謎のフード仮面の男の実力
謎の声「おいおいおい〜!投稿忘れてんじゃね〜のか〜?前回だけちゃんと投稿できたからって、調子に乗ってんじゃね〜ぞ!」
作者「…………(言い返せない)。……次回はちゃんと出来るように頑張ります。すみませんでした」
チワはトキヤ様を攻撃したと思われる2人組を睨みつけた。男と女は共に仮面をつけていたので、正体は分からなかった。だが、女の方は見たことがあった。
トキヤ様が、冒険者ランクが上がるたびに会っていた金髪仮面の女だ。おそらくは『バロン王国滅亡を望む会』の幹部クラスだろうとは考えてはいた。
そしておそらくあの男がボスだろう。なら、その隣にいると言うことは、右腕、秘書レベルのはずだ。男の方はマントから少し覗く素肌は黒色だ。……トキヤ様と同じで。チワはそう考えた。
「ふぅ、まさか君がここにいるとはね。しかも、僕の大事な駒たちをこんなにあっさりと……。まぁ、君に比べたら価値は月とスッポンだけど」
などと男の方が呟いた。最後の言葉は意味が分からなかったが、自分たちの部下をあんな風に侮辱するなんて!チワはそう怒った。そして、トキヤが無事かどうかを確認する。
砂埃が晴れる。そこには結構な傷を負ったトキヤ様が立っていた。血が流れていて、今すぐにでも、ルナさんの回復魔法を掛けてあげたかったが、トキヤ様自身の理性がないのと、あの2人組がそれをさせてくれるかどうかが分からなかったので動けなかった。
「へぇ、あの魔法を食らって生きているのか。やはり、計画はあと1段階まで迫っていたのか。良かった良かった」
などと男は呟いた。計画?組織の目的だろうか?そう言えば、トキヤ様の価値がなんとか言っていた。……トキヤ様は組織の計画の一部に利用されている⁉︎チワはそう考えた。
男はトキヤ様に近づいていく。トキヤ様には何もさせない!そう思って、チワの体はトキヤへと近づいていった。周りを見ると、ハズクさんたちも動き出していた。
「ふぅ、何?邪魔をするの?僕の邪魔をしないでくれないかな?何百年掛けたと思っているのさ?邪魔をするなら死んでくれよ」
仮面をつけた男がそう言った次の時には、私の意識は……私たちの意識は永遠に消えたのだった。
***
トキヤは自分を攻撃した男と女に対して、本能的に危険を感じていた。体はあちこちがボロボロになり、擦り傷などが無数にあり、血が流れ落ちている。
急いで無詠唱で回復魔法をかけた。だが、治りが遅すぎた。上級魔法である《聖水再生》を使っているにも関わらず、《水癒》並みにしか回復がしなかった。
「あぁ、悪いね。今、君に暴れられるのはこちらとしては望んではいないんだ。君には2つの魔法を秘密裏に放ったんだ。2つ目は呪い。傷の治りが遅くなる呪いを掛けさせてもらったよ。ちなみに1つ目は、君の体を治してあげたんだ。君の体は魔物化……完全な魔人に成りかけていたからね。……今の君には言っても分からないか?」
仮面の男はそう言った。確かにその通りだ。『狂化』のメリットとデメリット。強さを得る代わりに、代償を支払う。『狂化』を3回使った代償は意識もなく、ただ破壊と殺戮を繰り返す、完全な魔人となることだったのだ。
ちなみに、過去二回現れた魔人も、こうした理由によって生まれていた。そして、ヘプトが《魔素解析》で調べた魔素も、これによるものだった。ヘプトも見たことがなかったのだ。失われた無属性魔法と考えられただけ、マシな方だ。
だが、普段のトキヤなら雑多に聞き逃さない貴重な情報を、今のトキヤは全く聞かず、自分の傷を治している。
「ふぅ、ようやく最終段階の前まで来たんだ。そうだろ、ピクシス?」
仮面の男がそう言った。すると出てきたのは、バルトロールダンジョンにいた妖精のピクシスだ。
「うん、そうだね!でも、本当に良いのかい?トキヤは同じ日本人の中でも初めてだったんだろう?」
ピクシスは仮面の男に対してそう言う。
「構わない。一番大事なのはトキヤじゃない。僕の生贄となれるのだから、トキヤも感謝すべきだ。あぁ、興奮していて忘れていたけど、まだトキヤには生きてもらわなきゃ。おそらく聞いていないだろうけど、最後だから伝えておくよ。白殺虎と君のハクニーの正体は……ーーと……ーーだ」
仮面の男はトキヤに対してはそう言った。仮面の男は、トキヤを生贄として必要としている。そして、トキヤに対してもある程度の親しみも持っているのだ。だから、白殺虎とハクちゃんの正体も教えた。
そして、それを聞いたトキヤの動きが止まる。トキヤの意識はほとんど無いに等しかった。だが、その正体はそんなトキヤにすら動揺を与えるほどだったのだ。
トキヤは怒り狂い叫びながら、自分の傷を治すことも忘れて仮面の男へと飛びかかった。
「ボスっ!」
金髪仮面の女が叫ぶ。少なくともトキヤの動きを目で追えることは出来るレベルと言うことだ。
「はぁ、トキヤが確かに怒るのも無理はないな。僕でも怒るし。でも、自己中だろうと関係ない。僕の邪魔をしないでくれないか?……『狂戦士化』!」
仮面の男がそう叫んだ。その次の瞬間、仮面の男に向かって飛びかかったはずのトキヤは、逆に吹き飛ばされて地面に激突し、クレーターを作って倒れていた。
「おっと、少し加減を間違えたかな?死んではいないようだし問題はないな」
そう言った仮面の男の背中からは翼が生えていた。マントで隠れていてチワでは見えなかったのだ。そして、仮面の下の素顔の目もまた、赤くなっているのは確実だ。
「ボス、ご無事ですか?」
金髪仮面の女がボスと呼ばれた仮面の男にそう尋ねる。
「あぁ、全くの無傷だよ……なに?」
仮面の男へそう答えたが、次の瞬間、仮面の男の仮面にヒビが入った。急いでフードを被りなおしたが、その素顔を、トキヤはしっかりと眼に焼き付けた。そして、その行為を最後に力尽き、気を失った。
「……はぁ、まさか、ここまで強くなっているとは予想外だったよ。……ところでピクシス、お前はなにをしている?」
仮面の男はそう言って、トキヤに近づこうとしたピクシスに尋ねる。
「一応傷くらいは治してあげようと思ってね。ユ……じゃなくてハ……でもなくてボス。君の計画のための、大事な駒なんだろう?」
「……好きにしておけ」
「オッケー、ホイッと!」
ピクシスはそう言ってトキヤの外傷を治す。そう、外傷を治したのだ。
「ところでさっき殺した仲間たちは?トキヤも困ると思うけど?ついでに君の駒たちに白殺虎は?」
「別に構わない……いや、構わなくはないが、今はそこまで魔力を使う必要はない。必要なのはトキヤただ1人だけだ」
「オッケー。それじゃあもう帰ろうか」
ピクシスの言葉を最後に、仮面の男と金髪仮面の女とピクシスは消えた。そして最後に残ったのは、気を失ったトキヤ、溶けた肉塊となった綾羽と京佳、瀕死の白殺虎、肉片となったチワたちだけだった。
そこに一人……一匹の妖精が現れた。ピクシスだった。
「悪いねトキヤ。……ホイッと!……これでもう大丈夫だよ。君にはまだまだ別にやってもらいたいことがあるからね。そのためには、君の仲間も必要なんだ。それじゃあ……また会おうね」
ピクシスは魔法を1つ使って去っていった。そしてそこには、気を失ったトキヤ、無傷の綾羽と京佳、無傷の白殺虎、そして……無傷で生き返ったチワたちだけだった。
***
(あれ?ここどこだ?)
俺の目の前には真っ暗な闇が広がっていた。地平線すら見えない闇が。手足の感覚も無く、ただその意識だけがある感じだ。声も出せない。頭でしか考えることができない。
(確か俺は……『狂化』を使って……。それからが思い出せないな。ここはどこなんだ?俺はどうなっちまったんだ?)
そう考えてみる。おそらく現在、俺は『狂化』を使用している。そして俺の意識はここに深く閉じ込められているってことで良いんだと思う。
(ぐぁっ!なんだ、これ?頭に直接、外?の映像が!)
トキヤの頭の中には、丁度フード仮面の男が白殺虎とハクちゃんの正体を言った映像と音声が流れ込んできた。
(……ははっ……なんだよ、それ。それじゃあ、俺は一体何のために……。ぐぁっ!またっ!)
次に流れ込んできたのは、フード仮面の男の付けていた、仮面が割れた映像と音声だった。俺はその素顔を見た。
(……え?…………何でお前が?……いや、最初から少しおかしいとは思っていたんだ。……なんでなんだ?なんでお前なんだ?…………もう、良いや。こんな事って無いよ。……全部忘れたい。何もかも、全部)
トキヤの意識はそこで途切れた。
***
「う……ん?……」
(あれ?……生きている?……でも、確かに私は……あの仮面の男に殺されたはずじゃ……?)
私は周りを見渡してみる。私以外にもハズクさん、ルナさん、アレクさん、クラディスさん、マージュさん、アクシオスさん、ガルーダさん、グラシアさん、全員が無傷で生きて寝ている。
……あれ?三大最高幹部のアヤハとキョウカ、白殺虎までもが生き返っている。絶対に起こしてはいけません。先にアクシオスさんに睡眠魔法と拘束魔法をかけてもらいましょう。
「そうだっ!トキヤ様は?」
私は立ち上がり辺りを見渡す。覚えのないクレーターや地面へのダメージが増えている。……そのうちの1つにトキヤ様が倒れていた。
「トキヤ様!」
私はそう叫びながらトキヤ様の元へと向かった。トキヤ様の姿は元に戻っていた。そしてあちこちがボロボロに……なっていません。そうなっているのは服だけです。
胸元が大きく開き、少し割れた腹筋、最初見た時とは比べ物にならないほどの筋肉の数々、それでいて日焼けをほとんどしていない綺麗な肌……はっ!私は一体なにを考えていたのでしょう!変な煩悩を打ち消し、トキヤ様の脈を測る。
トクン……トクン……。
(聞こえるっ!生きているっ!トキヤ様は戻ってきている!)
私の目からは涙が溢れてきた。目の前のトキヤ様の顔があまり良く見えなくなった。急いでゴシゴシと擦ってトキヤ様の寝顔をよく見る。
ピクッ!
「トキヤ様っ!」
トキヤ様の指が少し動いた。私はトキヤ様の名前を呼びかける。そして、うっすらと目を開けて私を見る。徐々にその目が大きく開かれていき、私に一言だけ声をかけた。
「……君、誰?」
と。
面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。
あと、私のもう1つの連載作品の
『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』
も、是非読んで見てください。




