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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第五章〜組織の三代最高幹部編〜
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トキヤ(狂化状態)VS白殺虎

作者「はっはっはー!予定通り投稿できたぞ!」

謎の声「いや、当たり前だからな?」

作者「…………」


PV50000、ユニーク数7000突破です。総合評価180突破!ありがとうございます。



トキヤが綾羽と京佳を同時に相手をし、圧倒していた頃、アクシオス達とチワ達は合流していた。


アランやルナ達、無念にも戦闘不能になった者たちは、全員回復魔法で復活していた。そして、皆がその異様な光景を目の当たりにしていた。


(トキヤ様……どうか、死なないでください。私達を守るためとはいえ、あのようなお姿になってまで……私は、私が情けないです……。もっと、もっと強くないたいです!)


(あれがご主人様……以前にも、ハズクはあのご主人様に助けられた。なら、ハズクは何も迷う必要はありません。ご主人様はどうなろうともご主人様です)


(嘘っ!あれが……トキヤ?相手が無詠唱なのは分かるけど……本当にトキヤも使っているの?……たしかにあの実力なら……魔黒龍を倒したのも、納得がいく……かも?)


(なんなんだ?あれはなんなんだ?トキヤ君があんな風になって、私達でも苦戦する相手とその同等の力を持つ相手2人を同時に圧倒している。……私は夢でも見ているのか?)


(トキヤ、ヘプトがお前を気にしていて良かった。この事は、もし生きていたのなら相談はする。できる限り善処はするが、もしもの時は……いや、こんな考えはやめておこう。意味がない)


(トキヤさん……あれが、本当にトキヤさんなのですか?何もかもが、違いすぎて……分かりません。この心のもやはなんでしょうか?……足が震えている?……恐怖、なのでしょうか?)


(トキヤ……お前、本当はこんなに強かったのか。勝利数では勝っていたから大丈夫とか、そんな次元の話ではないな。……俺の負けだ。勝負も……恋も)


(ははっ、おいおいマジかよトキヤ。確かに俺はお前のことを認めてはいたけど、ここまでとはな。なんでお前みたいなのが、こんな世界にいるんだ?不思議でしょうがないぜ)


(エリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリーエリー……あれ?ここどこ?エリーは?)


(……クラディスがバカなことを考えてそう。そんな事よりも……トキヤの切り札やばすぎでしょ。あいつ1人でもう大丈夫なんじゃないの?……でも、トキヤの最後の言葉には、命の重みが感じられた。……どうなっちゃうんだろう?)


皆が皆、それぞれ思いを抱えながら、トキヤと綾羽、京佳の戦いを見ている。相手2人はトキヤを殺すつもりで攻撃している。だが、トキヤはそんな2人を圧倒している。そして、トキヤは2人を殺した。


「うそ……」


そんな声が誰かから溢れる。トキヤは仲間には非常に甘い。だが、敵には容赦などしない。だが、さすがに人殺しをするほどとは思っていなかった。


それに、2人は貴重な情報源だ。地味に頭のいいトキヤが2人を殺すことなど、誰一人として想像もしていなかったのだ。


「……トキヤ様は……私たちのために、2人を殺したんです。そうです、そうに違いありません」


「で、でもチワさん。トキヤなら、2人を殺すことなく無力化できたかも……しれないんじゃ?」


「いいえルナ。たとえ2人を無力化できたとしても、2人から情報を聞き出すことは不可能です。ネーム付きはミッションに失敗した瞬間、全身を焼かれて死ぬ呪いが掛かっていると、聞いたことがありますので」


チワとルナとハズクがそんな会話をする。


「……だが、トキヤ君が殺した2人は貴重な情報源だった。それが分からないトキヤ君では無いはずだ。あれは一体なんなのだ?ルナ、お前は何か知っているのだろう?教えてくれ」


アクシオスはルナにそう尋ねる。ルナは答えにくそうにして、チラリとチワを見た。ブンブンと首を横に振る。チワにとって、トキヤの情報を勝手に話すなど、絶対にしないからだ。


「まぁ、切り札の正体を簡単に教えるのは、冒険者としてはオススメしないな」


「そうね。自分の手札をわざわざ説明しろってのは、普通は無理な話だわ」


アレクとマージュがチワを擁護するように言う。


「……確かにあの力は強大だ。答えたくはないだろう。だが、もし答えなければ、国家反逆罪になる可能性すらあるぞ?」


ガルーダがそう言う。組織名が『バロン王国滅亡を望む会』なのだ。組織自体が国家反逆罪であり、その貴重な情報源を殺したトキヤもまた、色々あるが国家反逆罪となる可能性はある。


「……トキヤさんの事が大事なのは分かるのです。ですが、このままではチワさん、あなたもトキヤさんも捕まってしまうのです。トキヤさんはきっとそんな事、望まないと思うのですよ。お願いです」


グラシアがそう言う。性格が悪いのは分かりきっている。意識のないトキヤを人質に、自分を大切にするトキヤを拘束すると言うのだ。トキヤ様なら……きっと話す。そうチワは考えた。


「……分かりました。トキヤ様のあの力についーー」


チワの話は途中で打ち切られた。トキヤが白殺虎に飛びかかったからだ。白殺虎はトキヤの攻撃を避けようとするが、トキヤの攻撃が速すぎて避けきれない。


致命傷にはなっていない。だが、あのまま攻撃を受け続ければ、白殺虎は確実に死ぬだろう。だが、白殺虎は一切トキヤに攻撃はしなかった。


皆はその光景を見る。表面的な感じでは、誰もあまり驚きはしていない。だが、綾羽、京佳は自分よりは強いと分かってはいたが、白殺虎は違う。


獣魔皇は、小さい頃に親から聞かさせる物語の主役級の存在だ。それが、知り合いの手によって圧倒的なまでに叩きのめされているのだ。驚きと同様は先ほどと同じくらいにまであった。


グルァァァァァァァ!!!


トキヤは白殺虎を50回以上は攻撃している。だが、白殺虎は倒れない。一応言っておけば、魔黒龍は合計37発の攻撃で倒れた。


魔黒龍は上級石の剣レベルでしか傷のつかない鱗の鎧を身に纏っていた。だが、白殺虎にはそれがない。代わりに素早さがあるが、トキヤにはそれも通じない。


白殺虎は魔黒龍以上に攻撃に耐えているのだ。だが、白殺虎が我慢強いわけではない。もちろんそれもあるだろうが、魔黒龍の鱗以上には決してならない。


では何故、トキヤの攻撃をこれほど耐えているのかだが、理由としては、トキヤが弱いからが正解だ。無論、この世界の基準で言えば、間違いなくトップクラスだ。


だが、今回の弱いは基準が違う。比べたのは前回《狂化》を使用した際のトキヤだ。前回のトキヤと比べて、性能は7割がせいぜいだ。


何故そうなったのか?理由は簡単だ。狂化を発動するための原動力、つまり怒りや憎しみ、悲しみなどの負の感情が足りなかったからだ。


前回はハズクを殺された時の怒りを原動力とした。だが、今回は中立状態の組織の結構優しい幹部と、組織に操られた被害者とも扱える白殺虎。狂化するための原動力が少ないのも無理はなかったのだ。


グガァァァァァァァ!!!


突如、白殺虎が吠えた。ただの吠えではない。魔物が使う魔法……通称は魔術だ。名前を《犬吠(ハウンドボイス)》。白殺虎もさすがにきつくなってきたのだろう。その衝撃波によって、トキヤは立ち止まって、両手をクロスにして耐える。


白殺虎の《犬吠》が止むと同時に、トキヤは再び白殺虎へと向かっていく。そして攻撃を開始した。その後は圧倒的だった。白殺虎一番の特徴だった速度すら、前回より弱体化したトキヤには敵わないのだ。


白殺虎からは血が吹き出ている。その毛色は既に純白ではなく、半分以上が真っ赤になっていた。白殺虎の異名『白い悪魔』の面影は無かった。


そして、トキヤの一撃によって白殺虎が吹っ飛んだ。白殺虎は立ち上がろうとするが、それよりも先にトキヤが動く。おそらく、これが白殺虎への最期の一撃となる……はずだった。


「「「「「「「「トキヤ(様)(さん)(君)!」」」」」」」」

「ご主人様!」


チワたちがそう叫んだ。その直後、トキヤを最上級魔法が、次々と別方向から襲った。トキヤを襲うために使われた魔法は、以前にトキヤが魔黒龍に対して使った

地獄炎(ヘルフレア)》《水激流(ハイドロライジングストリーム)》の2つ。


そして《暴風斬刃(ストームエッジブレード)》《隕石落(メテオフォール)》《天光線(ヘブンズレーザー)

深淵影(アビスシャドウ)》の計6つだ。


《暴風斬刃》は、暴風レベルの風の竜巻を起こし、さらに真空の刃が全身を襲う魔法。魔黒龍の鱗も一撃で斬り裂き、肉を抉れることのできる威力だ。


《隕石落》は、1メートルほどの石を、はるか上空から地面に落とす魔法。クレーターができるのだが、大きさとしては直径100メートルは下らない。


《天光線》は、一歩間違えば失明するレベルの明るさと、1500度を超える熱量が同時に襲う魔法。地面も溶けて、まるで溶岩みたいになる。


《深淵影》は一切の光すらも吸収するほどの漆黒で、底知れない闇の密度の影が、その魔法の周りを全て飲み込む魔法だ。


それらがほぼ同時に発動し、トキヤ1人へと襲いかかった。だが、トキヤも負けてはいない。襲いかかった魔法と同じ魔法をぶつけて相殺しようとしたのだ。


トキヤの実力はトップクラスだ。それは間違いない、変わりようのない事実。だが、トップではない。そして運悪く、今回はそのトップの攻撃だった。


謎の最上級魔法とトキヤの最上級魔法がぶつかり合い、一瞬は互角に見えた。だが、トキヤの最上級魔法はすぐに押され始めた。そして、そのままトキヤを最上級魔法が直撃……はしなかったが、トキヤは手酷い傷を負ってしまった。


「ふぅ、まさか君がここにいるとはね。しかも、僕の大事な駒たちをこんなにあっさりと……。まぁ、君に比べたら価値は月とスッポンだけどね」


そう言って、黒いマントで身を隠した男の人と、その側に金髪の女の人が現れた。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』

も、是非読んで見てください。

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