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プロローグ『よくあるご都合異世界転生』

作品二つ目の投稿です。

俺は、今、魔物化した熊と戦っています。

なぜ戦っているのかといわれると冒険者ギルドで依頼があったジャイアントビーと言われるデカい蜂が作る蜂蜜の採取に来ているだがこれは日本に居たときにとあるネズミの国の熊が好きだったようにこの世界の熊も蜂蜜が大好きだからだ。


そもそもここは日本ではなく異世界になります。

なんでそんな事がわかるのか、それは簡単だ。


日本にはない禍々しさ満載の森にさっき言ったデカい蜂。


普通の熊ではありえないサイズでなんと身体強化の魔法も使う熊などの動物たち。


耳の尖っていてゲームのように人間を見下すエルフ。


人間によって今でも差別がある獣と人間が混じった獣人。


日本ではまず見ないレンガ造りの家の密集地。


日本ではありえない国王がいる。


これだけで十分に異世界と認められるが一番の要因がある。


それは先ほど言ったが魔法がある。


この世界の魔法は詠唱などいらない。


全てイメージとそれに似合った魔力量のコントロールで魔法が使える。

だがそんなあやふやな物なので普通の人は詠唱を使い、ある程度のイメージの形を作り出すことによって魔法を使うのが一般的だそうだ。


そう言えば俺の自己紹介がまだだった。


俺はシン・ミシマ。

異世界転生をして早1か月のボッチ冒険者です。

なぜ異世界転生したのか説明したい所だが少し待ってほしい。


目の前にいる魔物化した熊を先にやってしまいたい。


熊は考え事している俺の事情も考えず襲ってくる。


左右の鋭く尖った爪を交互に振りかざしながら俺を殺そうとしてくるが、そんな攻撃でやられるほど俺も弱くはない。

攻撃を見切りつつ最小限の動きでかわしていく。


一撃も当らないことにイライラしているのかはたまた疲れてきただけなのかどんどん熊の呼吸が荒くなってきている。


やがて疲れたのか諦めたのか動きが止まる。

俺は少し距離をあけ一度体制をたて―――直さずに熊の懐に入り込み顎に向かって掌底をあてると『パァン!』と明らかに打撃した音ではない音が鳴り響き、熊はその一撃で脳震盪を起こし地面に倒れる。


仰向けに倒れた熊をうつ伏せにして俺は魔力を手に集め鋭いナイフをイメージしながら熊の体に止めの一撃としてサクッとうなじあたりの脊髄の骨と骨の間の関節部分を両断する。


そのあと熊を魔法の袋に入れる。

魔法の袋は入れるものに限界があるが大きさはその限界以内なら口を広げることも可能という便利な道具だ。

収納としては魔法で異空間に繋ぎその空間の中にものを収納したりもできるしその量に限界もない、そこそこの魔法使いなら使える便利な魔法がある。

勿論、俺も使えるのだが冒険者は魔法の巾着袋で旅をするイメージが強かったし折角来た異世界なのでそうゆう小さなことも試してみたかった。


それではなぜ俺が異世界に転生したのかを説明していこう。

それは1カ月前の話。


現在15歳の俺は最近ゲームに飽きて来ていたのだがふと魔法が使えるゲームをやってみたくなり魔法の種類が豊富で登録無料のゲームをネットで探していた。

なぜゲームに飽きてきていたのに突然ゲームがやりたくなったかというのはなぜかそんな気分になったからだ。

あるよねそんな気分になるとき。

まぁとりあえず探していると妙な広告を見つけた。

『異世界に転生してみませんか?』

という何とも奇妙な広告を見つけたのだ。

普通は怪しすぎて誰もクリックして広告を広げたりしないだろう。

だが俺は普段、学校ではボッチで外にも遊びに行かないし、家に居てもずっと自分の部屋に引きこもってパソコンを毎日カチカチやっているつまらなく退屈で世界的にみると幸せで不幸な毎日。

親には一応学校言ってそこそこの成績を残しているせいか部屋に引きこもっていても何も言ってこない。

飯だけが毎日部屋の前に置かれているだけ。

親は嫌いではないが話すことなんて何もないのに顔を合わすなんて無駄なことしたくないと思っていた。


そんな退屈な生活の俺にPCのウイルス程度怖くもなんともなかった。

別にPCの中に重要な情報が入っているわけでもなく住所なんていつも適当書いている。

未成年だからクレジットカードの番号も打ったことないし名前なんてマトモに登録で書いたことなんてない。

唯一怖いとすれば繋いでる家の特定ぐらいだがこんな家を特定したところで一銭の徳にもならないだろう。

架空請求なんて無視すればいいしアカウント乗っ取りなんざやり尽したゲームに未練なんてない。


そんな俺は半分興味本位で半分ウイルスが入ったときの面倒な作業への期待を胸に広告をクリックすると画面にはよくあるゲームが始まる前のページに飛んだのだがそのゲームのタイトルらしき文字が一文字もない。

真っ白な画面にど真ん中にデカデカと水色の楕円形の中にゲームスタートの文字があるだけ。

もしかしてこのゲームスタートがこのゲームのタイトルなのか?と思ったりもしたがクリックしてみると案の定ただのスタートアイコンだった。

すぐに注意事項として契約内容に同意しますか?の文字が出てくるが契約内容は三つしかなく。

『異世界で死んだ場合、責任はとれません。』と

『一度、ゲームを始めると、この世界に二度と戻ってこれません。』と

『この世界では魔法や多数の人種に魔物がいるなど残酷であり夢の世界です。苦手な方はブラウザを閉じてください。』

の三つだけなのだ。


普通ならば第一条ウンタラカンタラみたいな細かな契約の内容が書かれており読むのが億劫になるような内容がほとんどのはずなのだがと思ったが一番の疑問は。

『一度、ゲームを始めると、この世界に二度と帰ってこれません。』という内容だ。

帰ってこれないって何だ?中毒者にでもなるのか?

恋人も友達もいない親さえ何も言ってこない俺としてはこの世界に未練なんてこれぽっちもないのだが帰ってこれないといわれると少々不安になる。

それでも一度ここまで来てしまうと何故か戻れないプライドのような意地のようなものが俺の心を支配していた。


俺はその本能と呼べるようなその感覚に身を任せてマウスを同意するのマークに合わせてクリックした。


すると突然画面が俺の目を潰すかのように輝きだし思わず目をつむってしまう。

その時、前から心地よい風と森林の中にいるような木と草の香りが俺の鼻をくすぐった。


やがて光が落ち着き始めるがある程度の光量で止まる。

それ以上は暗くならないので仕方なく目を慣らすためにゆっくりと薄くあけていくとそこはだだっ広い高原に後ろには颯爽と茂る木々があり正にこれが森といわんばかりに口を開いている。


「どこだここ?」


世界広しといえどこんな光景は中々ないだろうし、そもそも俺は家の自室にいたはずなのだ。

ふと身体に違和感があるので見てみると服装は部屋着にしていたジャージなのだがその上にまるでアニメやゲームでつけるような革の胸当てに革の手甲、そして履いた覚えのない革のブーツを履いていた。


いつの間にこんなまるで冒険者のような装備を付けたのだろうか。


それに腰に違和感があり手を伸ばしてみると包丁の柄のような硬い感触に触れた。

腰から抜けるようで引き抜き目の前に取り出してみるとそれは本物の刃渡り20cm程度のナイフでだった。


「ウソだろ?こんな刃物、俺の腰に装備した覚えなんてないぞ?」


まさかアニメやそのアニメの中のゲームのように自分のステータスでも確認できるのだろうか。


俺はアニメで見た手を動かしてメニューを確認していたのを思い出しそれと同じような動きをしてみる。


だが案の定そこに近未来のように目の前に画面が突然出てくることはなかった。

それ以外に音声認識なのかと考え「ステータス表示」と唱えたり「メニュー」と唱えたりもしてみたが何の反応も示さない。


何かないかとポケットの中を探ると一枚のプラスチックのような感触と丸い金属の感触があった。

「ギルドカード?」

カードの一番上に大きく文字が書かれているのだが俺の知っている文字でこんな文字は見たことないのだが何故か読める気がして思わず声に出して読んでしまったがおそらく間違いないだろう。

大きな文字の下には小さな文字で俺の名前が書かれているようだった。


なぜこんなものが?

それに俺のポケットにはもう一つというか複数の金と銀、それに銅の色をしたコインがそれぞれ5枚ずつポケットに入っていた。

感触と色合いから見てほぼ金と銀と銅で間違いないだろう。

俺の部屋には一辺3cm四方の金属をある程度の種類を持っておりその中に勿論、金銀銅も含まれている。他にもどこから仕入れてきたのか白金のブロックも同じ大きさで持っていた。

3年ほど前に親父が「高かったんだぞ?まぁ譲ってもらったんだけどな。」とか言って俺にくれた。

というか誰から貰ったのかとそんなものを貰える人といつどこで知り合いになったのか聞きたかった。

金額はどの程度か聞きたくもなかったから聞かなかったが大体ネットの知識で想像ついてしまう。

白金の1㎤で21.45g、俺が持っていたサイズが3×3×3の27㎤なので単純計算で27×21.45で579.15g。

こんな簡単な計算ででるのかは忘れてしまったが約600g。

単純にほかの金属の塊と比べて持っても重さが全然違うし金より明らかに重いのがわかる。

知っている限りでは一番わかりやすい本物と偽物との識別の仕方だろう。

だが約600gの白金、値段はどうなるだろう。相場の大体の平均が約1g4500円ということは、


600×4500に単純に計算してみると270万円になる。


本当にこんなものを誰から貰ったのだろうか...


ともかく、他にも鉄やなんかよくわからない金属や合金の塊を部屋に並べていたしそれがくすまないように小まめに綺麗な布で磨いていたので質感や重さはある程度はわかる。

勿論、素人判断なので信用はできないが参考程度にはなるだろう。

それに目の前にある三種類のコインは恐らくこの世界のお金に値するだろう。

それもアニメ、ゲーム知識になるだろうが間違いではないだろう。


とにかくここでずっと立っていても仕方ないのでとりあえず町に行くことを決め森とは反対の方向に歩くことにした。


そこからはとんとん拍子だった。

少し歩くとすぐ町が見え、小走り気味に入っていき、まずは町の人間から情報を入手していった。

そうするとこの世界はやはり俺のいた世界とは違うようだ。

まずこの町の景観が明らかに俺の知っている町並みではないし、日本語も喋っていない。

(だが何故かその言語を理解できるし俺も同じ言語で返せるという異世界転生主人公補正が俺にかかっているようだった。これはラッキー。)


日本と同じで町や国には名前があるが世界自体に名前は無いようだ。


そして今いるこの町はニーベルという国のシェパードという犬が大量にいそうな名前の町だ。

ちなみにこの世界の犬に個体差はあれど種類は無いようだ。


そしてこの世界ではPC画面で見たゲーム内容の通り魔法があり、色々な人種がいるようだ。

俺は冒険者ギルドと呼ばれる建物にいき俺のギルドカードを登録してもらった。


そのカードはとても不思議で落とすことは絶対にないらしい。

そういう風にできているらしい。

原理は魔法だそうだ。

その魔法だが持ち主の魔力が登録されておりその人しか起動できないそうだ。

それに例え他の人が使おうとしてもそれが各国にあるこのカードを発行している商業ギルドに通達が入り、盗難、もしくは不正がされていることがこの世界の全ての人間に伝えられる準備が整っている。

不正されていた場合、その人物がいる国で逮捕後、死刑。

盗難の場合、カードの特殊魔法で持ち主のもとに戻りその盗難者の魔力を特定し全世界で指名手配。

逮捕後、死刑だそうだ。


なぜにそんなに罪が重いのかというとまずカード自体が銀行などの口座代わりになるし本人の証明書代わりにもなる。

中には個人の情報、まぁ名前と主にどこで活動しているかなどの情報程度だが入っている。


そんな情報の塊に犯罪を働くのだ、各国としては曖昧な判決はできない。

それゆえに誰もその気を起こさせない為に一番重い死刑にすることに決まっているのだ。


まぁ普通に生きていればカードに不正を行うようなことはしないし、まずする気も起きないだろう。


そこからが大変だった。

毎日、動物や魔物を狩っては素材を売ったり依頼を達成したりして報酬を手に入れるまでは良いんだが宿とその日の食事だけで銀貨1枚近く飛んでいくのだ。

それになにぶん初めての狩りだ。

生きるために殺すのはいいのだが中々つかまらない。

うまく狩れても吐いたりしてたが多少は慣れた。

ちなみに魔物は基本的に動物のように逃げずに襲ってくる。


その過程でわかったのだがこの世界の通貨は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨とありそれぞれ100枚で次のグレードにあがる。

つまり一日銀貨1枚使っているということは一日銅貨100枚使っているのと同等ということだ。

りんご1個で銅貨1~3枚ぐらいの値段。

一回の食事で銅貨10~20枚ほど飛んでいく、宿で銅貨30枚。

一日の成果がどう頑張っても銀貨1枚と銅貨10枚。

これは由々しき事態だ、何かしらの対策を練る必要があると思い、まずは動物や魔物の狩りの効率化を図ることにする。


ここから俺の才能が開花した。


この世界には魔法がある。

それを使えるようになれば狩りも効率よくなるかと思い、まずは他の魔法使いの狩りの様子を見ることにする。


剣士らしきイケメン男が1人、魔法使いらしき美人が1人、シーカと呼ばれる前衛援護職らしき男勝りそうな女性が1人、無茶苦茶デカイハンマーを担いだ男性にしては背が低いが筋肉隆々が1人と男性2人に女性2人、計4人のバランスのよいパーティーがあったのでこっそりと後ろをつけさせてもらうことにする。


追跡するのは魔法使いらしき女性が魔法を使う際どんな風に使うのかを見たいためだった。

そしてその瞬間はすぐにやってきた。


追跡していたパーティーの前にゴブリンの大群が現れて襲い掛かっていた。

剣士は手持ちの剣でバッタバッタとゴブリンの首を一撃で落としていくのだが見た目だけでも20体ほどいるゴブリン相手には打ち漏らしが出てくる。


打ち漏らしたゴブリンは後衛の魔法使いの美人に突っ込んでいったり、首を落とされた仲間を足がかりに剣士やシーカに追撃の攻撃を加えている。

というかその追撃してきたゴブリンも難なく首ちょんぱしてるところを見ると相当な使い手だと認識する。

そのとき、魔法使いの方から声が聞こえてきた。


『熱をもちて球となれ!ファイヤーボール!』


その瞬間、彼女の手のひらの上には赤く燃え上がる火の球が人の顔サイズくらいの大きさで浮かんでいた。


これが魔法か!


詠唱を聞いたのでこれを使えば俺も魔法が使えるのだろうと画策し襲われているパーティーを無視して俺はその場を去った。

どうせあのパーティーは無事に帰ってくるだろう。

見つかる前に俺は撤退するのが吉だろう。

それに俺なんて助っ人にすらならないほど強いしな。


そうと決まれば俺は少し前に見つけた森の少し開けた綺麗な湖がある場所に来た。

休憩する暇なんてない、とにかくさっき見た魔法を使ってみることにする。


『熱をもちて球となれ!ファイヤーボール!』


詠唱を唱えて見るが俺の手の平からは何も生まれない。


「あれ?さっきの魔法使いはこうやって火の玉だしてたよな。」


何かが足りないのか?

何が足りない?


魔法を使うときの定番は魔力だろう。

だがその魔力はどうやって使うんだ?


ラノベや漫画では目を閉じ集中して体の中や外側から魔力を感じ取りそれを操り魔法を使っていたはず。


俺はおもむろに目を閉じ集中し体の中や外の世界に全神経を尖らす。

すると何か俺の中にある何かが体を駆け巡り、外に漏れ出していく。

外にも同じようで違うその何かが俺の体に入ってきて俺の色に染まってく。


「これが魔力か。よし。」


俺は、おもむろに腕を前に伸ばし、手のひらを前に向け10mほど先にある木を狙う。


『熱をもちて球となれ!ファイヤーボール!』


その瞬間、先ほど見た魔法使いの火の玉と比べ物にならない大きさの火の玉が10m先にある木に向かって飛んでいき大きな音とともに木を跡形もなく燃やしつくした。


「さっき見た魔法と火力がまったく違う。」


さっきの彼女と何が違うのかわからなかったが大体予想はつく。


「魔力を使った量か。」

魔力を込めすぎたのか少し身体がだるい。

空気中から俺の体の中に魔力がものすごい勢いで入ってきて使った魔力がどんどん俺の色に染まりながら補給されていくが全然だるさが取れないし、失った分の補給が終わらない。


「ちょっと流石にきついな。」


恐らく魔力量をコントロールできなかったのだろう。

体中の魔力とは言わないが結構な量を持っていかれたようだ。


「これは魔力の操作を練習しないとダメだな。」


魔力の使い方はわかったんだ。

次は制御の練習だ。

これは毎日の練習になるだろうな。


とにかく魔法が使えるようになったのでよしとし、今日の分の狩りを終わらせるために走る。


狩りが終わりギルドで換金と成功報酬を受け取り、俺は宿に戻る前に本屋に立ち寄る。

この世界には紙を作る技術が発展しており日本にいた時の紙より質が落ちるが強度や作りは一回り下程度には技術があった。

その為かこの世界には本が娯楽としても資料としても安価で販売されている。


冒険者ギルドで魔法使いに関する資料が載っている本がないか聞いてみたところ冒険者御用達(ごようたし)の本屋があるからそこにおいてあるとのことだった。

本屋で魔法の使い方とわかりやすそうな入門編―というか入門編しかない―を買い宿に戻った。


早速中身を見てみる。


―――30分後―――


大体わかった。

内容としては単純で魔力の制御はやはり毎日行うほうがよさそうだ。

それと魔力には限界がありそれを補給するには時間を置くか魔法瓶と呼ばれるお湯が沸かせそうな名前のポーションの魔力回復版のやつがあるらしくそれをとることだけらしい。

魔力が枯渇すると動悸と息切れが枯渇するほどひどくなるらしい。

更年期障害かよ.......


だがここで俺はひとつ疑問を覚えた。

あの木を丸々1本吹き飛ばしたほどの魔力を使って確かに息切れはしたがすぐに回復した。

それに確かに魔力がなくなったのも体感してるのと同時に身体の外から入ってくるのがわかった。

どうやらこの本が真実なら俺は魔力の回復が早いんだろう。


翻訳能力が自動で備わっているんだから魔力回復上昇とかそんなのがついているんだろう。

あとはどうやら魔法は無詠唱でも打てるらしいがイメージが難しいらしい。

だからこの世界の人達は詠唱をしてイメージを重ねるそうだ。


そんな考察をしているとうつらうつらと瞼が落ちてきて俺は眠りについた。




朝起きて朝食を食べた俺は早速、無詠唱を練習するために昨日きた森の奥の湖がある場所にやってきた。

適当に間隔があいている木を見つけそこに昨日みた本の通りイメージを頭に描きながら魔力を手の平に流し込む。

イメージは昨日使ったファイヤーボールだ。


すると手の平から昨日みた極大のファイヤーボールが出てきて危うく打ち出されようとしていた。

それを手の平に漂わせるイメージをすると手の平の上にとどまっていた。


「あっぶね~、昨日の二の舞になるところだった。取りあえず打ち出さないよう制御ができたから次はっと。」


俺はいまだに流れ続け少しずつ大きくなっている火の玉に圧縮と魔力の供給を止めてみると、サイズが一度膨らむのがとまると次第に小さくなっていきつつ最初はゆらゆらと揺れていた炎がバーナーのように強く真っ直ぐに燃えるようになっていく。

次にイメージするのは科学の実験でもやった酸素の供給での火力の増大。

本来そこに燃料があって初めて燃えるのだがそこは魔法、ある程度のごまかしというか代用は効くようだ。

だがよくその炎を感じてみると周りから魔力がその炎にスルスル燃料を消化しているかのように吸収されている。

どうやら魔力を燃料に燃やしているが俺の魔力じゃなく外の魔力を吸い出しているようだ。

何でだ?俺の魔力はあくまで制御と着火材程度にとどまっているということだろうか。

まぁ今は兎に角魔法の制御だ。

魔力を使って圧縮し小さくなった火の玉に酸素をガンガン入れていくと、まるで真紅のように燃えていた炎が酸素を得ることによって青白くそして力強く燃えている。

ここまでくるとこの魔法はほぼ完成と言って良いだろう。


恐らくこの炎の温度は3000度を超えているだろう。

軽くガス溶接ができる温度の炎を扱ってもこちらに熱が来ないように風向きや熱風の向きも魔力で操作できるようなので俺自身は熱く感じない。


俺は炎を消し次の魔法に取り掛かる。

次は水、その次は風、電気、土といろいろ試した。


それで半月は過ぎた。


気がつけば本に書いてある魔法も難なくこなし、前の世界での知識を生かすチートを使いどんどん魔法も上達した。

補助魔法や回復魔法も使えるようになった。

専門の医学書を読んどいてよかったと今更ながら思う。


恐らく俺はこの世界では最強に近い魔法使いだろう。

本の知識が正しければの話だが。


なんせ本には最強と呼ばれる魔法使いが使ったとされる魔法も載っていた。

内容はシンプルでこんな魔法だったとしか書かれていない粗末なものだがわかりやすかった。


「その一撃で大地は更地と化し、多くいた凶悪な動物や魔物達が一瞬にして塵と化す。かの魔法使いでしか使えないであろう強力で強大な誰にも扱えない最強の魔法。」


だそうだ。

はっきり言ってしまえばこの程度ならチート知識を持ち、尚且つ魔力回復スピードが速い俺からすれば造作もない魔法だった。

まぁガスを圧縮しそれを爆発させ、その爆発を地面以外に拡散させるイメージをしてやれば勝手に発動しその空間を更地にし魔物たちを一掃した。


これで最強の魔法使いをも超える魔法を使えるようになった訳だが実際はわからない。

なんせこの本は初心者用の本。

最強の魔法使いの魔法が書かれていたとしてもそれは物語で魔法使いが目指すのはこの人物だと教えるための一種の御伽噺のようなものなのだ。

確かに登場人物は本物だが内容は半分本当、半分妄想の話を鵜呑みにするのもおかしな話なのだ。



前の作品も続けようと思っていますがしばらくはこちらで行こうかと思います。

まぁこちらも更新は遅いと思いますが。


※追跡したパーティを襲ったゴブリンのカズを20体にさせてもらいました。

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