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いにしえの獣  作者: 明日香狂香
22/49

スジャーニ

 とら母親ははおや子供こどもそだてるため、父親ちちおやかおらない。しかし、サーカスだんまれた彼女かのじょにとって、両親りょうしんそろっているのが普通ふつうであった。まち城壁じょうへきそと公演こうえん準備じゅんびをしていたサーカスだんのテントを突如激とつじょはげしいかぜおそった。おおきなテントはバタバタとかぜにあおられいまにもびそうだった。団員達だんいんたちはテントをまもろうとまわっていた。動物達どうぶつたちおりもどされ、曲芸きょくげい団員だんいん動物使どうぶつつかいもピエロまでもが、テントにかかりっきりだった。そんななかわか団員だんいんとらおりかぎをかけわすれた。両親りょうしんまれてもないよちよちあるきのスジャーニをれておりそとへゆっくりとた。さいわだれ気付きづいていない。母親ははおやはスジャーニのくびをくわえるともりかって一目散いちもくさんはしった。

とらげた!」

 人間にんげんさけんでいた。

「ドン!」

 と、ひくおとうしろのほうでした。彼女達かのじょたちげおおせるように、父親ちちおや人間にんげんいていたいたのだ。さわぎをきつけてドタドタとやってきたふとった団長だんちょうおそかろうとしたとき団員だんいんじゅうかれむねつらぬいた。

 スジャーニにはわからなかったが、母親ははおやおと意味いみ理解りかいしていた。


 それから、しばらくはもりしげみみに母親ははおやかくれていた。捜索隊そうさくたい山狩やまがりがつづく。人間にんげんちかくにせまってくると朝早あさはや母親ははおやはスジャーニをいてかけた。しずむころとおくで

「ドン!」

 という、おぼえのあるおとがした。その母親ははおやかえってくることはかった。えにえながら何日なんにちしげみみにかくれていると、はなした茶色ちゃいろかたまりがやってきた。ヒクヒクうごはなよこには2ほんしろくてするどきばがあった。そいつはあかぼうのスジャーニをつけると

「ブゴー!」

 とはならしてんできた。スジャーニはげた。くさむらのなかちいさなスジャーニは全力ぜんりょくはしった。からだおおきなそいつはくさ邪魔じゃまはやはしれない。スジャーニはふかふかとしずみするくさうえとおった。直後ちょくごうしろでおもたいものがちるおとがした。

 かえると、あのおそろしいかたまり姿すがたしていた。


 スジャーニをっていたイノシシは人間にんげんわなちた。ふかふかのくさ人間にんげん仕掛しかけけたとしあなだった。からだかるいスジャーニはちることなくそのうえとおけられた。まちそとよるになると野犬やけんれがあつまってくる。われるようにスジャーニはまちなかはいっていった。とらたことのまち人々(ひとびと)は、しろ彼女かのじょ子猫こねこだとおもった。毎日まいにちミルクやにく欠片かけらなどをくれた。まち野良猫のらねこたちも彼女かのじょのことをねこだとしんじてなかよくしてくれた。

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