やっぱり正直に話そう
結婚式の本番数日前に、打ち合わせがあることを式場の担当の人から聞く沙絵。
もうその時にバレてしまうぞ。
どうするどうする??
◯登場人物
沙絵 46歳
訪問介護の仕事をしている。
凰太 43歳
沙絵の彼氏 家電量販店で販売の仕事をしている
千沙 18歳
沙絵の娘 保育の専門学校に通う。
それからなんだかんだで式の打ち合わせの日になってしまった。
おーくんとの結婚式まで、あと六日。
「やばいやばいやばいやばいやばい〜!! どうしよぉ〜!!」
打ち合わせの日は仕事は休みだったからまだ朝はゆっくりできる。
「どしたのママ。仕事クビにでもなったの?」
いや、仕事クビになったらやばいどころじゃないでしょ。
「あ。ううん、仕事は大丈夫。チサうどんお代わりいる?」
「そんな食べたら太るでしょ! もう二玉で充分です〜」
二玉でも充分食べ過ぎな気がするんだけど。育ち盛りは過ぎた気はするんだけど、よく食べるよなチサ……
式の打ち合わせは15時からなので、お昼ご飯をおーくんと食べてから、それから神戸の式場に行くことにしていた。
「ねぇ、チサ〜。もしなんだけど、大切なものを無くしてどうやっても見つからない時って、チサならどうする?」
ダメ元でチサにも聞いてみる。
「ん〜、私なら大切なものは無くさないかな」
チサに聞いた私がバカだったわ……
「そうやね。うん、わかったよ……」
◇ ◇ ◇
神戸駅でおーくんと待ち合わせて、ハーバーランドの近くのモールでお昼を食べた。
お昼はトンカツ屋さんだった! トンカツ大好き! って言うとおーくんに軽蔑されちゃいそうなんだけども、私はまぁまぁトンカツが好きなのだ。
でも、確かおーくんもカツ丼は好きって言ってたような?
「トンカツ屋さんのトンカツって、なんでこんなに柔らかくて美味しいんやろ〜! 最高〜!」
美味しいものを食べてる時は、ホントに幸せ。それが大好きな人と一緒なら尚更幸せ。
「うんうん、それは俺も思うわ。お肉だったり、仕込みとかも違うんかな〜? さーちゃんたくさん食べやぁ、追加注文してもええよ」
いや、そんなに食べたらドレス入らなくなっちゃうでしょ。
「おーくんありがと。今日の打ち合わせって何をするんだろうね?」
「ん〜、もう支払いも終わってるし、式の後の会食もお願いしてるし、最終確認とか、本番の流れの説明ってくらいちゃうかな?」
あ、本番の流れ……
「あ、そ、そう言えば指輪の交換も練習するって言ってたかも……あ、あのね、おーくん」
私、やっぱりおーくんを前に嘘はつけないや……
「どうしたん、さーちゃん?」
おーくん、怒るだろうな……でも……
「ごめんっ、なかなか言えなくて! 結婚指輪をね……どこかに失くしてしまったの……」
言ってしまった……
でも、本番前にギリギリにわかるより、いつかは言わないといけないもんね。
私は怖くておーくんの顔を見れなかった。
「さーちゃん、大丈夫やで。下向いてんとこっち向きや」
おーくんは優しく言ってくれる。
「おーくん、怒ってないの……?」
「いや、びっくりはしてるけど……なんとなく、なんか隠してるなぁとは思ってたんよね。さーちゃんって隠し事できひんタイプやんか?」
なんとなくバレてた〜!!
「でも……どうしよう……?」
「うんうん、失くしたことはもう仕方ないし責めてもしゃーないやろ。一緒に探したらいいやんか。俺も協力するし」
おーくんはやっぱり優しい。私はまだ見つかってもないのに、なんだかホッとして泣きそうになってしまう。
「でも、今からは式の打ち合わせあるから、それ終わってからにする?」
「ん〜、今日は打ち合わせ終わったら夕方過ぎてしまうやろ。式の二日前に二人とも休みの日あったやん。その日の午前中からさーちゃん家に行くから、その日に探すことにせーへん?」
やっぱりおーくんはしっかりしてる。
勇気出して相談してみて良かった。
「おーくん……好きっ!!」
私はトンカツ屋さんだけど、おーくんに思い切り抱きついてしまった。
式の打ち合わせ前のトンカツ屋さんで、
沙絵は凰太に指輪を失くしたことを素直に打ち明ける。
指輪は今度の二人の休みの時に一緒に探すことになった。
見つかるかな……?




