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パーティメンバー全員に嫌われている様なので潔く脱退します  作者: 排水溝の忍者


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死闘の果て


戦撃の妖精(ヴァルキュリア)】side


【メーギビア】の街から旅立ち、私達が先ず最初に向かったのは【記念都市ファルン】だった。


【記念都市ファルン】とは遥か大昔に世界を救ったと言われる英雄が最初に訪れたと言われる街で、街の名前も英雄を準えて付け直された。


何故【ファルン】なのかと言うと【メーギビア】近辺で1番栄えているという事も有るが、この街にイフルールが懇意にしていた受付嬢がいるからである。


昔は【メーギビア】の冒険者ギルドで働いていたが、本部からの指示で移動となり現在は【ファルン】の冒険者ギルドで受付嬢をしている。


今となってはなぜ【メーギビア】の冒険者ギルドで何処の街で再登録されているか調べなかったのかと、そう思う。



〜【記念都市ファルン】〜



乗り合い馬車に揺られること1日半。溢れかえる人々を避けつつ目指すは冒険者ギルドだ。馬車の中でも私達はあんまり会話をしなかった。そういう空気でも気分でもなかったから。


「.....相変わらずの人の量ね」


「......そうだね、これは本当に参るよ」


「......はやく行きましょう このままだと息が詰まっちゃう」


口を開いてもお互い何故か気まづい雰囲気になってしまう。だけど会話せずには居られない、それ程に息苦しい人集りだ。私達は一直線に冒険者ギルドに向かった。



〜冒険者ギルド〜



「え?イフルール君ですか?ファルンには来ていませんけど?どうかされたんですか?」


妖艶で艶かしく美しい女性。胸元を大きく開け口元と胸元のホクロがセクシーな印象で紫がかった長髪を靡かせる受付嬢の名前は『ジュラネル』


「.....そうか、来ていないのか。」


「皆さん、どうしたんですか?元気ないですよ?」


「ジュラネルさんは相変わらず元気そうですね」


「ええ、私は何処にいても私ですからね。それでイフルール君がどうかされたんですか?」


私は包み隠さず本当の事を打ち明けた。


「......少し場所を変えましょう。休憩を頂いて来ますね」


そう言うとジュラネルさんはカウンターの奥に行きそのまま休憩を貰ってくれた。


そこから促されるままに冒険者ギルドにある応接室のひとつに案内された私達はジュラネルさんと向かい合い座っていた。


「それで、居なくなったイフルール君が私に会いにファルンに来ていると思って態々来たと....」


閉ざされた空間は先程より鮮明に声を響かせる。普段より数段低く、怖く聞こえるジュラネルさんの言葉一つ一つが耳に染みる。


「はい.....ですが検討違いだったようで」


「そのようですね。それに、私も今はじめて知りましたよイフルール君がメーギビアから出ていったなんて。」


ジュラネルさんは悔しそうに顔を顰めた。それはパーティを脱退した事よりも自分に何の連絡も無かった事への感情だった。


勿論、【戦擊の妖精】のメンバーに対して思う事が無い訳ではない。寧ろ本人達の口から聞いた事が事実なら許せない事だ。しかし、ジュラネルはイフルールから何の連絡も無いことに思ったよりもショックを受けた。


「......まだパーティを抜けて間もないんですよね?」


「え、あっはい。」


「イフルール君の事だから何処かの街で冒険者登録してると思うんですけどメーギビアで確認はしてますよね?」


「「「......あっ」」」


「え?」


完全に忘れていた。根っからの冒険者であるイフルールは必ずどこの街に行っても再登録すると分かったいた。なら再登録場所をメーギビアの冒険者ギルドで確認すれば済んだ話だったのに。


気が動転しすぎて そんな事も忘れていた。私達は今思い出したと言わんばかりに声を揃えて間抜けな声を出してしまう。


「.....再登録の確認を忘れるほど焦っていらしたんですね。少々お待ちください、確認して参ります。」


そう言うとジュラネルさんは一度席から離れ再び騒がしいく賑やかな広場へと姿を消した。応接室に残された私達3人の間にはそろそろ慣れ始めた沈黙が流れる。


はぁ...イフルール、早く会いたい。





〜イフルールside〜


「────────ん......っぐ!」


目を覚ますと日が暮れ夜の帳が降りかけていた。相変わらず全身に激痛が走るが寝る前よりは格段にマシだ。<自然治癒(ピュアーリング)>には感謝しかない。


痛みを我慢しながら身体を起こし周囲を見渡す。倒したモンスターの残骸が残っている事から眠っている間に他のモンスターに襲われてたりはしていないみたいだ。<安全(セーフティー)地帯(ポイント)>のお陰だろう。


死骸を主に好むモンスターもいると聞くし本当はこんな所で眠るのはリスクが高すぎるが、あの場合はしょうがない、どっちみち動けなかったし。


<収納袋(アイテムポーチ)>を取り出し傍に横たわるモンスターの首と胴体をしまう。死体のすぐ側で寝ていた為身体中が血塗れで酷い臭いだ。


「<自然治癒(ピュアーリング)><洗浄(クリーン)>」」


<自然治癒(ピュアーリング)>をかけ直し<洗浄(クリーン)>で身体を綺麗にする。魔力も殆ど回復していない為今はこの2つの魔法が限界だ。


ゴギャア!!ゴギャア!!

シュピィー!!!

オブルルルフッッ

シュピィー!!!

オブルルルフッッ


周囲からはモンスターの鳴き声が聞こえる。森林に入った時よりも荒々しく不気味なのは夜が近いせいだろう。本来なら日が落ちる前に森を出なければならいが、時既に遅し。


出来るだけ気配を消しつつ俺は静かに歩き始めた。何とか動くのがやっと、走ったり激しい動きは出来ない。


「やっぱりこの痛みには慣れないな。体も怠いし....ぐっ...いたた。それにしてもあのモンスターは一体何だったんだ?明らかに通常種じゃないよな。特殊個体....若しくは亜種か....」


死闘を繰り広げた見た事のないモンスターの事を考える。 冒険者ギルドで買取をお願いすればその時にでも分かるだろうが、ソロで活動を初めて最初のクエストでこのザマとは幸先が悪いと言える。


「兎に角 今は生きて帰ることだけを考えよう......」


痛みに耐えつつ息を潜めた俺は身体を労る様に慎重に『テレベア山脈』麓の森林を後にするのだった。


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