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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第五章〜組織の三代最高幹部編〜
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トキヤ(狂化状態)の虐殺

謎の声「なぁ?お前、前も投稿忘れてなかったか?」

作者「すみません。忘れてました」

謎の声「俺に謝ればいいんじゃないよ。誰か他にいう事あるでしょ?」

作者「さて、現在夏休みでございますが、部活の休みが2日間しか無いので、むしろ通常よりも書く時間が短いです。定時更新できるように頑張っていきます。皆さんも熱中症などにはお気をつけください。経験済みの作者より」

謎の声「違うけどそう!定時更新できるようにもっと頑張れよ!お前の言いたい意味とは違うけどな!」


忘れてました。夏休みなもんで曜日感覚が狂ってるんです。あと時間も。すみませんでした!

トキヤの姿が変わる。眼の色は赤く、肌の色は褐色に。そして、服を突き破って背中から翼が生える。


「トキヤ様、大丈夫……ですか?」


一番初めに動いたのはチワだ。唯一、前回の目撃者のため、一番衝撃が少なかったからだろう。だが、トキヤはそれを無視する。前回の行動からは考えられない行動だ。


「チワ、ご主人様は前もこのように?」


次に動いたのはハズクだ。チワにそう尋ねている。


「はい、ですが……少しだけ威圧感が足りないような」


「こ、これで……?」


チワの感想に、ハズクは驚く。前回の時のトキヤを見ていないハズクは、その言葉がすぐには信じられなかった。


そして、トキヤが動き出す。アクシオス、ガルーダ、グラシア、綾羽、京佳、白殺虎のいる方向へと。地面を強く蹴り、翼を広げて。


「「きゃっ!」」


その時の余波で、チワとハズクに突風が来て、そう叫んでしまった。そして、マージュは終始驚いた表情で立っていた。


***


(何?何なのよ、あれ?トキヤが急に……昔話で聞いたことがある、魔人?みたいな姿に変身して、飛んでいっちゃったんだけど?あれが切り札なの?……トキヤ、あなたは一体何者なの?)


マージュはそう考えたが、口に出すことはおろか、チワやハズク同様に近づくことも、動くこともできなかった。


***


ズドーーン!!!


トキヤが片膝と片手をついて着地した。その場所は、アクシオス、ガルーダ、グラシアの前だった。


「……トキヤ君、君のその力は一体?」


アクシオスが最初にそう尋ねる。だが、トキヤは答えない。そして、ゆっくりと綾羽へと近づいていく。


「師匠、あれはトキヤさんなのですか?私には、あれがいつものトキヤさんと同じ人物には、到底思えないのです」


震える声でグラシアがアクシオスにそう尋ねる。だが、それに答えたのはガルーダだ。


「あぁ、確かにいつものトキヤとは雰囲気がまるで違う。見た目もな。ヘプトの奴が最初に目をつけたのも、今では納得がいく。トキヤ、あいつは何者なんだ?」


ガルーダはそう呟いた。


***


「痛った〜……え?ちょっと待って、何で、何であなたが?あなたもそうだったの?ボスと同じように」


綾羽は《水渦竜》を食らってしまい、少しだが傷を負ってしまった。そして立ち上がると、目の前にはトキヤがいた。だが、その雰囲気は変わっていたのだ。


そして、トキヤがボスと同じようになっていたのだ。そう綾羽も確認してしまった。だが、トキヤは答えない。違う!ボスとは違う!そう考えた。


「アヤハよ。あれは……もしかして、我らの同族、いや、実は隠されたボスの右腕という可能性は無いかの?」


後ろを見れば、京佳がこちらのそばに来て、そう呟いている。


「だ、だったら、私たちを狙う必要はないでしょ?こんな重要な情報、私たちにも伝えられていないんだよ?多分、敵対勢力……なのかな?」


「そんな物、末端にまで伝えられるじゃろうが!……まぁ、もし仮にそうだとしたら、あれを野放しにするのはちと不味かろう。我ら、ボスの悲願のためにも、今のうちに消しておく。それが最善じゃ。アヤハ、白殺虎も解除せよ。あれ無しで勝てると、お主も楽観視できる訳なかろう?」


「そ、そうだよね。解除!」


グルァァァァァァァ!!!


白殺虎が動き出す。だがトキヤを見ると、再び動かなくなる。


「あ、あれ?解除!……解除!……なんで?なんでなんでなんで?」


白殺虎の拘束は解除されている。動かないのは、白殺虎自身の意思だ。だが、綾羽はそんな事など初めてのことだった。よって、何度も解除を試みている。だが、もちろん白殺虎は動かない。


「もうっ!なんでよ役立たず!」


綾羽は白殺虎に当たる。いつもの綾羽ならば、こんな風にはならない。それだけ、トキヤの威圧感がとてつもないのだ。


「アヤハ。そいつはもうダメじゃ。我らだけでやるしかなかろう。一瞬でも気を抜くんじゃないぞ?」


「もちろん分かっーー」


綾羽の言葉は途中で途切れた。トキヤが綾羽に向かって水平に飛び、蹴りを放ったからだ。綾羽は辛うじてそれに反応はしたが、両腕のガードごと、トキヤの蹴りは綾羽を吹き飛ばした。


「がふっ……」


綾羽の口からそんな音が漏れる。


(折れた。確実に右腕が折れてる。蹴り1発であの威力?ボス程の力はないけど……私じゃ絶対に勝てーー)


綾羽の思考は途中で中断された。トキヤが吹き飛ばした綾羽を追いかけて飛び、肘打ちで首を狙って地面に激突させたからだ。


本来なら首の骨が折れているはずの威力だが、綾羽の骨は折れてはいなかった。綾羽自身が強かったからともあるが、京佳はトキヤよりも早くに綾羽のもとに向かっていたからだ。


だが、トキヤは京佳をすぐに追い抜かして、綾羽へと追撃をした。京佳が間に合った頃には、綾羽がトキヤに肘打ちで地面に叩きつけられる直前だった。


急いで《地面軟化(グランドソフティング)》を無詠唱で行い、綾羽が戦闘不能になるのを辛うじて阻止したのだ。だが、その衝撃は凄まじく、地面がへこみ小規模のクレーターが出来ていた。


(危なかった。アヤハを相手にここまでやるとは。三大最高幹部全員で掛かっていても、時間稼ぎの引き分け狙い程度ならいけるかもしれんが……2人ではすぐに終わってしまうのかオチじゃな。……それでも、我らは引くわけにはいかん。ボス……先生の為じゃ!)


「はぁぁぁ!」


京佳はトキヤに向かって、《炎付与(フレアグラント)》をした上級魔石の剣と、《雷付与(サンダーグラント)》をした上級魔石の剣で斬りかかる。だが、トキヤは京佳の剣を、直接両手で受け止めたのだ。


「うそじゃろ?……がはっ!」


自身の渾身の一撃を受け止められ混乱した京佳に向けて、トキヤの膝蹴りが放たれる。京佳は空中を舞いながら地面に倒れた。


そして、二本の上級魔石の剣を奪ったトキヤが、京佳に近づいていく。その時、トキヤに向けて濃い紫色の魔法が放たれた。


放った人物は綾羽で、放った魔法名は《侵食毒(イロウシェンポイズン)》だ。この魔法は一度浴びると、皮膚の穴という穴から自動で体内に入り込み、臓物や血管などの機能を停止させる毒属性上級魔法だ。


だが、当たらなければ意味はない。トキヤは《侵食毒》を京佳の上級魔石の剣二本で受ける。《侵食毒》は生き物や植物などの有機物にしか反応せず、剣などの無機物には効果はない。もし、どんなものにでも効くのなら、毒属性最上級魔法に指定されているだろう。


さらにトキヤは《侵食毒》の掛かった剣一本を、綾羽に向けて投げたのだ。幾ら自分の魔法だろうと、《侵食毒》は自分にも有効だ。


故に、綾羽はそれを全力で横に飛んで回避した。だが、トキヤはそれを予測して、もう一本を綾羽の回避するであろう所に投げていた。


結果、綾羽はまるで自分から《侵食毒》の掛かった上級魔石の剣に突っ込むようにして、剣が綾羽のお腹に突き刺さった。


「……ごふっ!……あ、ああああぁ!きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」


綾羽は吐血し、お腹からも血が滲んでいる。そして、叫びながらのたうち回る。《侵食毒》が綾羽の全身を蝕んでいるのだ。それにより、お腹からも血が溢れ出てくる。


トキヤはそれを見届ける。綾羽の命がきちんと尽きる最後まで。だが、綾羽が死ぬのを防ごうと京佳がトキヤに魔法を使おうとする。


完全な背後からの奇襲だ。京佳は一刻も早く綾羽に解毒魔法を掛けたかった。だが、無詠唱の解毒魔法をする時間すら、トキヤの目の前では無い。そのため、先に安全に魔法をかけるための障害である、トキヤを一旦動かないようにしようとした。


(無理なのは百も承知じゃ。だからと言って、小さい頃からずっと一緒だったアヤハを見逃すことなんて、あり得ないのじゃ!)


京佳は内心でそう叫び、トキヤに向けて《塵旋風(ダストトルネード)》を放った。風属性と土属性、属性の異なる二つを合わせた合体魔法。しかも、1人での同時発動だ。


トキヤが閉じ込められているそのわずかな時間の間に、京佳は急いで綾羽のもとに向かい、解毒魔法を施そうとする。


使うのは《解毒無毒化(ディタクサファリケイシャン)》だ。一応回復作用のため、水属性魔法に位置してはいる上級魔法だ。効果は魔法名の通り、解毒と一定の無毒化をしてくれる。


京佳は《解毒無毒化》を使おうとして、両手を綾羽にかざす。だが、その手は綺麗に二の腕から切断された。


「なっ……痛っ!……いだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃぃぃ!」


一瞬の間が空き、京佳は自分の腕が切断されたことに気づく。そして、遅れて焼けるような痛みが襲う。傷口が両腕のため、京佳はどうすることも出来ずに倒れて左右にのたうち回る。


トキヤはそれをなんでも無いように見ながら近づく。顔に変化は一切無い。感情が無いように見える。


そして、既に溶けて人間の原形をほとんど留めていない、半熟肉塊となった綾羽の死体の横の京佳の元に立つ。京佳に向けて《侵食毒》が放たれる。


「いだ……い……」


京佳はその言葉を最後に死んだ。両腕を切断された時の何倍も痛かったはずだ。だが、京佳は痛みで叫ぶ気力すら残ってはいなかった。


トキヤは何故《侵食毒》でとどめを刺したのか。せめて綾羽と同じ死因の方が良いとか、そういう理由では無い。ただ、一番相手が苦しむやり方をしただけだった。


こうして、トキヤは無意識ながらも、2度目の殺人を犯した。みんなの前でだ。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』

も、是非読んで見てください。

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