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天才になりたかった変人  作者: 立花悠真
始まりは順序悪く
13/15

ルール

あの後、2人でルールを決めた。


普通の恋愛はこんな事しないのは分かっているが、

今回は私の恋愛観を養う特訓でもあるので

2人で相談して考えてみた。


1.お互いの事を知ろうとする。


2.嫌な事は伝えて、解決する。


3.お互いに褒め合う。


4.出かける時は手を繋ぐ。


5.名前で呼び合う。


6.どちらかが辛くなったらやめる。


この6つの他にも、恋愛には細かい暗黙のルールが

数々あるらしく。

色々聞いたが、沢山のありすぎてあまり覚えていない。


そして問題は、他にも!




ーーーーーーーーーーーーーー

『付き合った次の日』




「要人ーーーー!あんた説明して貰うよ?」


物凄い勢いで私に駆け寄る巴。


「昨日あのまま帰ったから、聞きそびれたけど

今日登校してびっくりしたんだけど?」


「え??」


「え??って要人、何処に目付けてんの!?

廊下見ろ廊下!!3年生の先輩がこっち睨んでるんですけど?」


恐る恐る、廊下を見ると、見覚えるある3年生女子5人組が、私を睨んでいる。

あれは間違いなく、昨日保健室にいた女子軍団。


私が気づいた事を良いことに、ズカズカと教室に入り

私の机の前で止まる。


入学してすぐの部活の勧誘を思い出す。

確かあの時も5人だったな、などと呑気に考える余裕は

あるようで安心した。


「ねぇ、あなた立花さんよね?」


そう会話を始めた軍団Aさんは、

どうやら、噂で聞いていた香澄の親衛隊的な団体の

ボス様らしい。

そして、あの日保健室で那谷くんと読んでいた彼は

まさかの香澄の事だったらしい。


私はそこで初めて彼のフルネームを知る。

那谷ナタ 香澄カスミ何とも洒落たお名前だ事、

いかにもモテそう感を醸し出している。


「あなたと那谷くんが付き合ってるって噂が出てるんだけど、嘘よね?」


「嘘だと思うなら、嘘なのでは無いでしょうか?」


「何それ、生意気!まぁあんたみたいな奴が

那谷くんに好かれる訳も無いし、ましてや付き合うなんてありえない」


「…」


「ちょっと黙ってないで何とか言いなさいよ」


これが、俗に言うメンヘラ女子という物だろうか

昨日ちょうど香澄から習ったばかりだから、覚えている。

人を好きになると、過激になる人がいるらしい。

ただ、対処法までは教えてくれなかったことが今回のミスだ。


「話すと、あなたの理想と反対の結末になってしまいますが、発言してもよろしいですか?」


「何よそれ、意味わかんない」


「では、質問にお返事しましょう。私と」


「あーストップストップ」


間を割って入ったのは、巴だった。


「あの先輩?すみませんこの子ちょっと抜けてる所があって、意味わからない事たまに言い出すんです。」


アハハハハと苦笑いしながら

私の口を抑える巴。


「何それ気持ち悪いわね」


「そうなんですよ、気持ち悪いですよね。ですので噂を真に受ける方が勿体ないですよ。この子恋愛のれの字すら縁がないような子なので、あの那谷先輩となんてそんな…」


いつも、ヘラヘラ喋る巴の口から

饒舌に次々言葉が出てくる事にびっくりして。

自分が発言することを忘れてしまっている自分は

未だに口を抑えられ、今は喋るなという意味を理解する。


「そりゃそうでしょ、おかしいと思ったのよ、良かった噂で」


「誤解を招いてしまってすみません、以後気をつけさせますので」


「そうしてちょうだい」


そう言って、教室から出ていった軍団A。

どうやら嵐は去ったようだ。


「はー良かった」


「ありがとう」


「別にー、クラス全体が氷のように固まってたから。あと、詮索しないけど、こういうのはこれっきりにして!心臓が持たないわ!」


「うん」


この時思った、あ、こんな私でも巴と仲良く出来てるのは、巴のこういう所に救われてるからなんだな。

普段、恋愛話なんて大好物なのに私の事を考えて聞かないでいてくれる。


「あんた、行くとこあるんじゃない?」


「え?」


「次!英語」


「あ、そっか」


「相談する事はちゃんとしなさいよ!」


「ありがとう、行ってくる」


私は携帯片手に、保健室に走る!

なんで走ってるかと聞かれたら、何故かは分からないけど、何となく待ってくれてる気がした。


ガラガラ


保健室先生はおらず、ベッドが1つだけカーテンが閉まっている。

彼がいる確信があった。


カーテンを開けると、彼が寝ている。

寝顔も綺麗だ、名前も綺麗なら顔まで綺麗になるのだろうか?


近づいて見るが、起きる気配が無い。


「ねぇ」


声をかけながら、少し揺らして見るが、まだ起きない。


「ねぇってば」


「俺、ねぇって名前じゃない〜」


「起きてるんじゃん」


「起きてない、名前ねぇじゃないから起きてないよ〜」


「いや、起きてるんじゃん」


「名前で呼んで起こして」


「か、香澄さーん、おきてくださーい」


「何か違うけどまぁいいや〜」


昨日から名前を呼ぶことに、凄くしつこい彼だが

そんなに名前が好きなんだろうか?

確かに、こんなに綺麗な名前なら好きにもなるか。

羨ましい。


正直私は自分の名前が好きではない。

人々の要。

そんな、人の中心に居そうな人の名前が、付いていても

私は輪の中心にはなれないし

誰かの誇りにも成れない。名前負けとは正にこういうことなのだろう。


「んで、どうしたの〜?」


「あ、そうだった。ルールの追加を要求します!」


「別にいいけど、急にどうしたの?」


「えっとですね…」


なんて言えばいいんだろう。

ストレートに言うと傷つくかな?


「要人!ルール2!」


「嫌な事は伝えて、解決する」


「はい、どうぞ」


「今日、3年生の先輩がクラスに来てて、あの親衛隊?みたいな人達ね」


「うん、分かってた、俺のクラスに居なかったからね」


「それで、クラスで那谷くんと付き合ってるの?って聞かれたんだけど」


「うん」


「その時に、付き合ってるって返事する事に、違和感と言うか申し訳ない感?みたいなのがあって」


香澄は私の整理のつかない話を

真剣に時に頷きながら聞いていた。

何か口を挟むわけでもなく、全てに頷きながら

聞いていた。


そうして、2人で決めたもうひとつの追加ルール


7.付き合っている事を周りに公言しない。

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