つかずで置いていったようでそのままにしてあります。」


「なるほど。それでここはいくらなんだ?」


「金貨76枚でございます。」


中々高いな。

だがここは中々の好条件だろう。

値段も大きい割にはギルド周辺の手狭な部屋より少し値段が安いのだから相当な優良物件じゃないか?

だが今のこの立地からするとこれは売れ残るな。

なら・・・。


「少々高すぎる気がするのだが?」


「何分立地自体は元々大変よい場所に立てたようでして多少は高くなっております。」


「だがギルドからは少し距離があるな。」


「そうですね、確かに距離はありますね、では75枚でどうでしょう!」


実は歩くと40分ほどかかる距離にある。


「うむぅ、今現在の立地を考えるとなぁ・・・。」


「くっ!では74枚でどうでしょうか!」


金貨2枚もせびれば上出来だろう。

これ以上値引かせるとおじさんが可哀想だし。


「よし、買い取ろう。」


「ありがとうございます。」


「今日から住めたりできるのか?」


「可能でございます。」


基本的に荷物は全て収納魔法の中に入れている。

家具とか買っていないし丁度いいだろう。

あれだけ魔法の袋がロマンとか言っている奴が何を言うのかと思われただろうが流石に現実には敵わなかった。


これでようやく今一番の目的である家の購入を達成できた。


俺はその後、家具の買い出しに出ることにする。


日本で言えば都会、この街の一番の商店がいと呼ぶべき通りにきた。

そこでは色々な物が販売している。

リンゴのような食品、アジのような角の生えた大きな魚、日本の肉屋で売られてる肉より明らかに大きな肉など日本で売られているようで見たことがないものばかりだ。


勿論、その中には箪笥タンスなどの収容できる家具も売っている店もある。

俺はその中で箪笥と縦90cm程度の高さで前に扉が付いており中は縦に三段に分かれている。


その他、この世界では割とポピュラーな本棚を3つほど購入し。

あと、密閉性がある扉付きの棚も購入した。


何故3つ同じものをかと言うと本棚には1つ50冊ほど入る中々大きな物を購入したのだが現在、俺が持っている本は102冊。

たった1ヶ月程度でその本を全てを読破していると言うと答えはYESになる。

俺はこの世界では何も知らない人間だ。

情報収集を兼ねて本を買ったのが始まりだ。

そうして買ったのはベストセラーと大々的に販売していた本1冊、適当に取った1冊、最後は物語系でこちらの価値観で書かれた本1冊。

結果3冊購入し読んだのだがこれがまたおもしろかった。

ベストセラーと言われるだけあって1冊目は面白かった。

2冊目も適当に取ったものだったがこの世界の倫理観に疑問を持つドワーフの考察本と言うのかそう言う本でこれも中々面白かったのだ。

最後の3冊目も中々面白く、内容的には錬金術を極めたこちらの世界で言うファンタジーの話だった。

妙に元いた世界の様子を書かれているように見えてこちらの世界の魔法を織り交ぜているためまた違った面白さがあった。


元々本を読むのは好きだったので苦にもならずむしろガツガツ読んでいた。

換金の合間に、食事が運ばれてくる合間や食事中、寝る前30分だけの制限で読んだり、朝起きてすぐ。

時間があればずっと読んでいたらこれだけ読んでいた。

流石にこれからは読む回数を控えるようにしないとこのままのペースでは家が本だらけになってしまうからな。


この世界にはまだ中古本という概念がないのだ。

魔法による複写や増版などの技術があるのだがやはり一般人には手が出しにくい値段だからだ。


貴族などは趣味で集めるコレクターはいるが本によっては1冊銀貨20枚するものもある。

安くても銅貨25枚ほどから。


一般人は1日2食しか食べておらず食費も自給自足などで補うことが多いため1食銅貨20枚も使う事なんてめったにない。

そんな世界で一般人にさえ売れた最初に買った本は本当にベストセラーなんだろう。

というかそこまで買って読まれる本なのだからこの世界の価値観ならベストセラーどころではなくもはや歴史に残る事だろう。


そんな本を中古として販売するモノ好きもいないだろう。



俺はその後、真っすぐ家に帰ることにして通りをそのまま帰ると行きにも見た檻が並んでいる場所に着いた。

そこに何が売っているのかと言うと、人間である。

人間にドワーフ、エルフに竜人、他にも様々な人種が売られている。


所謂、奴隷商だ。


この世界には奴隷が存在する。

基本的に奴隷になる人は犯罪を犯した者、もしくは生活が困難になり親や子どもを売って金にされたものだ。

中には奴隷狩りと呼ばれる犯罪組織があり拉致などで女、子どもを攫い裏で売られた後、貴族共が飽きて表で売られた人達だ。

奴隷には魔法で奴隷紋と呼ばれる魔法陣を書きこまれあるじに逆らえないように罰を与えれる魔法がある。


この奴隷紋も特殊で自身の主にしか罰を与えられることができないようになっている。

この奴隷紋のおかげで奴隷を攫われる事はない。

連れていかれれば奴隷紋で殺せばいいからだ。

死んだ奴隷は商品にならないから連れ去っても金にならない。


奴隷は勿論安くはない。

相応の値段がする。

特に若い男は高い。

女は高いが男ほど高くない。


何故なら、若い男ほど力があり仕事をさせやすいからだ。

女は精々男の慰め物程度にしか貴族は考えていない故にそこまで高くない。

それに男は使えなくなれば売ればいいのでよく売れるのだ。

女は飽きれば貴族が経営する娼婦に落せばいい。

もしくはギャングや犯罪組織に奴隷紋を消して攫わせればいい。

そのあと犯罪者の慰め物にするなどの下種な行為をしている貴族も少なくない。


一応、奴隷の身分は最低限保たれている。

最低限の衣食住は主人が提供するのが義務なのだ。

これを守らなければ奴隷は国に取られそれ相応の罰を受ける。

しかも奴隷を買った人はみんな持っているギルドカードに書かれており世界中の国が貴族に対して、その国にいる冒険者など奴隷を所持している人に対して常に調査を行っている。


この調査の時だけ奴隷は紋章の制限を緩和される。

それを機に逃げようとする奴隷がたまにいるのだが当然緩和されただけなので罰を与えることが可能なのだ。


緩和されるといっても国にたいして主人からちゃんと衣食住を提供されているかを命令を無視して真実を話せるようにする程度だ。

もし真実を話して主人から報復があった場合、貴族なら爵位剥奪、多額な金銭の支払いなどの重い罪が科せられる。

そうなった場合所持している奴隷も売ることになるだろう。


冒険者などの場合は多額の金銭の支払いは変わらず、他は奴隷の強制取り上げ兼奴隷の解放。

つまり奴隷から一般人に解放される。

奴隷が嘘をついている事がないと言われればそれは主人の命令と一緒で不可能である。


まず奴隷紋で主人から真実を話せと命令させることができるからだ。

安易に嘘をはいて貴族の反感をかい殺された奴隷も少なくない。

各国もこれは了承している。


なので奴隷は真実を話しやすくかつ真実を話さなければならないようになっている。



奴隷商には魔物も売っている。

魔物にも奴隷紋を刻ませることができるが野生に近いものなので生まれた直後のような魔物を販売している。


孵化前の卵や生まれたての赤ん坊の魔物程度なら人間相手にも懐くからである。


だがそれは知性が少ない動物系の魔物ぐらいである。


この間あったドライアードなどは自身が魔物だと知っている者もいるので買われるのならそいつを殺して死んでやるというものが多い。

なので個人的に懐かれ独自探し出し契約して奴隷紋を刻むことがポピュラーである。


そう考えると魔物は知性が少なく生まれたての物を買うことが一般的だ。

ドライアードなどはそういった面では表では販売される事はない。


まぁ勿論裏では売られてたりする。

奴隷紋の拘束を最大限にして自傷行為すら許さず、貴族のコレクター魂を満たしたり、種族の美しさ故か慰め物にされたりする。



冒険者は信用できる仲間と組むのが一般的だ。

それ故に奴隷をパーティに入れる冒険者も多い。


「俺もそろそろ仲間をそろえないとなぁ。」


だが異世界転生した俺に信頼出来る友達はいない。

手っ取り早く仲間をそろえるなら奴隷を買うのが早いだろう。

何より裏切らないし、それに奴隷でハーレムもいいかもしれない。

だが日本に生まれ奴隷を買うなんて発想が出てこない世界で生きていたので多少は抵抗がある。


だが


俺は年頃の青年でかつ彼女いない歴=年齢なのだ。

当然、お盛んにもなるし、読んでいた本の中にはハーレムを形成する主人公物も結構読んでいたので憧れは勿論ある。


そんな俺はこの世界に来てから勿論抜く暇なんてなかった。

あぁ、はっきり言おう!溜まっているのさ!

何がとは言わないが溜まっているのだよ!


だが俺には娼館に行く勇気なんてあるわけもない。

それにこの世界の性病とか怖いし....


だがいざ奴隷を買ってその後直ぐに妊娠してしまって任務に出れないとかになると買う意味ないじゃんとか思ってしまう。


「私の店の商品は気に入ってもらえましたか?」


長い事、奴隷商の前で突っ立っていたせいで中から奴隷商人が出てきてしまった。

押し売り怖いんだけど...


「お客様は冒険者でいらっしゃるようですが、失礼ですがお仲間は?」


「俺一人だけど...」


「なんと!ソロでございますか!それは大変ではございませんか?」


「いやまぁ...」


「そうでしょう!そうでしょう!どうでしょうか!是非、奴隷の1人でも!」


「いや、そのぉ~」


「まぁまぁご遠慮なさらずに!どうぞこちらへ!」


俺はそのまま奴隷商に引きずられていった。


「冒険者様と言うことでまずはお名前を教えて貰えないでしょうか?」


「シンです。」


「え?貴方様が最近たった1ヵ月でブロンズ+に昇格なされたシン様ですか!」


なんか白々しいな。

まぁ商人なんて情報を調べてなんぼの職業である。

俺の事も全て知っていただろう。

ということは俺が店の前で立っていて声をかけてきたのか偶然じゃないなこれ。


「一度、お会いしてみたかったのです。ですが確信いたしました。シン様とはこれから長い付き合いになりそうでございます。」


なんか変な奴に目を付けられた気がする。


「まぁ立ち話もなんなのでお座りください。」


商人は俺にソファをすすめてきたので座らせてもらう。


「失礼いたします。」


そういって奥から綺麗と言うより可愛いという部類に入る女の子が紅茶を2つ持ってきた。

ただ身長と顔の幼さとは非対称的に胸がでかい。


「どうぞ、粗茶ですが。これでもベルが入れた紅茶は中々美味しいのです。どうですか?この子?」


「その子も奴隷なのか?」


「えぇ、勿論。給仕も売れ先が貴族様でもご満足いただけるようにと、ある程度の教育をウチはやらせてもらっています。そうそう!申し遅れました!私の名前はオルクと申します!今後ともよろしくお願いします。」


どうやらオルクによるとこの子も奴隷らしい。

だがこの子に戦闘をやらせるのはなぁ。

そう思いながら入れて貰った紅茶を口にする。

毒なんて入っていても今の俺には効かないし。


「この子は処女でございますので性奴隷としても病気の心配はございません。」


ブフッ!


思わず紅茶を吹いてしまった。


「ゴッホ!ゴホ!――――いきなり何を言うんだ!」


「いえ、奴隷を売るのですから真実を話すのが当然でございます。それにシン様はお若いようですし。男の奴隷なんて紹介されても要らないでしょう。」


なんでこの奴隷商人、俺の考えていたことが分かっているんだよ。


「ですが魔法使いなどの奴隷なども男ではございますがいらっしゃいますが。」


「確かに戦える奴がいいな。」


「そうですか、ではその男を連れてまいりましょうか?」


「男の近接戦闘ができる奴はいないのか?」


「それがお生憎なのですが今、この商館にはその魔法使い以外は女の奴隷しかいないものでして。」


「何故だ?」


「最近、城の周りの城壁を外に拡張する工事が増え始め、貴族を始め、力のある働き手の奴隷が多く売れるのです。」


そんな話は確かにちょくちょく小耳にはさんでたな。

ギルドの依頼でも国から任意で募集していたしな。


「この子はオススメですよ?処女ですから。」


「あんたはどこまで処女を押すんだよ!」


「処女は高く売れますので。」


「そうだろうが、今の俺には関係ないと思うのだが...」


「失礼します。オルク様、エカテリオ様から通信が入っております。」


どうやら通信魔法(電話のようなもの)がきたようで別の奴隷が入ってきた。

その入ってきた奴隷に対して一言しかなかった。


美しい。


まさにその言葉が似合うような綺麗な青く腰まで伸びた髪。

顔は小さく何処かの貴族のお嬢様と言われてもおかしくないような程整った顔。

胸は大きく腰は細い、お尻は小さくもなく大きくもない平均的なものだが綺麗な形をしている。

お尻から太もものラインもまるで女神が嫉妬するかのような綺麗な曲線を描いている。

身長は女性にしてはあり165cmくらいだ。


まぁ何を言いたいかと言うと。

どストライクです。


三話にしては中々早い段階で主人公は家を買いましたね。


まぁあれだけ金もってればねぇ?www


それではまだ次話で。

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