また見られてしまった
白雪さんのお願いは、まさかの…
「ギューして欲しいな」
だった。
‼︎
ギューしていいのか⁉︎
したいよ。
そりゃしたいけどさ…
でも…
「あのさ、白雪さん」
「あっ、ううん。いいの!なしなし‼︎ごめん。
今のなしで、、、イヤだよね…わたしとそ
んな事するの。ごめん、忘れて」
と白雪さんは、慌てた様子だった。
…
そんな白雪さんをみてオレは思わず、
ギュ〜っと白雪さんを優しく包み込んだ。
お腹を締め付けないように優しく。
あー、白雪さんのぬくもり。
こんな細いからだなのにお腹に赤ちゃんが
いるんだろ。
オレは白雪さんをずっとずっと包み込んで
いたいと心から思った。
「あのっ…、もう大丈夫。」
と白雪さんがオレから離れようとした。
でもオレは、
「オレがまだ離れたくない。ほんとうはずっ
と…」
と言いかけたとき、河野さんの声がした。
「なんだよ〜。ついにそういう事〜⁉︎おめで
とーー‼︎」
と。
…
河野さん。
そうか。
白雪さん側から河野さんが来ていたのがみ
えてたんだ。
だからさっきもう大丈夫って言ったのか…。
ごめん。
白雪さん…
オレは白雪さんのからだを気遣いながら、
そっと離れた。
「違うんだよ、河野さん!」
「いいからいいからぁ」
河野さんは、オレの話を全く聞いておらず
ニタニタとしていた。
…
河野さんにしてみたら、白雪さんはじゃま
なはずだよな。
彼氏の二股の相手なわけだし。
その相手が違う人とイチャイチャしてたら
そりゃ、なら早くそっちに行けよって思う
はずだよな。
あー…
なんでオレはこんなバイト先の近くでハグ
なんかしてしまったんだよー…
白雪さんを守るどころか、なんか余計な事
をしている気がする…。
河野さんは、この事彼氏に報告するかもし
れないよな…。
黙っててなんて言えるわけもないし。
そんな状況のなか、河野さんは笑顔でオレ
たちに手をフリフリして早々とバイトに向
かった。
二人きりになり、シーンとしたなかオレは
白雪さんに謝った。
「あの、ごめん」
「えっ、ううん。わたしからお願いしたんだ
もん。でも、わたしこそごめん」
「白雪さんは、悪くないよ」
「ううん…。じゃ、わたしもそろそろバイト
いくね」
「うん。」
…
気まずい空気のままお互いバイトへと向か
った。
続く。




